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ヴィーガンと1パック500円の卵

つい先日、1パック500円の卵を買った。高い、高すぎる。卵が今ほど値上がりする前は、近所のスーパーで1パック168円くらいの卵を買っていた。値上がりしてからも、なんとか安い店を探して、248円とか、258円とか。

それが、500円。

プラスチックではない、なんだか高級そうな紙製のパックに入っていて、パッケージにはこう書かれている。

放し飼いたまご
平飼い(エイビアリー)

…エイビアリーって、なんじゃい!
というわけで、ヴィーガンにやや興味を持ちごくわずかに実践するまでのことを書く。書くよ〜!!(気合い)


肉フェスとヴィーガンと、沼本憲明氏

今年のゴールデンウィークに、お台場でやっていた肉フェススタッフのバイトをした。べつに取り立ててお肉がだいすきではないが(もちろんきらいでもないが)、時給が1600円だったから。そして、遊ぶ金がほしかったから。

開催期間中、駅を降りてから会場までの道には、毎日等間隔に立て看板や写真が置かれていた。

ヴィーガンの活動家の人が置いたものだ。

よほど目をつぶったりあらぬ方向を向かない限り目に入ってきてしまう。私は結構熱心に見て、それなりに嫌な気持ちになり、肉フェスでバイトをすることについて少しだけ考えた。

私は基本的にこういう、活動家、みたいな人を好むタイプなので、いいぞ!とは思った。

会場に爆弾を仕込むのはよろしくないけれど、これは意見だ。ひどく民主主義的なやり方で、私を含め、少なくない数の人が、肉を食べるということについてちょっぴり考えただろう。

そのあと私は実際に、ヴィーガンについてネットで調べた。YouTubeでヴィーガンのことを発信している方の動画を観たりもした。

そしてそのときにはじめて、家畜(とくに牛)のゲップに含まれるメタンガスという温室効果ガスが環境破壊につながるなどという、環境問題寄りのヴィーガン思想があることを知り、それまでヴィーガン=動物愛護のイメージだった自分にとってそれはとてもびっくりする事実だった。

私が観ていたYouTubeの方のヴィーガンに対する姿勢は、「できる人が、できることを、できるぶんだけ」というもので(ご本人はかなり徹底してやられているようだったが)、それも自分にとってとてもすてきな考え方のように映った。

そのときに、ヴィーガンは肉と魚、乳製品は食べないということは知っていたけれど、ハチミツも食べないという考え方の人がいたり、革製品を避ける人がいたり(一方で、新しく購入することはないが、ヴィーガンになる以前から所有しているものは大切に使うという人もいるという)、シャンプーやコスメなどにも、ヴィーガン対応のものがあるということを知った。ちなみにヴィーガン対応のシャンプーやコスメなどには、「原材料に動物性のものを使用していない」 ということと「動物実験をしていない」 ということの2つの側面がある。

あとは、大豆ミートなどの疑似肉自体も嫌うヴィーガンの人がいることや、「焼肉ライク」という焼肉店でフェイクミート(=代替肉=疑似肉)を扱い始めたこと(!)を知ったのもこの時期だ。
この焼肉店でフェイクミートを扱うことは私にとってすごくInterestだった。そして物事へのこういう取り組み方が、私は好きだなと思った。焼肉を食べに来た人が、ノリで、おもしろ半分で、興味本位でフェイクミートを食べて、意外にうまいしこれもありじゃね、みたいな感想を持ってくれたらおもしろいし、すごくよい。
ヴィーガンからいちばん遠いところにあるフェイクミートって、とてもユニークな試みだなと思う。

それから、ヴィーガンの人は蕎麦が食べられないということも同時期に知って、衝撃だった。なぜなら、かつお出汁がダメだから…!!!!!

