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フランス所得税申告のスケジュール

フランスでは、会社員で所得税が源泉徴収されている場合でも、世帯単位での確定申告が必要です。所得収入は1月1日から12月31日までのものを、翌年の4月から6月に申告を行います。

2024年の所得税申告カレンダーは以下の通りです。

  • 4月上旬: 所得税申告開始

  • 5月20日: 紙での所得税申告提出締切

  • 5月23日: Zone 1のインターネット所得税申告提出締切

  • 5月30日: Zone 2のインターネット所得税申告提出締切

  • 6月6日: パリのZone 3のインターネット所得税申告提出締切

(※確定申告の締切は地域によって異なります。)

7月下旬から8月にかけて、税務署よりAvis d’imposition(所得額を証明する納税通知書)が送付されます。源泉徴収されている会社員の場合、払い過ぎた所得税があれば還付されます。

9月1日には、前年度の申告所得税に基づき、給料から源泉徴収される所得税率が更新されます。通常、翌月の10月から新しい所得税率が適用されます。

2025年9月からは源泉徴収が変更されます。結婚またはPACS(準婚姻制度)をしているカップルは、世帯収入から源泉徴収される所得税率を計算する時、これまでは ①世帯収入をベースにした所得税率と、②個別収入をベースにした源泉所得税のどちらかを選択できました。

①所得税率は世帯収入をベースに計算
例えば夫の税率が20%で妻の税率が10%の場合、世帯税率は15%になります(厳密にはもう少し計算は複雑です)。その結果、収入が少ない妻の税負担が大きくなり、収入が多い夫の税負担が軽くなります。(収入に対して高い税金が差引かれる妻の手取り給与は、個別収入の税率を適用する場合と比べて少なくなります。) 

夫 20%→15%
妻 10%→15%

②個別収入をベースに源泉所得税を計算
例えば、夫の税率20%、妻の税率10%の場合、②の方法では各自税率はそのままです。

夫 20%
妻 10%

2025年9月からは、②の個別収入をベースに源泉所得税を計算することになります。これにより、これまで①を選択していたカップルのうち、収入が少ない方は税率が下がり、手取り額が増えることになります。結局のところ、支払う所得税は世帯収入に応じて同じです。この税制改正により、収入格差のあるカップルに対する不公平が解消されると考えられます。


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