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大学生。誤字のないように気を付けています。

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短歌たち(逐次更新)

幸せが疎まれてしまう世の中じゃパンケーキすら上手に焼けない 快楽を求める弱い僕たちはライブハウスにてスーツを躍らせ 哲学を想う時にどうしても脳裏に過る貴方が苦しい 辛いからと酒を飲む癖を治さねば 想起し泣くは喧騒の飲み会 あまりにも自信に満ちた君だから「私なんて」が目立ってしまうな 法律に背中を向けて飛び越えろ片道二百円のハードル 唐突に話題を変えて話す君 三オクターブの跳躍で遊ぶ 君のことうまく短歌に詠みたくて「好き」の類義語検索してみる 「今日くらい俺が作

    • ドッペルゲンガーに会ったから死んでたんだけど、よく話し合ったら別人だったから生き返りました。

      • 友人に抱く感情を「友情」とカテゴライズした途端に、「愛情」との差別化がされてしまって嫌だな。それまでは純粋な愛情だったのに、「付き合っていない」という線引きが設けられたことでつまらない友情と化してしまった気がする。だから友人に恋人ができるのが苦手なのかも。

        • シュイシュイ

          腰の痛みを訴えていた友人が癌で死んだ日も、5日前に会ったばかりの祖父が死んだ日も、全部楽しかった日から連続してるんだって。嘘みたい。あの日も、今日も、信号は決められた秒数で色を変える。 蝉が鳴いていた。ミンミンじゃなくて、シュイシュイだよね、と言ったら首を傾げられた。蝉が鳴いている。ほら聞いてみろ、シュイシュイと鳴いているじゃないか。同じ蝉じゃないのに、毎年同じように聞こえる。 祖父が死んだ翌日の17時から21時、本屋には別のアルバイトが立っていた。どの客も異常には気が付

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        短歌たち(逐次更新)

        • ドッペルゲンガーに会ったから死んでたんだけど、よく話し合ったら別人だったから生き返りました。

        • 友人に抱く感情を「友情」とカテゴライズした途端に、「愛情」との差別化がされてしまって嫌だな。それまでは純粋な愛情だったのに、「付き合っていない」という線引きが設けられたことでつまらない友情と化してしまった気がする。だから友人に恋人ができるのが苦手なのかも。

        • シュイシュイ

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          『RRR』を観ました〜喉から手が出る宗教観〜

          いまいち纏まらないうちに書くことが、ひとつの価値だと勘違いして書く。 5/6 17:05 インド映画を観に行った。stoRy,fiRe,wateR.これら3つのRを取って『RRR』。あの有名な映画だ。このnoteにはネタバレが多く含まれるので、『RRR』を鑑賞する予定のある方は、目をお香の香りを染み込ませたターバンでお覆いください。 『RRR』に主人公は二人いる。ビームとラーマだ。 それぞれ異なる物語を持つ二人だが、どちらもイギリスの植民地支配により家族を失った過去を持つ

          『RRR』を観ました〜喉から手が出る宗教観〜

          エアプランツ

          やたらと長い春休みをだらだら過ごしてしまうことは、二年前から知っていた。そこで、春休みにテーマを設けた。 少し豊かな生活 テーマを設けたのは、とある人物の死がきっかけだった。あまり関係のない人だった。とはいえ無視できない人だった。好きな人の好きな人。自身誕生日に自らの命を絶った人。面白いと豪快に笑って、面白くないと少しも笑わない人。語気が強いから少し苦手だった人。 彼女が死んだ翌日、花を買った。小さな花弁の弱そうな花は、凛としていた彼女とは似ているどころか対照的で、

          エアプランツ

          コミュニケーション

          「生きたかった人が死んでしまうのだから、あなたは精一杯生きろ」という理屈が分からない。生きたい人が死んだという事実を知っても、代わりに死んでやりたいとしか思えないよ。その程度には参ってしまっている。 性別を強調することに何の意味もないので、何の意味も持たずピタピタのニットにショートパンツを合わせ、薄いタイツから素肌を覗かせる。「今日は女の子らしくていいね。そういう服装いつもしたらいいのに。」どうして?どんな私になるか、選べるのが楽しくってしょうがないのに。クローゼットの前に

          コミュニケーション

          多弁

           先生、無音を聴いたことはありますか。寝る前や、授業中に存在する無音を。無って本当に多弁ですね。例えば、ここにはエアコンが一つあって、その前の部屋にも一つ、奥の部屋にも一つあるでしょう?そして、換気扇も回っていますね。これも全部で三つかな。空気清浄機も正常に作動しているようで何よりです。あと、どこかの窓が少し開いていませんか?鍵が開いていたり、カーテンを挟んでいたり。もしかしたら死んだ虫を挟んでいるだけなのかも。そして、チッ、チッ、時計が一秒の長さを教えてくれる。先生、私達は

