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日本・フランス・ノルウェー年金基金資産運用ポートフォリオ比較

資産運用におけるポートフォリオとは、資産の組み合わせや、その比率のことを言います。ポートフォリオはとても重要で、運用成績の9割はポートフォリオで決まると言うプロの投資家もいるくらいです。

私の資産運用目的は主に将来の備え(老後の備え)なので、参考になるかと思い長期的な運用を通じて年金支給のための資産を増やすことを目的としている年金機構の資産運用割合を調べてみました。


日本年金機構 GPIF: Government Pension Investment Fund

日本の厚生労働省により運営されている世界最大の年金基金です。
運用資産額は219兆円(2023年時点 1.3兆ユーロ)

2006~2009年度

  • 資産構成割合:

    • 国内債券: 67%

    • 国内株式: 11%

    • 外国債券: 8%

    • 外国株式: 9%

    • 短期資産: 5%

GPIF資料参照
  • 2020年以降

    • 資産構成割合:

      • 国内債券: 25%

      • 国内株式: 25%

      • 外国債券: 25%

      • 外国株式: 25%

GPIF資料参照

2000年代は国内債券がメインでしたが、2020年以降は債券と株式を国内と外国を各25%ずつ保有するスタイルに移行しており、2001年以降の収益率は年率で3.99%です。

https://www.gpif.go.jp/operation/the-latest-results.html

フランス年金準備基金(FRR)

運用資産額は210億ユーロ(2022年時点 3.4兆円)
フランスには複数の年金基金が職業ごとに分かれており、日本のようにGPIFに一括されていません。フランス年金準備基金のFRR(Fonds de Réserve pour les Retraites)は2001年に設立されました。
2004年以降の収益率は、日本年金機構とほぼ同じで年率4%です。

FRR資料参照

https://www.fondsdereserve.fr/documents/FRR-RA2022-FR.pdf

ノルウェー年金基金 (GPF-G)

世界の年金基金の上位にいるのが人口540万人の北欧の国ノルウェーです。
2023年の運用資産額は1兆4000億ドル(約204兆円)とほぼ日本のGPIFと同じレベルです。今年1月末に発表された2023年の年間収益率は驚きの16.1%、4年ぶりに高水準での運用と新聞記事にはあったので常にこの収益率を毎年維持している訳ではないようですが、株式割合が多いことから収益率が高いようです。ノルウェーの年金基金(Government Pension Fund-Global)の運用資産額が非常に大きい理由は、主に以下の要因が挙げられます。

  • 石油収益の蓄積: ノルウェー政府年金基金の資金は、主にノルウェーが北海で産出する石油および天然ガスからの収益に由来しています。ノルウェーはこれらの天然資源を効果的に開発し、その収益を基金に積み立てることができました。

  • 長期的な投資戦略: ノルウェー政府年金基金は、その長期的な投資戦略により成功しています。基金は幅広い資産クラスに分散投資し、リスクを管理しつつ、安定したリターンを追求しています。この戦略により、資産の増加が実現されています。

ノルウェー年金基金の資産運用割合は以下の通り。日本年金機構やフランス年金準備基金に比べて株式比率が大きいですね。

GPF-G資料参考

日本、フランス、ノルウェーの年金基金はの運用割合を調べてみました。年金基金のポートフォリオは、資産分散と長期的な視点に焦点を当て、安定したリターンを追求しています。個人資産運用者は、その戦略や分散投資の考え方を参考にし、リスク管理と持続可能な成長を意識したポートフォリオの構築の参考にしてはいかがでしょうか。


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