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ひとりぼっちが好き 8/16*転職日記*

高校時代、大好きな古典の先生が自己紹介で言った「みんな立派な夢があるだろうが私は偏屈な爺さんになることが夢」が忘れられない。偏屈な爺さん。絶対厄介じゃん。でもなんか、想像できる。

偏屈。
性格がすなおでなく、拗けていること。
調べたとき、あれ、これわたしじゃんと思った。
誰かといるのは楽しいし基本的には会話が好きだ。声をかけてもらえるのも声をかけるのも好き。
大人数はあまり得意じゃないけど、発言は控えめに混じらせてもらう分には嫌いじゃない。
でもやっぱり基本的には一人でいる方が性に合っている。

そう思ったのは今日のバイト中、3時間ほど一人で作業をしていた時。黙々と同じ作業を繰り返すだけでも、もっと上手くできる方法とか頭の中ではいろんなことを考えていて、飽きがこない。
お昼から出勤した先輩に「良いペース!」と褒めてもらえるまで、そんなに時間が経ってることにも気がつかなかった。ちょっとした達成感。
自分を俯瞰する自分が「悪くないじゃん」と囁いてくる。

無音で一人が好き。
家でぼーっと考えてるのも、本を読んでいるのも、映画を観ているのも。
カフェでも同じ。一人が好き。
もちろん友達といるのも好き。
贅沢なのかもしれないけれど、どっちもないと生きていけない。

ずっと面接の回答を待っていた企業からお祈りメールが届いた。「貴殿の経歴に添う業務を弊社ではご用意できかねます」とかなんかそんな文句。なんだそれ。じゃあ最初から書類で合格出すなよ。
というかそんな理由で落とすなら待たせるな。
バイトの帰り道、一人でため息が止まらなかった。
愚痴っぽくなってしまうけど本心だ。
続いて他の企業にエントリーもする。
手当たり次第になってしまってはよくないけれど、吟味するのは書類が通ってからでもいい。
蝉の声がいよいよ警告音に聞こえてくるほど、夏の終わり、期待の終わりを感じる風情だった。

今夜はゆっくり本でも読もう。
前職の同僚が食事に誘ってくれて嬉しかったけど、今日のわたしに必要なのは会話より一人。
ひとりぼっちになりたい日だ。


ちなみに冒頭の古典の先生はとても人気者だった。

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