そしてそのすこしあとに、仕事で、ミートスペシャリストとよばれる肉職人・沼本憲明氏のインタビュー記事を読む機会があって、それもなんだか、「!」となった。ヴィーガンの対極にいる人。でも誇りを持って仕事をしている人。

沼本氏はインタビュー記事で、なるべく牛が苦しまない方法を研究したことや、骨などに近い部分も丁寧にカットすることで余すことなく命をいただくことなどについて話していた。

そのとき調べ物で、大阪市のHPの食肉処理業務について書かれたページを読んだ。
そこには、そういった職業に従事する人への差別についての断り書きなんかが書いてあった。このようなことが書かれているということは、今でも彼らを差別的な目で見る人がいるということなのだろう。
ちなみに、「屠殺」は、共同通信社が出す『記者ハンドブック』では、差別用語として使用を禁止されている。


はじめての、ヴィーガン飯!

と、すこしだけヴィーガンに興味を持ったものの、それからも私はふつうに毎日肉を食べて過ごしていた。もちろん魚も、乳製品も。抵抗感や嫌悪感もなく。

そんなふうに過ごしていたころ、たまたま行った場所で、手作りのヴィーガン料理を振る舞われた。

べつにヴィーガンではないのだが、せっかくならいい機会だし食べてみようと手に取ると、結構おいしい。豆腐などを使っているからか、なんというか滋味深くて健康的な味がする。うまい、うまい。

まずいけど思想のために我慢して食べる、みたいなものではぜんぜんなかった。


ヴィーガンの知り合いできる

なんでこの数ヶ月の間にこんなにヴィーガンや肉にまつわる出来事に遭遇しているのかわからないけど、夏に、突然ヴィーガンの人と知り合った。べつにそういう人との出会いを求めて何か行動していたわけではなく、ほんとにたまたま。

はじめて会ったときにヴィーガンと打ち明けられ、そのときは特にその人とその話はしなかったけれど、私はまた冷めかけていたヴィーガンへの興味を抱くようになった。

食事も今までとは変わらなかったけど、とにかく、もしヴィーガンだったらこれから食べる食事でNGな食材はなにかということを考えるようになった。
たとえばフレンチトーストなら、卵、牛乳、パンに入ってる乳成分やラードなど、上にかけるハチミツ、とか。少しだけ、いただきます、に深刻さを持つようになった。


ヴィーガンの人と友達になる!

その人と2回目に会ったとき、まず、ヴィーガンについて聞いてもいいか尋ねて、個人的なこと、内面的な踏み込んだことを聞いてしまうかもしれないから、答えたくないことや聞かれたくないことがあったらごめんね、その場合は答えなくていいから言ってね、と付け足した。

その人に聞いたこと
・ヴィーガンになってどのくらいか
・ヴィーガンになったきっかけはなにか
・動物愛護をおもな理由とするヴィーガンと、環境保全をおもな理由とするヴィーガン、あるいはその両方を理由とするヴィーガンがいると思うが、そのどれなのか
・ヴィーガン食に移行するとき、いきなりスッと移行できたか。それとも肉、魚はNGだけど乳製品はとりあえずOK、あるいは肉、魚、乳製品はNGだけどかつお出汁など調味料はとりあえずOK、などの移行期間があったか
・ごく親しい人や、あるいはそれほど親しくない人が肉や魚、動物性食品を食べることに関して嫌悪感はあるか
・日本では屠殺に携わる職業が差別されてきた歴史があるが、それについてどう思うか

正直ヴィーガンの人と出会ったのがはじめてで、すごく興味があった。ずっと聞いてみたかったことのほとんどを質問させてもらった。
(その人はその人で、たまたま知り合った相手がやたらヴィーガンについて突っ込んだ質問をしてくることに若干驚いていたけれど…。)

