詩 ザ・トレイン・ハズ・ゴーン
詩 ザ・トレイン・ハズ・ゴーン
いま
地下高速鉄道の
隣席にて
眠る彼女は
いつか
焦がれるほどの夢見る世界へ
あるいは
漂白された現実の重圧へ
一人 誰も伴わず 行ってしまう
行かなきゃいけない
そんな未来
避けることのできない
ありふれた
必定
季節のように
衛星のように
巡り来るものばかりなら いいのにな
でも、それらでさえ
那由多の時を超えれば
軌道を見失って
地表へと墜ちゆくのだろう
いま
地下高速鉄道は
53分の日常を刻むけれど
それだって
私たちが
桜の樹