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サービス公開初期のプロモーション戦略の立て方

サービス公開初期においてのプロモーションは正確もなく、概要商材、サービス、企業状態により、実に様々なケースが存在する。簡単に3つのポイントに分け解説を行います。

①サービス公開後のプロモーション戦略(チャネルや予算配分の決め方)の考え方

「サービス公開前」「公開と同時」「公開の後」仕掛けるタイミングとして、全て大事ですが、公開前にバズ、バイラルが起きてもそれはあくまで、公開以降につなげていくものです。

WebやAppサービスですと、公開直後のユーザーのサイト内外の動きを見つつ、UI/UXの改修を行いながら、LTVを予測しつつ、1ユーザーあたりの獲得単価がいくらなら回収できるかのシミュレーションを行ってから、堅実にプロモーションを展開していくことが、リスクは少ないでしょう。広告予算は売上か利益の15%程度という方針も決めていくと運用しやすいと思います。さらにその予算内訳とし、PRと広告を10:0にするのか。8:2にするのかも決めていくことが大事です。

一方で、サービスが出るタイミングは最初で最後、ワンチャンスしかないため、そこで世間の注目度を一定のレベルに持っていくには、サービスローンチ時に、より多くのメディアにそれぞれの切り口で取り上げてもらう活動も必要だと考えます。情報の賞味期限的なものはリリース一週間以内です。それを逃すと来ないチャンスも出てきます。

テレ東のガイヤの夜明けなどは、サービスローンチ前の取材から仕込んでいたりするケースもありますよね。

また、未来への投資としては、スケールを狙うのであれば、プロモーションは広告予算に全て割くのではなく、マスやPR予算にも若干割くことをおすすめします。特にスタートアップ、ベンチャーは予算は限られているので、よりPRにて話題化を図る方が良いでしょう(また調達したからといって安易にCMに突っ込むと失敗するケースが多いです)

スケールを狙わず、いかに損しないようにするがKGIであれば、ローンチ後の検証をしながら、固いかつ早めの予算回収が見込める施策を行っていくことが良いと思います。

②予算スケールに応じたプロモーションの考え方

究極のマーケティングは実コストゼロでモノが売れる(消費者が買う気になてって、実際買い続けること)こと、サービスが利用されることという言葉があります。元DeNAマーケティング本部長も言っていて、なるほどと再認しました。

よって、できるだけ予算は使わず大きな成果を一定期間で出すことが当たり前ですが必要です。その上で「100の予算に対して120のアウトプット=効果」と「80の予算で100のアウトプット=効率」の両輪の考えが必要になってきます。

実際にどういった部分を考えながら進めていけば良いか。
まず、目的に応じてKGIを設定、そこでKPIは一旦設定しなくて良いので、予算アロケーションを考えましょう。KPIは手段によって左右されるので、後づけでOKです。

そして予算に応じて何をしないといけないというルールはないため、事業戦略の段階で、どうしていく必要があるから予算はいくらという形で、必ずマーケティングチームを予算を決める際にジョインさせましょう。予算決めする人が分かっていれば良いのですが、ここで失敗するパターンが、マス信者、ネット広告信者、PR信者など、色々なパターンの意思決定者のカラーが出て、最適化された予算ポートフォリオが組めないということです。場合によっては外部のブレインを入れても良いかもしれません。

また予算は回収前提の投資なので、どこまで張って、いつ回収するかのコンセンサスも関係者内で必要です。5年先の回収で、最初の2年は徹底的にマスやPR中心でダイレクトレスポンス広告は打たないというのも、あまりないですが立派な方針だと思います。

次に年間>四半期>月単位での計画を立てる。

この際に事業売上や利益、顧客獲得数、獲得単価の前に、以下要素を入れましょう。
・話題の影響範囲(他人ゴト、世の中ゴト、仲間ゴト、自分ゴト・・など)
・顧客体験・創造過程(○○って最近聞く、○○って何?○○ってイケてそう、使おう、○○ってサイコー・・など)
・提供メッセージ、イメージ(※サービスにより異なる)
・狙い(気づきを与える、リーチを図る、身近に感じてもらう、純粋想起させる・・など)
・戦略(段階的に話題化、第一次ファン醸成させる、エンゲージさせる)
・施策(ADなのかPRなのか、ADならSEM、DSPなのか、ネイティブADなのか、OOHなのかマスなのか・・・)
・成果指標(関連Word検索数、セッション数、AppDL数、CPC,CPA,CPOなどなど)

上記のロードマップ図がしっかり出来ると、あとは何をしていけば良いかが分かってきます。ただ予算がほぼないと、いきなり「認知」「態度変容」といっても、相当クリティカルなアイデアや、時間が必要になってきます。

どうしても厳しい手法も出てきます(TVCMなど物理的に枠代が発生するもの)そんな中、以下はざっくりの予算(年間)毎のイメージです。

■10億~Webだけでは限界が出てくるフェーズです。マスは弱くなってきていますが、いかんせんマス。マス系でリーチ×認知を獲得しつつ、Webを絡ませていく

5割:マス(TVCM)や大型PR企画、CPN
4割:Web広告
1割:その他

■1億~
億を超える予算で、ダイレクトレスポンス系に予算を割きすぎると、業種によりますが、効率が悪くなり、枯れがちなので、そこを最も注意しましょう。最終的な刈取りは良いですが、中期的なユーザー増、エンゲージメント強化のためには、まず知ってもらい、興味関心を得ていくことに一定の予算を割いていくことが大事です。