その人の返答はその人の個人的なことなのでここでは伏せるが、ひとつだけ。
屠殺について、その人は、大前提として、差別はよくないとしたうえで、屠殺に従事する人は社会的弱者であると述べていた。
その理由として、肉体労働のなかでも体力的にきつい仕事であることや、仕事内容ゆえに精神を病んでしまう人がいることを挙げていた(このへんは、その人から聞いただけで、まだきちんとした裏取りとなる調べ物はしていないです)。 だから、たとえば彼らに代わりの職を用意することなどが、穏便なヴィーガンの望むやり方のひとつであると。

私はそれに対して、ドキュメンタリー映画『ある精肉店のはなし』に出てくる家族や、あるいは私が読んだインタビュー記事の沼本氏のように、誇りを持って肉を扱う仕事に従事している人もいる、という話をした。

「罪を憎んで人を憎むな」みたいなことなのかもしれないけれど、私はまだこの屠殺に従事する人への差別と、ヴィーガンという思想について、明確な答えを自分のなかで出せないでいる。

そんな話をしたあと、その人と、はじめてヴィーガンのごはん屋さんに行った。

中東のコロッケ、ファラフェルのお店。イスラエル発のヴィーガンのお店で、ヴィーガンスイーツなんかも売っていた。
私が食べたのは、ファラフェルが入ったピタサンド。葉物野菜や、おかずっぽい具、ソースなんかをそれぞれ数種類から選べたりするのもちょっと楽しい。
味はもう、なんの遜色もなくおいしい!
具のひとつにフムスを選んだんだけど、大好きなんだよねー。

その人に、「この前辛ラーメンを食べながら成分表を見ていたんだけど、辛ラーメンてヴィーガンOKだったりする?」と聞いた。日本版、韓国版、袋麺、カップ麺など種類にもよるらしいが、OKとのこと。帰ってきてからちゃんと調べたら、OKだった!
(このとき「乳化剤」が、乳製品とは無関係ということをはじめて知った。)

その人いわく、日本ではヴィーガンというと美容や健康のために選択している人も多く、そのイメージもあり、ヴィーガン=おしゃれで高価で意識の高い感じの食べ物が多いけど、海外だともっと意識の低いヴィーガンごはんがあるとのこと。
たしかに辛ラーメンみたいなかんじで、意識が低くておしゃれでもなく、安価でときにジャンキーなヴィーガン食品なら、取り入れやすいよなーと思った。


アニマル・ウェルフェアってなんじゃ

私はもともとは、ヴィーガンにとくべつ興味があったわけではなく、エシカル消費(倫理的消費)に関心があって、できればなるべく、エシカル消費をしたいと思っていた。そんな折にこれまた仕事でアニマル・ウェルフェアという概念を知って、これも私のなかでは結構、「!」だった。

アニマル・ウェルフェア。日本語に訳すと動物福祉。
そのうちのひとつとして、家畜の劣悪な飼育環境の改善が挙げられる。
(調べるとネットでもいろいろ出てくるから、見てみてね。)

冒頭で私が購入したと書いた平飼い(エイビアリー)の卵も、アニマル・ウェルフェアに配慮した飼育方法のひとつ。
でも、高い。というかアニマル・ウェルフェアに限らずとも、ほんとうにきちんとエシカル消費をしようとすれば、値段も高いし、それ以前にまずどの商品を買っていいのか調べることも、それを手に入れること自体もすごく大変だ。

SHEINは買わなくても、ユニクロは買うし、無印良品も百均も買う。その向こうにどんな労働環境があるのか、うっすら目に入りつつも、ちゃんとは調べないまま。


実践!かなりてきとうヴィーガン寄りごはん(とさえ言えない食事だが)

というわけで、

最近、ヴィーガンの友達ができてからとりあえず買ったもの、したこと
家と職場の近所のあらゆるスーパーに行きまくり、アニマル・ウェルフェアの牛乳、卵、肉、および動物性食品不使用の大豆ミートの取り扱いがあるか探す
・お店にご意見箱があるスーパーに、「動物性食品不使用の大豆ミートをおいてほしいです!」と投函してみる
・平飼い(アニマル・ウェルフェア)のクソ高い卵を買う
・辛ラーメンを袋買いする(前からすきだったけれど...♥)
・牛乳の代わりに調整豆乳、アーモンドミルクを買う(オーツミルクも試してみたい!)
・豆乳ヨーグルトを買う(きな粉をふると、原材料的に大豆すぎるが、おいしい)
・乾燥タイプの大豆ミートを買ってみる
・ドトールでヴィーガンOKのメニューを食べてみる

