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君が残したものを、ずっと(葬送のフリーレン/勇者)

葬送のフリーレンを最近はとても楽しみにしている。千年生きると言われるエルフの魔法使いフリーレンが、かつて旅していた仲間である勇者ヒンメルの軌跡を辿りながら冒険をしている話だ。おそらく、一番短く説明するとこういう言葉になるのではと思う。

この主題歌が「勇者」であり、歌っているのはYOASOBIだ。実際のアニメの内容ももちろんだが、この曲がとても素晴らしい。


私は最初葬送のフリーレンを見ていない状態でこの曲を聴いた。その時はYOASOBIがまた素敵な楽曲を出したんだというくらいの認識だった。それなのに数話後からアニメを見始めて、もう一度この曲を聴いたところどうなったか。

曲の解像度がぐっと、一気に上がったのだ。

この箇所の歌詞はあのことを歌詞にして歌っているんだ、という発見があった。かつての勇者ヒンメルに対するフリーレンの思いをAyaseさんはこうとらえて書いていているんだという感動があった。原作を全く知らずに聴いていた時とは全く響きの違った曲になってしまっているという驚きがあった。

私にとってYOASOBIとは機動戦士ガンダム水星の魔女の「祝福」、推しの子の「アイドル」、BEASTERSの「怪物」ときて今回の「勇者」だった。この流れで、これだけ作品に合った主題歌を作れるのはYOASOBIくらいなのではないかと思うようになってしまった。




第一話で亡くなる勇者ヒンメルは、葬送のフリーレンではとても大きな役割を担っている。彼はフリーレンにとっては大きな後悔だ。人間の寿命がエルフよりもずっと短いということを知っていながら、彼についてもっと知ろうと思わなかった。そう言ってフリーレンは泣く。

曲の随所でその思いが描かれている。私が一番好きなのはここだ。

君の勇気をいつか 風がさらって
誰の記憶から消えてしまっても
私が未来に連れて行くから

YOASOBI/勇者

ここがもうメロディーが相まってとてもいい。葬送のフリーレンは勇者一行が世界を平和にして、その後から始まるという不思議なストーリー展開になっている。だから既に終わってしまった冒険とはエルフであるフリーレンにとってみたら、長い年月で人々の記憶から消えていくものだという認識なのだろう。それを自分が覚えていることで未来に連れて行くということだ。

実際にフリーレンは「(勇者一行を讃える)この祭りはいつまで続いていくのか」と町の人に聞く。あちこちにある自分を含む勇者一行の銅像をじっと見上げる。それすらも勇者であったヒンメルの優しさそのものだったわけだが、今のところアニメではその優しさの正体が何なのかまではわからない。


ここはあえて言及しないでおこう。
今後、また記事を書くことになるかもしれないから。

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