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40、アルドステロンの話

アルドステロンって、聞いたことがあるような無いような、そんな名前にお感じかもしれませんが、アルドステロンは副腎から分泌されるホルモンの一つです。副腎でよく知られているホルモンといえばコルチゾールが挙げられますが、アルドステロンも重要なホルモンの一つです。

副腎には皮質と髄質がありました。髄質からはカテコールアミンと呼ばれるアドレナリンやノルアドレナリンが分泌されます。この二つは今年の2月の初めごろに、ここに書いていましたね(忘れてた?)。それ以外のホルモン、コルチゾールなんかは皮質から分泌されます。今回取り上げるアルドステロンも同様に、皮質から分泌されるホルモンです。

アルドステロンは腎臓でナトリウムの再吸収を促進させる働きがあります。ナトリウムは水分の移動を伴う性質がありますので、ナトリウムの再吸収促進によって血管内の水分量が増加します。血管内は閉鎖的な空間ですから、その容積は限られています。ナトリウムの再吸収が増える結果として、一定の空間内の水分量も増えてしまうことになりますので、これが血圧の上昇を引き起こします。とくに太い動脈よりも末端の細い血管で血管に対する抵抗が強くなることで血圧が上昇します。またナトリウムが溜まることで心拍出量も増加しやすくなります。

アルドステロン単体で問題視されるのは「原発性アルドステロン症」という疾患でしょう。これはアルドステロンが過剰に分泌されることで引き起こされる疾患で、主な症状は高血圧になっています。アルドステロンが過剰分泌される理由を見ていくと、二つあることが分かります。一つは腫瘍のようなものができて勝手にどんどん分泌してしまうというもの、もう一つは腫瘍は出来ていないが副腎のアルドステロンを作る細胞が通常よりもたくさん出来ていること(過形成といいます)、この二つだそうです。

因みに、副腎に出来るこの場合の腫瘍ってほとんどが良性だそうです。ですから、診断がついた場合は手術で取ってしまう方法が用いられるそうです。とはいっても手術したくない人だっているでしょうから、他の選択肢もあるそうです。この辺りの詳しいことは医療機関でお尋ねいただくのがよいでしょう。

血圧が上昇する理由としては、原因がよく分からないとされる「本態性高血圧」なるものが大半(だいたい90%くらい)だそうですが、残りの10%ほどがこの原発性アルドステロン症にあたります。

メカニズムとして、レニン-アンギオテンシン-アルドステロンという一連の流れが知られていて、この流れに沿って血圧が上昇しているのかどうなのかといったことも調べられます。これに塩分摂取の話が絡んできますので、結構ややこしい話になります。

身近な高血圧も生活習慣病の一つとして知られていますが、いろいろなホルモンやメカニズムが関係しているんですね。


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