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腎臓の病気 尿路結石の話

体の中に石が出来る?

体の中に石が出来ると言われたら、ちょっとびっくりしますよね。ですが、あまりにも強い痛みを感じて医療機関を受診したことがあるという人なら、ある程度の想像はつくでしょう。腎臓の病気を取り上げていますので、今回は尿路結石の話題になります。

古くはエジプトのミイラだったかの膀胱からも発見されているそうですから、むかしから人類を悩ませてきたようですね。

それはともかく、通常は腎臓で出来てしまった石が流れてしまい、引っかかったところで痛みを起こしてしまう、その場所から腎結石、尿管結石、膀胱結石、尿道結石などと名前が付けられます。引っかかった場所でその石が周囲の組織に傷をつけてしまうために、出血を起こします。ですから、尿路系のどこかで石が出来ると、たいてい血尿が出てくることになります。

腎臓は血液中の老廃物をこし出す役割がありますから、捨てようとした物質が結晶化してしまう場合も出てくるでしょう。この場合ではカルシウムやシュウ酸といった物質が結晶化しやすいとされています。また、こし出した後に大部分の水分を回収するので、必然的に濃縮されてしまう傾向があります。

症状と検査

今挙げた血尿はよく見られる症状です。ただこれだけでは人類を悩ませてきたというには大袈裟ですよね。実際には、多くの症例で激しい痛みを伴います。多くのという言葉を使いましたが、中には痛みの症状が出ないという症例もあるそうです。また、石が小さければ、痛みを感じることはないかもしれません。

痛みを伴う場合、突然腰や背中の下に現れます。ひどい場合は吐き気を催すこともあるのだとか。また、高熱を出したりすることもあります。血尿については、眼で見てわかるような真っ赤な尿になることもあれば、健康診断などで指摘される程度の、肉眼では分からない血尿ということもあります。

最近は腹部超音波検査が浸透していますので、こういった検査を行なえばある程度は診断がつきます。ただ、結石の成分にカルシウムが含まれていれば、腹部超音波検査で見つけやすいのですが、そうでない場合はなかなか見つからないかもしれません。

他には、主に下腹部になりますが通常のレントゲン写真を撮るとか、CT検査を行うなどによって、石を見つけ出すことが可能になります。

治療の話

小さければ流れてしまう事も有るでしょう。また、小さければ経過観察となる症例も多々あるようです。ただ、尿管に詰まってしまうような場合は、水が溜まって尿が出にくくなってしまいます。このような状態を水腎症とよびますが、この場合は石が小さくても処置が必要です。

治療方法として、薬を使って結石を溶けやすくする方法、内視鏡を使って石を掴んで出す方法、体外から衝撃波を当てて砕く方法、内視鏡を使って石を砕く方法などがあります。

発生頻度や予防について

尿路に発生する結石は、男性では7人に1人くらい、女性では大きく頻度が下がって15人に一人くらいの割合とされています。そして、一度結石になると、80~90パーセントの人が再発するともいわれています。特に生活習慣病がある場合、再発しやすいともいわれていますので、普段の生活の中から予防していくことが重要になってきます。

予防としては、成分が濃縮して結晶化することが結石に繋がるわけですから、水分摂取を増やして結晶化しないように流してしまうことが簡単ですね。また、バランスの良い食事を心がけ、特にシュウ酸の摂取には注意しましょう。また、運動とまでいかなくても、体を動かす習慣をつけておくことで、結石が出来たとしても小さいうちに流してしまえるようになります。こういったことを心がけて、毎日の生活を送るようにしましょう。

また、以前に結石を患ったことがある場合は、結石自体の再発頻度が多いことから、何かあれば専門医に相談することも念頭に置いておきましょう。


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