5割:ダイレクトレスポンス系広告(リスティング、リターゲティングなど)
3割:興味関心系ブロードリーチ広告(Facebook含む、各種ADNW,DSP)
1割:ネイティブ系AD
1割:各種PR企画

■1,000万円~
ある程度予算がある場合ですね。きっちり運用をしていく形となります。優秀な代理店かインハウス担当が必須でしょう。ダイレクトレスポンス系広告をメインにしつつも、SNS系ADと、リタゲ、リマケ系もきっちり運用していくことが大事です。またPDCA次第で成果が変わってくるフェーズですので、クリエイティブ制作体制も内部か外部に設けましょう。

また予算の1割を、世の中が必然と話題にしたくなるような文脈設計をPRを通じて行っていただきたいと思います。SNSキャンペーン、死語ですがバズ的な施策、口コミ形成、ニュースバリューありきのネタでメディアプロモートなどを積極的に行っていきたいものです。共感してくれるインフルエンサーに指示を仰ぐのも良いでしょう。

6割:ダイレクトレスポンス系広告(リスティング、リターゲティングなど)2割:興味関心系リーチ広告(Facebook含む、各種ADNW,DSP)
1割:ネイティブ系AD(Yahoo!コンテンツディスカバリーなど)
1割:各種PR

■100万円~
現実的な多くのクライアントが検討する予算だと思います。

基本後述の10万円~と同じような構成になりますが、広告があくまで広告(消費者に企業側が言いたいことをプッシュする)なので、PR(世の中とコミュニケーションを第三者のメディアや、キャンペーンなどで構築していくことを検討しても良いでしょう)

7割:リスティング、リターゲティングなど
2割:興味関心系ブロードリーチ広告(Facebook含む、各種ADNW,DSP)
1割:リターゲティング、アフィリエイト、場合によってはPR企画

■10万円~
商材によりますが、相当ピンポイントであれば専門媒体へのペイド記事、もしくは顕在層のみに絞ったリスティング広告の実施。リスティング広告も代理店にお願いしにくい金額だと思いますので、自動入札ツールなどを使うのが良いと思います。個人的なオススメはシロフネhttps://admin.shirofune.com/signupです。プロ運用担当を2名雇用するより、片手間放置で成果をだしてくれます。

しかも最大2ヶ月は利用で使えます。3ヶ月まで無償で利用したい場合は、本記事限定で以下紹介コードをお渡しします。

また、ASPによっては初期費用がかっかってきますが、アフィリエイトだけを実施という手堅い方法もあります。その際はSEO視点で該当キーワードにおける検索上位のアフィリエイトメディアに掲載していただけることに注視しましょう。

■1万円~
基本予算は使えないものとし、自社で広報活動を多角的に行うことが現実的だと思います。サイトやSNSだけでもテクニックがあれば、実費がなくとも出来ることはあります。あくまで予算ありきではなく、戦略ありきで、予算を使うのは手段に過ぎません。

③「マーケット、ニーズが顕在化」しているサービスと、「仮説検証段階(PMF前)段階」であるサービスににおけるプロモーションプランの考え方

まず「マーケット、ニーズが顕在化」しているサービスにおいては、今のポジションニングを元に、競合から顕在層のリプレイスをどうしていくか、マーケットの中の該当サービスの認知~アテンションしていかないとなりません。

最もカンタンな方法は、競合がやっている各プロモーション手法を真似て、全てにおいて、よりボリューム出稿を行う(クリエイティブは考えないといけませんが)です。相当な体力があれば良いですが現実的ではありません(事例はあります)

前提としてサービスの大枠の概念自体は世間は知っている=既に例えば複数競合がある程度の市場シェアを取っている場合、サービスの概要というより、そのサービスを市場の中で、どのような形で消費者(ユーザー)が使うかの理由作りを考えます。ポジショニング戦略が非常に大事です。

自社サービスのバリューは何か(消費者にとって)を軸に、どういったコストで、どういったコミュニケーションを取るかを考えると良いでしょう。前提のサービス概要は、ユーザーは分かっているので、いかに自社サービス、ブランドのファンになってもらうかの考えましょう。そこでないとならない消費者側の理由が大事になってきます。

次に「仮説検証段階(PMF前)段階」であるサービスは、そもそもそれを利用していただく理由を世の中に作っていく、もしくは当ててみる必要があります。商品設計の段階からPR視点を持ったプロモーションやクリエイティブが大事になってきます。

良いモノを作ることが最も大事であることは言わずもがなですが、それだけでは、いかんせん消費者が購買するアクションには繋がりません。例えば価値ある本も、本屋さんの倉庫になむっていたら意味はなく、どういうレイアウトで、背表紙ではなく、表紙を積み上げて、どういうポップ付きで、リコメンドされながら置かれるとでは、全く違います。

まず、最低限の露出と共に、価値を感じてもらうきっかけを第三者(メディア、インフルエンサー、友人)から語られるかが大事であります。

逆に新規性があるということで、PRしやすい部分もあります。顕在化しているサービス以上に、サービスそのものの概念を、どういった文脈に乗せるかがポイントです。

良くハマったら良いな、という期待もありますが、ある程度の仮説を元にしたサービスであれば、しっかりと事実を先行して伝えていくことが何より大事です。事実を第三者を通じて、発信していく、その後、一定の認知段階で、周辺層にアプローチしていく流れが良いと考えます。

また競合がある意味いないわけで、そういう意味は概念が取り入れられれば、その後は一気に拡がっていく可能性が期待できます。

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