内なる虐待者(家族)とは、もう同調しない

トラウマケアの効果で、フラッシュバックはなくなりました。
フラッシュバックは、単に思い出すといった理解をされる事が多いと聞きます。
実際には、その時の状況に引きずり込まれる、といった感覚です。
今でも時折、被虐体験の感覚は蘇ってきます。ひとつ変わったことは、過去の体験の渦中に引きずり込まれる手前の崖に、留まることができていることです。

フラッシュバックよりはかなり楽ですが、心が恐怖で震え、手が同じように少し震え、力が入りにくくなります。
臨床心理士の先生が言うには、これは、解離の一種なのだそうです。

例えば、何か失敗をした時。内なる家族が発動し、私を責めながら、暴力を振るいます。
「そんな事も出来ないのか」
「生きてる価値なんてない」
「死んだ方がいい」
存在を否定する言葉を吐きながら、執拗に倒れる私を足蹴にする兄。
「イライラしてるから、近寄るな」と怒鳴る父。戸惑いと凍りつきでその場から動けない幼児期の私を、身体が吹っ飛ぶほどの足蹴りで、遠くへ追いやった事。
彼らの行動に、乗っかる、または隠れる母親。

かつての私は、心の中に居た彼らと同調し、私は生きる価値がなく、虐げられて然るべき人間だと、自分自身を攻撃していました。
何をするにも、間違えないように、失敗しないように。生活自体が、背水の陣のようでした。

今でも、受けた暴力の感覚は消えません。
弱っている時なんかは特に、そんな感覚や酷い記憶が、戻ってきます。

40年以上封じ込めてきた憤りや恐怖や悲しみは、残念ながら、すぐには消えないのでしょう。

変化したことといえば、ただ自分の味方でいるよいになったことです。
彼らは頭がおかしくて、間違っている。
起きた出来事は、私の責任ではない。
そして、優しい音楽を聴いたり、好きな食べ物を料理したり、体を暖かく快適にしたり、つまり慰めて労わることをします。それしか出来ないし、それが今できるベストなんだと思います。

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