とはいえ家にはファミリーパックのほんだしがあるし、ハチミツがあるし、つーかそもそも冷凍の肉があるし、買い置きのブロックベーコンがあるし、お寿司が好きだし、完全なるヴィーガンになるつもりは今のところはないのだけれど…。
それでも知識を得たり視野が広がったりすることは楽しいな、というのが今のところの感想。

私は甘いものがだいすきなんだけど、洋風のスイーツはダメだけどあんこの団子とかわらび餅はイケるぞ、とか。ゼリーはダメだけど寒天ならイケるぞ、とか。

ちゃんと調べてないけど、いわゆるアイスはダメだけど、ガリガリくんとかアイスの実みたいな氷菓はふつうのスーパーやコンビニにあるものでも、ものによってはイケると思う。

あと植物由来のチーズなんかもあるらしい。
というか豆乳ヨーグルトがあるならそこからチーズも作れるんじゃない?と思ったら、やっぱり作れるらしい!
炊飯器で作るヴィーガンパンのレシピなんかもネットにはある。


これからどうしよう

ヴィーガンの周辺には、お肉は食べないけれど魚は食べるというペスカタリアンとか、もっと柔軟に(平日だけとか、あるいは自炊のときだけヴィーガンというように)ヴィーガンと普通の食事を行ったりきたりするフレキシタリアンとか、いろんなやり方で実践する人がいるらしい。

環境保全系のヴィーガンは、5人が完全に食べないよりは、20人が食べる量を半分にするほうが理論上は環境保全につながるというわけだから、たぶんこういうやり方の人も多かったり、受け入れられているのではないかな。

今はSDGsゴリ押しの時代だから、環境保全の文脈のヴィーガンはこれからもっと広まるのでは?というのが私の予想。

あとは世の過激な(たとえばグロテスクな屠殺写真を子どもに無理やり見せるような)ヴィーガンに動物愛護系の人が多いと思われているような気がして、そのぶん、環境保全系のヴィーガンは世間に受け入れられやすいのではないかな。

私はとりあえず、

・卵はアニマル・ウェルフェアのものを購入する
・自炊では肉、魚は食べない…?もしくは、お肉は食べずに魚は食べる…?あるいはアニマル・ウェルフェアの肉を買う…?(迷い中。でも、大豆ミートがあればお肉はそこまで欲しないかなとも思う。健康面をちゃんとうまいことやれる自信がまだないのと、好きなので、魚は食べたいかも…)
・アニマル・ウェルフェアの牛乳が近くのスーパーで見つからないので、当分はアーモンドミルクや調整豆乳、オーツミルクなどを取り入れてみる。ヨーグルトも豆乳のもの!
・原材料に動物性食品を使用している加工品や調味料は、できうる限り避ける(調味料は新規に購入しない)
・外食は、どうしても肉や魚、動物性食品を使ったものが食べたいわけではなく、かつ手軽にヴィーガンメニューが選べる状況なら(モスバーガーとか、ドトールとか)、あるいは懐に余裕があって、気持ちや時間にも余裕があってヴィーガンのお店に行くことができるなら、ヴィーガンメニューを食べる
・…けど、選べない状況とか、動物性食品を使ったものを食べたいときは、食べる!
・ぜったいパンが食べたい、ぜったいケーキや洋風のスイーツが食べたい!!!の気持ちでなく、べつにおにぎりや和菓子でもよくて、手に入れられるときは、なるべく後者かつ動物性食品不使用のものを選ぶ。でも、ぜったいに食べたい、あるいは手に入れられないときは前者も食べる
・今、家にある動物性食品は使う。もったいないので
・結局食べるにしても、市販のものの成分表を見る!外食も何が使われているか意識的になる

