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ホルモンのおさらいの話

ホルモンのおさらい

食べる方ではありません。内分泌の主役の話です。分泌される量はごくわずかですが、それぞれのホルモンが標的とする臓器や組織の細胞に働きかけるというもので、多くても少なくても異常をきたすという、生体内の情報伝達物質でしたね。

どれくらい微量かというと、50メートルのプールでせいぜいスプーン1杯程度だそうです。また、女性ホルモンでしたか、一生の間に分泌される総量がスプーン1杯分程度、そんなホルモンも存在します。

内分泌としてのホルモンは、血流に乗って標的とする臓器に届くという点に特徴があります。昔はそんな様に覚えていたのですが、現在は必ずしも血流に乗るとは限らないようです。というのも、ホルモンを情報伝達物質として捉えると、血流に乗って遠くの臓器に辿り着くようなものはたくさんあるものの、隣の細胞に何かを伝えるといった分泌の様式があることが分かってきました。こういったホルモンは血流に出て来ないので、なかなか分かりません。

以下は血流に乗って運ばれるタイプのホルモンについてです。

ホルモンはどうやって役割を果たすか

一般に、ホルモンが標的とする臓器や組織に辿り着いてその役割を果たすためには、まず標的とする場所の細胞がホルモンを受け入れなければなりません。この受け入れる、あるいは受け取るといった場所には、レセプターと呼ばれる構造が存在します。レセプターがホルモンを受け取って、初めてホルモンはその役割を伝えることができるんです。

レセプターは受容体とも呼ばれ、いわば受付の窓口といった存在です。レセプターは特定のホルモンに対してだけ働くとされています。つまり、他のホルモンがそこにあったとしても、レセプターは受け付けないということで、鍵と鍵穴の関係といった感じですね。当然ですが、レセプターが無い場所でホルモンがその働きを発揮するということはありません。

さて、そのレセプターですが、一般的には細胞膜上にあると理解されています。ホルモンはアミノ酸がつながったたんぱく質として存在しているものが多いのですが、これらは細胞膜を通過することが出来ないので、標的となる細胞の中に入れません。そのため、レセプター自体が細胞膜上にあってそこでホルモンを受け入れることで、その働き、役割を細胞の中に伝えることができるんです。

それに対して、ホルモンの中には脂溶性というものも存在します。これは細胞の中に自由に入り込むことができるので、必ずしも細胞膜上にレセプターが存在する必要はありません。細胞膜を通って中に入ることができるので、レセプターは細胞質や核の表面に存在しています。

ホルモンはもともと少ない量しか分泌されず、しかもそれが全身に広がるわけですから、かなり希釈されてしまいます。しかも、標的臓器に届くためには、血流に依存しなければなりません。その状態でレセプターはホルモンを受け取るわけですから、かなり感度が良くなければならないことが分かります。

分泌されて標的臓器に届くまで、数分かかるとされています。言い換えれば、何かの刺激に反応してホルモンが分泌されると、数分後には働きを発揮し始めるということですね。

人間のからだって、結構上手く出来ているんですね。


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