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恋する写真

*この原稿は2022年8月8日に書いたものであり、公開せずに保存しておりましたために、公開させて頂きます2024年2月23日にはこの原稿に登場する29歳差の方とは離婚が成立しております。ご心配いただきありがとうございました。

何の撮影でも撮影中、男女を問わず、ひとであることすら問わず全力で被写体に恋をして撮影し、撮影を終えてから悲しい映画などを観て号泣して片想いをリセットする。これがボクの感情を込めるには最適な撮影スタイルであった。これまでは。

今日は、いい歳して29歳差の娘のような年齢差の再婚を3年前にしてからの初めてのモデルさん撮影だった。

実は去年は去年で別のモデルさんの生みの親としてのゲスト出展のための撮影、AD用撮影があったのだが、ボク自身が鬱の状態であったがためにあまり記憶がないといった感じなのが正直なところ。なのでそんな中、ようやく今年、しかももう半分が過ぎてしまった8月が再開という感じになってしまった。

久しぶりというにはあまりにも年月が経ってしまっている撮影となったそのモデルさんとは9年前に出逢っており、もちろん当時から恋をして撮影をしていた。

「誰よりもワタシを綺麗に撮ってくれる」

「普段広告撮影しているお爺ちゃんに、撮ってもらった写真見せたら『広告写真のフレームでスポーツ写真のタイミングで撮影している。写真うまいね』と言われた」

こうして9年経った今でも、このモデルさんはこの我が身の中心部にあるボクを支えてくれていた名言集の立役者であり、何度も何度も撮影させてもらっても飽きることがない、逢うたびに新鮮な刺激をもらえる唯一と言って良い程のモデルさんであった。彼女によってモデル撮影の楽しさを知り、学び、育ったと言っても過言ではなかった。

最初は彼女が19歳の時に初めて撮影させてもらい、それからしばらく月一くらいのペースを経てからのちに休業を挟んで再会したのが6年前だった。

その時ももちろん再び恋をした。全力で恋をしてきた。3回撮影させてもらい、4回目を彼女の仕事トラブル対応に追われての当日ドタキャンになってからまた時間はあいていた。

去年2021年の6月、突然SNSのメッセージに連絡をもらった。

もちろんこれまで撮影させてもらってきた写真も半世紀以上のこの人生における宝物ではあるのだが、こうして三度目も見つけてもらい、そしてまた撮影して欲しいと言ってもらえるのも何よりの宝物である。このこと自体がこれからも大切にすべきものでありたいと願っている事を象徴する出来事であった。

しかし、すっかり世界的な流行病でボク自身の仕事はなくなり、収入すら途絶えている身であったがために、撮影させてもらいたくても実現には出来ずに1年が過ぎてしまっていた。

そして念願叶って2022年8月8日(月)の今日、実現した。

初めて撮影させてもらったのが2013年4月24日およそ9年、最後の撮影2016年11月8日からおよそ6年が経っていた。

撮影の合間の懐かしい想い出話、そして私自身の再婚話から現在の「ひも」話、今では伴侶に「乞食」とすら罵られ蔑まれていてなかなか撮影すら自由に出来ずにいるという話、恋愛談義にまで及んだ。

「6年前、9年前に結婚してくれていたら、今は一緒になっている可能性だってあったんだから!笑」

「あー、それを逃したから今もわたし独身なんだ…」

「私も歳上が良いですけれど、置いて逝かれるのがイヤだからなぁ…先に逝きたい」

「そうなんだよねー、まさににそれ!なんだよ。置いて逝く身も辛いよ」

「若いうちに綺麗なままで死にたい」

「いやいや大丈夫、いつまで経っても、シワくちゃになっても綺麗だから!!」

そんな話で9年、6年をあっという間に飛び越えた。

そして撮影を終えて帰宅した。

そこで迎えてくれたのは…

開口一番「スタジオ代いくら? 私払わないからね! そんなカネあったらオープンセサミ(馬や保護どうぶつの施設)に寄付するから!!」

最近はこの「オープンセサミに寄付をする。物を贈る」という、まるで今、政界を賑わしている話のように事あるごとに我が家の話の中心になっている。「もっと多くの金額を!もっと多くの物資を!」それを聞く度にあの宗教に近いものを感じている。

それはそうとして、同じシュートでも拳銃ではなくカメラの方ではあるが、しばらくはこの今日の恋心、リセット出来ずにいるのだが、このままこの片想いはボク自身が生きていくために、悲しい映画などで泣いて流さずに取っておこうと想う。そして再び細かく働きお金を捻出して撮影経費を貯める目標としようと心に誓ってこのnoteを書いている。

このnoteを見つけ、読み、また「キー!!となることは」その昔、酒呑むくらいなら、そのカネでフィルムの1本でも買った方が良い!という考えを貫いてきた。なんかそれに近い駆け出し感が蘇っている。

29歳差婚はさることながら去年、前出の撮影をさせてもらったモデルさんの言葉が響いてくる

「同業者同士、撮影者とモデルの結婚は絶対に有り得ない。私の中では(仕事しづらくなってしかたない)。」

まさに、それな⁉︎

来年は10周年記念、そしてシワくちゃになっても綺麗である事を証明する為にできる限り撮らせてもらいたい。絶対にボクの方が先に逝ってしまうのではあるが、それも喜びとして。

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