というやり方をちょっと実験的にやってみようと思う(ゆるすぎて実験でもないのだが…)。


気づいたこと

大豆ミートは家でも作れるらしくて、それを使ってカレーとか作って作り置きしたらいいじゃん!と思ったら、市販のカレールウにはほぼぜんぶビーフとかチキンとかのブイヨンが入っているから選ぶことができない。
あと市販のキムチは魚介系のものが旨味として使われている。
最近流行り(?)の豆腐バーとかはかなりイケそうなのに、やっぱり味つけにかつお出汁とかが使われている。

と、そのへんのスーパーやコンビニで買えるものは、イケそうでイケないものが多い。

ていうか、近所のスーパーにあった大豆ミートのナゲット、成分表をよく見たら卵白が入ってるし。惜しい!!!!!

というわけで、ヴィーガンの人はたいへんなんだなーと。
外食の蕎麦とか、低価格の店はそんなめちゃくちゃつゆにこだわりがあるわけではないだろうし、昆布だしのつゆもおいておいてくれて自由に選べたら、ヴィーガンの人のごはんの選択肢が広がるのにね。
あと、軽食ならモスバーガーとかドトールでイケるんだけど(ヴィーガンOKのメニューがある)、ちょっと休憩がてら飲み物と甘いものでも…みたいなのが出先でできない。これも、大福とかをチェーンのコーヒーショップで扱ってくれたら、ヴィーガン専用の商品というわけでもないからさほど仕入れもたいへんじゃなさそうだし、あんこ好きの人もうれしいし…と思った。コーヒーと一緒に味わうとおいしいし!
あるいは、サーティワンに一種類だけ、ヴィーガン対応とか、アニマル・ウェルフェアの原材料を使ったものをおいてくれたりしたらいいのにな。

あと、ヴィーガンの飲食店、ヴィーガンのメニュー、ヴィーガンの加工食品はあっても、アニマル・ウェルフェアの飲食店、アニマル・ウェルフェアのメニュー、アニマル・ウェルフェアの加工食品というのは、ヴィーガン以上に探すのがむずかしいっぽい。ていうかほぼない気がする。

やっとこさ見つけたのが、8月17日から販売されている「キユーピー 平飼い卵マヨネーズ」。
探せばもっとあるのかな?
あるいは、ヴィーガンとかオーガニックのものを多く取り扱うスーパーなんかには置いてあるのかな。

アニマル・ウェルフェアに関してはネットの情報を見る限りヨーロッパを中心に海外の方が圧倒的に進んでいるらしく、いいな〜と思った。日本にも一応認証マークとかあるようだけど…。

あとこれはこぼれ話なんだけど、フランスにはシャルキュトリーという料理があって、これは肉のあらゆる内臓や血液までを余すことなく使って作る、ヴィーガンとは対極にあるものなんだけど、命をいただくということに対して誠実にやっていく、という態度は、むしろ近い気もする。

革製品とかも、もっとプリミティブな時代は、一頭の動物を殺したら、最大限に無駄なく使う、という文脈の中で作られていたんだろうなと思う。


知りたいこと、調べたいこと

ヴィーガンの考え方として、「すべての家畜を解放する」というのがあるらしい。

そしてより厳密な人は、農業に使われている肥料が動物由来であることを気にするとか。
ネットには、そもそも人間は畑を耕したり、野菜を育てる過程で原生生物をたくさん殺しているとかいう話も載っている(これも裏取りできてないです!)。あとは、多くの農業では害虫を(おもに薬品で)駆除するだろうし。

