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39、フラボノイドの話


フラボノイド

今回取り上げるのは「フラボノイド」です。フィトケミカル全般に言えることかもしれませんが、どれがグループの名前で、どれが種類の名前なのか、本当にややこしい分野です。今回のフラボノイドも、グループの名前になります。このグループの中にフラボノールや、フラバノールや、いろいろなモノが属します。これだけでもややこしい。

フィトケミカルの大きなグループで捉えると、フラボノイドは大グループであるポリフェノールに属します。以前にイソフラボンを取り上げた事がありましたが、これも実はフラボノイドの一種だったんです。ただ、このフラボノイドのグループ自体を取り上げたことがなかったので、今回話題にしたわけです。

フラボノイドは植物に含まれている色素で、苦味や辛味の成分です。フラボノイド自体もいろいろなグループを含みますので、種類によって特徴や作用が異なります。その多くが強力な抗酸化作用を持っており、サプリメントなどに広く利用されているんです。

さて、このフラボノイドですが、これもまたグループの名前と先に書いた通り、この下にいくつものグループが存在します。何が違うからグループが分かれているかというと、それは構造に違いがあるからということになります。それによって、フラボノール類、フラボン類、カテキン類、フラバノン類、アントシアニン類、イソフラボン類などに分けられているんです。本当にややこしいですね。まあ、この中ではイソフラボンをはじめ、カテキンやアントシアニンについては書きましたよね。

肝心の効果や働きですが、ポリフェノールのグループだけあって、抗酸化作用が非常に優れています。この他にも、デトックス作用やアンチエイジングの働き、ストレス緩和、がん抑制、免疫を整える、血液サラサラなど、様々な効果があります。ただ、これ等を含む食材(野菜やフルーツなどの植物)によって、含まれるものが違い、その食材としての効果も違ってきます。

抗酸化作用

簡単に言えば、細胞や血管を加齢などで老化させないようにする働きです。この働きによって、生活習慣病のリスクを抑えます。つまり、予防的に作用するということですね。がんも最近は生活習慣病のグループに入ることになっていますので、がん予防にもつながる話です。

また、フラボノイドには、悪玉コレステロールを抑制する働きもあります。悪玉コレステロールについてはもうご存じだと思いますが、簡単にいうと、コレステロールが酸化したものです。これは血管を傷つけるため、動脈硬化や高血圧といったことのリスクを上げてしまいます。したがって、これ等の予防にも役立つということになります。

免疫機能に対して

フラボノイドは、免疫機能のバランスを保つ作用があります。免疫機能が下がってしまうと、ウイルスの感染症のほか、がんなどのリスクが高まってしまいます。反対に、免疫機能が高すぎる状態になってしまうと、身体が異物に対して過剰反応を起こしやすくなります。

この状態を具体的に言うと、アレルギーの症状が出やすくなるということなんです。フラボノイドは免疫機能を適切に保つことで、感染症やアレルギー症状を抑制します。

認知症に対しても効果がある?

アメリカの研究報告からの話ですが、フラボノイドの摂取に関する調査を20年追跡したというものなのですが、それによると「フラボノイドを多く摂取すると認知症の予防に効果がある」といわれているとのことなんです。

認知症に効果があるなって聞くと、びくっとしますよね。

それによると、例えば「フラボノイド摂取量が多いと認知症のリスクが46%低下した」といった報告がありのだそうです。また、フラボノイドのグループに含まれている中のアントシアニン、これに関する報告なのですが、アントシアニンの摂取量と認知症予防に関連があるといったデータもあるのだとか。それによると、「アントシアニンの摂取量が多いと認知症のリスクが76%低下した」のだと言います。

読んでみたいですよね。そんな報告もあるということで、フラボノイドも非常に有用なものなので、積極的に摂取するような食生活を考えていきましょう。

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