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ダウン症それがどうした?!と思えるママになるための100のステップ       ステップ94塔の再生

ステップ94塔の再生

まりいが産まれて2日後の
ハロウィンの日転院した病院の小さな部屋で
ダウン症告知を受けたあの時、
振り返ってみると
あの瞬間が
私がそれまで積み上げてきた
自我のタワーが倒れ一気に更地になった
体験だった。

私にとっては
自分の子供にダウン症があるという現実を受け入れるということだったけれど
人によって種類は違えど
高く積み上げてきた、
自己の塔が倒れるような
突然の変化の経験は
誰にでもどこかの人生のポイントで
あるのだろうと思う。

それは大きな事故に合った後の
病室で一人目を覚ました時かもしれない。

生死に関わる病気が見つかった時の待合の椅子で立ちがる力の入れ方がわからなくなってしまった時かもしれない。

生きがいである仕事を失った帰り道
夜空を見上げて
都会でもこんなに星が見える日がある事に
はじめて気がついた
その時かもしれない。

突然地鳴りがして
今まで積み上げてきた塔は
根っこから押し出され崩れ落ちた。

地面には瓦礫が散らばって
身動きが取れなくなった。

塔の中にあった物
割れた窓ガラスが散らばって
夜空の月光に反射して星のよう
暗黒の中
どちらが空で地面か、
どちらが星でガラスの破片のリフラクションか
わからないくらい
星とガラスは共鳴しあい光に囲まれてら
言葉を失う。

一日一日
ただこの今日の一日を生きる事に集中した。

起こった新しい現実を少しずつ受け入れながら
毎日瓦礫を一つ一つ手で拾い
片ずけていった。

使える物は新しい塔の一部に再利用しょうと
小さなヒビがあれば直して
磨き上げてそんな作業をしている時、
ふと、塔が壊れる前には気に留めなかった事が
なんて尊く美しいんだと
自分が感じるようになっていることに気がつく。

鳥や虫のさえずりにじっくり耳を傾けてみたり
花の香りに足を止め癒やされてありがとうと花に
微笑み返してみたり。

木々の間を吹く風に髪をほどいて感じてみたり。

それは自我の塔が崩れるほどの大きなショックを受けたため
感情の振り子が大きく右左に揺れているからかもしれないし

自分の価値観が大きくリセットされたサインなのかもしれない。

そんなふうに
私は新しい塔を
また積み上げていった。

私の塔は再生した。

前の塔よりもずっと素敵になった。

太陽の光を感じられるステンドグラスの窓を作ってみたり
家の中のどこにいても夜月が眺められるように天井が吹き抜けにした。

たくさん人を呼べるように
大きな部屋を作ったし、
ゲストルームもある
みんなが集えるようにしたかった。

私の塔だけれどもう私の塔だけではないことに気がついたから。

私の塔は以前より見違えるほどに立派になった。

あなたの塔はどうだろう?
以前のあなたの塔と
今のあなたの塔
どう違うか比べてみて。




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