あるいは、どこまでほんとうかわからないけど、そもそも今地球にいる人間全員がヴィーガンとして暮らすには農作地が到底足りなくて、今肉食の人がいるからこそヴィーガンはヴィーガンという生き方を選ぶことができる、とか。これはネットに書いてあったいいかげんな話だけど、そういうので現実的な、信用できる試算みたいなものがあるなら見てみたい。

ヴィーガンの人が、ゴキブリや蚊、シロアリ、ネズミなんかを殺すのかも気になる。あるいは、害獣とされる動物への扱いに関してどう考えているのか、とか。

つまり私が言いたいのは、こういうことだ。
ごく一般的な人は、ペットを殺したり、虐待・放棄するのはダメだけど、肉や魚は食べるといういのちの線引きをしていると思う。
ヴィーガンの人っていうのは結局その線引きを家畜にまで広げただけであって、どこかに殺してもいい(あるいは殺しても仕方ないと思う)命と、殺してはダメな命の線を引くことには代わりないのか、と。
(もちろん日本の家畜の飼育環境のことを考えたら、そしてヴィーガンの人の努力を考えたら「家畜はNO」と言うことはめちゃくちゃ意味のあることをしていると思うけど!)

あと、植物ならOK、あるいは魚ならOKという線引きが、どういう根拠でなされているのかがよくわからない。
(魚について、Wikipediaのペスカタリアンの記事では痛覚についての言及がなされていたけれど、むしろ私はアニマル・ウェルフェア的な観点から、飼育環境なのかなと思っていた。だから、養殖の魚はグレーゾーンかな、とか、あるいは狩り的な動物の肉もその意味では家畜よりはマシなのかな、とか…。)

変な話、自然界には肉食動物もいるわけで、そういう意味では、人間の数が圧倒的に多いためにすごい量の食用の肉が必要=食用の個体として生き物を育てる(しかも動物たちにとって劣悪な環境で)という仕組みがグロテスクであって、肉を喰らうことそのものはグロテスクではないのではないか、とか。
(原始的な文脈の肉を食べるという行為をもう人間はどうやってもできないから、結果的に肉を食べること自体がグロテスクなのだろうけれど。)

…などなど。


後ろにいる生き物に思いを馳せる

卵とか、皮付きの生の鶏肉とか、まるごと一尾の魚とかは、それなりに命って感じがするし、いただくって感じがする。

でも今まで、パラパラと料理中に惰性でふるほんだしや鶏ガラのもと、コンソメのもとの後ろにいる生き物の命に思いを馳せたこと、正直なかった。

あるいはお好み焼きの上でゆれるかつお節や、そばのつゆ、ポテトサラダ(に使われてるマヨネーズ、に使われてる卵!)とか、ゼリーとか、グミを食べるとき、動物のことなんて、ましてやその飼育環境について考えたことなんて一度もなかったと思う。ゼラチンは動物由来なんだよね。そんなこと、考えたことなかったな!?

もちろん、植物性食品だって、動物性食品とおんなじように、いただきます!なのだけれども。
だからたとえヴィーガンにならずに今までどおりの食事をするとしても、ここ数ヶ月で得たことは、自分にとってとても知見となった。

そして単純に、世界が広がること、知識が自分のなかに増えることはたのしい!!
豆料理とかもほぼ作ったことないから作ってみたいな。

ちなみに私はまだ、グロテスクな画像とか動画は見ていない。

うんと昔にフレデリック・ワイズマンのドキュメンタリー映画『肉』は観てるけど(食肉処理場の映画です)。でもあれたしか白黒だったしなー。私はあれでお肉が食べられなくなるとかは正直なかった。
まだそういうグロテスクな画像とか動画は見ないつもり。センセーショナルなものやショッキングなものよりも、ひとまず本を読んだり文章で知識を得たりして、こうかもしれない、ちがうかもしれない、などと揺れながら考えていきたいと思う。


…続く(たぶん!)



私が観てたヴィーガンYouTuberの人

アニマルウェルフェア畜産協会のHP

アニマル・ウェルフェアに関するパルシステムの記事

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