          冷え性

           寒くなると、自分が冷え性だったことを思い出す。寒いと感じる以上に手先が冷えるせいで厚着をしろと怒られるし、おかげで手を握ってもらえる。手を握ってもらうのは好きだ。ただの知り合いは冷え性だからと手を握らない。手を握って温めてもらうことで「あなたとは親密だ」と伝えられているような気がする。でも、私が温かいと感じるということは、相手は冷たいと感じているわけで、寒い季節に相手に保冷材のような手を握らせることを少し申し訳なく思ってしまう。本当は、手先の冷えよりも足先の冷えの方が辛くて

          菊池寛「恩讐の彼方に」

          青空文庫からも読むことができます 主人の妾であるお弓と慇懃を通じて、さらにその主人を殺すという武士として最悪の罪を犯した市九郎は罪悪感を抱いている。お弓は市九郎が主人を殺したその時から非常に強かに逃亡生活を企み、その後も自分の手は汚さぬまま、市九郎に殺人と強盗を繰り返させることで生活を送っている。この時点で市九郎とお弓の心情に大きな差異が見られる。 市九郎はその殺人・強盗に対する罪悪感に苛まれ、出家し、「鎖渡し」と呼ばれる一年に三、四人、多ければ十人もが死んでしまう梯を見

          菊池寛「恩讐の彼方に」

          太宰治「待つ」

          青空文庫からも読めます 語り手である「私」は「人間をきらい」で「こわい」と言う。しかし、実のところは他人に対して当たり障りのない挨拶をしたり、それとない感想を言い、「嘘」を吐いている感覚が苦手なのだ。「待つ」の初出は、収録されている短編小説集『女性』の発売がされた1942年である。1942年といえば、太平洋戦争の真っただ中であり、男性は徴兵され、女性は工場などで働かされていた。しかし、「私」は対象となる二十歳でありながら、何らかの事情でそれに駆り出されていない。この「私」の

          太宰治「待つ」

          9/24

          プランクトンを食べようと口を開く魚は、とても生きていた。水槽には彼らの生態が書かれていて、「どのように食事をして、どのように繁殖するか」を知ることが出来る。上位の生物としてそれをする権利があるかのように、彼らを娯楽に成り下げているような不快感はこの部屋の過ぎる照明に拠るものだろうか。同じ種の魚は皆同じように食事をして、同じように繁殖して、怒られそうだけどまるで機械みたい。大学に居る人って魚なのかも。まるで機械みたいに、規則正しく生きている。ちっとも羨ましくないけれど、劣等感だ

          9/20

          整った音程。ドレミファソラシド。ドとレの間には黒鍵があるのに、ミとファの間には黒鍵がない。それでも整っている音程。 整った言葉。七五調。あめんぼあかいな、あいうえお。おっとこれは八五調?それでも整っている言葉。 みんな歌えるけれど、誰もが上手いわけではない歌。みんな話せるけれど、誰もが上手いわけではない言葉。みんな生きているけれど、やっぱり誰もが上手いわけではない人生。 たまに散歩をしたくなる。散歩って無害。だから好き。ボサボサのままの髪で、あるいはバチバチに決まった顔

          9/19

          十八歳のまま、時が止まっているような気がする。十八歳の時の対人関係が、十八歳の時の生活習慣が、十八歳の時の思考が、そのまま二年間続いただけの二十歳。私はもう少しで二十一歳になる。 十八歳の時の不登校癖は二十歳になっても治らない。十八歳の時の逃げ癖は二十歳になっても治らない。あまりに休みすぎてゼミの教授からLINEが来た。それを三か月間無視した。あまりに返信がないから親に電話が来たそうだ。それでも私は既読すらしなかった。あまりに反応がないからバイト先に教授が来た。それでも私は

          9/17

          「本のカバーはお付けしますか」と聞くと大抵の人が「お願いします」と言う。 しかし、面白いことに「本はこのままのお渡しで宜しいでしょうか」と聞くと「あぁ、そのままでいいです」という人がぐっと増える。小説を読む習慣のある私は、本のカバーといえば小説に付いているものだという固定概念に縛られていたが、実際のところ「このままのお渡しで宜しいでしょうか」と聞いても本にカバーを付けてもらいたがるのはコミック(またはラノベ)を買う層が多い。その人々にとっては、本ひとつ取っても愛する作品のグッ

          9/16

          「下ろすよりポニーテールの方が似合ってて好きだよ」 高校の時に好きだった先輩がそう言ってくれた。彼はことあるごとに私に好きだと言ってくれた。私が彼のことを好きなのも、もうそれは十分に知られていた。その上で、彼はいろいろな部分を褒めてくれたし、好きだと言ってくれた。だけれど彼には恋人がいた。年上で、知的で、足が長いからどんな服装でも似合って、顔が小さいからどんな髪型でも似合って、すっきりした顔にはメガネがよく似合っていたけれど、彼はそういう人間だった。 恋人の存在を知るまで