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Draw or Write?

最近、ぐるぐると考えてしまっていることがあります。
「私はこの先、まんがを描いていこうか、それとも文章を書いていこうか」ということです。

まんがか、それとも文章か。それが問題だ。

私はまんがを描く人で、文章を書くことも嫌いではない人です。

同人まんが歴は、途中数年のブランクはありますが33年ほど。そこそこ永い時間、同人まんがを描いてきました。

一方文章は、6年ほど広報紙の編集・執筆を経験し、ライターとしてお仕事させていただいたこともあります。自分のブログもぼちぼちですが15年以上続けています。

たとえば、旅行記を(同人誌やWebで)発表しよう! と思うじゃないですか。すごく悩むんです。まんがで描こうか、文章(+写真)で書こうか。


まんがにも文章にも、それぞれの良さがあります。そしてそれぞれに異なる「生みの苦労」があります。それを天秤にかけてしまうんですね、自分。

これはまんがで表現した方がキャッチーだろうけど、まんがで描くには時間がかかりすぎる……! 文章は比較的早くアップできるけど、旅行記としておもしろく書けるのか自分……! などと、小賢しいことを、ぐるぐる考えてしまうんです。

まんがか文章か、いつまでも決められなくてまごまごしてるうちに、ネタも記憶もフレッシュでなくなっていく……ということもしばしば。自分の中ですみわけ・使いわけができていないんですね。

まんが/文章 良い点/イマイチな点

そんなどっちつかずの私。この場をお借りして、まんがで描く場合/文章で書く場合の、良い点/イマイチな点を整理させてください。

【まんがの良い点】

・読まれやすいし読みやすい
・とにかくキャッチー(同人誌即売会などでは特にそう思う)
・ビジュアルでイメージが伝えやすいし伝わりやすい(個人的には特に食べ物の描写)
・まんがを描ける人って実は少ない(これは友人に言われた)

【まんがのイマイチな点】
・執筆に時間と労力がものすごいかかる
・体力的にもものすごい消耗する
・己の技量不足を突き付けられる(苦笑)

【文章の良い点】
・製作開始から公開まで、比較的短時間でできる
(私実は、テキスト書くのにめちゃくちゃ時間がかかるんですが……それでもまんがに比べたら短時間)
・noteなどに気軽に投稿できる
・体力的には〝比較的〟楽
・写真を活用できる

【文章のイマイチな点】

・テキストだけだと人の目を引きづらい
・同人誌にした場合、内容がぱっと見わかりづらい
・即売会などで手に取ってもらうのが難しいかも
・文章を書く人は世の中にいっぱいいる。うまい人はごまんといる。
・己の文章力がとことん試される(しんどい)

問題を洗い出してみた

こうして列挙してみると、どうやら問題は
①「かかる時間・労力・体力」
②「キャッチーか否か。人の目を引けるかどうか」
③「己の技量」

この3つに絞れるようです。一つずつ検証してみましょう。

①かかる時間・労力・体力

同人誌、主に旅行記まんが制作を前提にお話します。

ああこれ、まんがで描くには時間がかかるなあ……手間がかかるなあ……と思ってしまうと、尻込みしてしまいます。目の前にあるものにビビッてしまうんです。これは私に描けるのか、と。

特に食べ物と鉄道と背景(人物以外ほぼじゃん)。好きなだけにちゃんと描きたい。でも「描くのめんどくさいなあ」って思っちゃう。そのめんどくささを乗り越えた人だけに「新刊」という栄冠は輝くんですよね。重々承知してます……。

でも「めんどくさいなあ」と思えるってことは、自分の中で「まんがで描くイメージ」ができているということ。「まんがで描けよ」という神の啓示なのかもしれない(大袈裟)。

私が思う「めんどくさい」は、人物以外を描くこと。じゃあその「めんどくさい」ことをやらないようにすれば、重い腰も多少は軽くなるんじゃないか?

「めんどくさい」を避けるために、考えられる手段としては
・デジタルツール(パソコンのお絵かきソフト)に頼る
・アシスタントさん(いないけど)に頼る


私の場合、現実的に考えて前者でしょう。
デジタルツールも日進月歩。私みたいなアナログな人間でも、お手軽に使えるツールがどんどん出てきてます。これを利用しない手はない。

「めんどくさい」作業を、私に代わってパソコンがやってくれるんですから、こんなにありがたいことはありません。
(その分、パソコン関連の手間や労力が増えるかもしれませんが……)

「めんどくさい」部分は、デジタルツールに頼る。
食べ物や鉄道、背景は、撮影した写真を取り込んで使う。
「ちゃんと自分で描きたい」とこだけ描けばいい。
頼れるものには遠慮なく頼る。
全部自分で描いていたら、時間ばっかりかかって出したい本も出せない。
それじゃ話にもならない。


一番に優先したいことは、何なのか。とにかく作品を仕上げて、発表すること。同人誌を出さないと、発表しないと、何も始まりませんから。

そもそも、私が時間をかけて、全力で描いたところで、クオリティはたかが知れてますしね(苦笑)。私の全力描画を求める人も、そんなにいらっしゃらないでしょうし。

とにかく作品を仕上げる。世に出すためにどうしたらいいか。どの手順をデジタルに頼るか。どこで時短して、どこで省エネするか。考えて実行してしまった方が、絶対いい。クオリティよりも、世に出してやることを優先する。

すべてひとりで作業をするには、こういう割り切りも必要かもしれません。


文章に関してひとつだけ。「短時間で書けるから」「比較的楽だから」という理由だけで文章を書いているわけではありません。

私は「自分の考えや記憶をまとめるため」に書いています。

noteはほぼそうですね、エッセイ的なものでも旅行記でも、自分のために残しているカンジ。「誰かのため」にはあまり書いていないような心持ちです(もちろん公開する以上、他人様にも読みやすい文章を心掛けてはいます)。

ある意味、純粋に自己を表現しているのは、まんがよりも文章の方かもしれません。

こうしてみると、私の場合「誰かのために」描くのはまんが、「自分のために」書くのは文章、とも言えますね。

誰かのためか、自分のためか。そういう視点での、まんが/文章のすみわけ・使いわけっていうのも、今後はアリかもしれません。

②キャッチーか否か。人の目を引けるかどうか

これはもう、文章書きの人にとって、永遠のテーマなのかもしれません。
ぱっと見の評価がされづらい。それは仕方ない。

私の場合、①の結論を鑑みると、「自分のため」ならば必ずしも「キャッチー」である必要はないのかな、と思いました。たった今(笑)。

たとえば同人誌にした場合、装丁やデザインはそれなりに考えますけどね。見てもらえるような、手に取ってもらえるような工夫は必要。

でも、その他の要素については、自分の思うように書いていいんじゃないかなあ。好きなようにやったほうが、自分もおもしろいし、たぶん見てくれてる人もおもしろがってくれるんじゃないかなあ。

はい、この問題は「考えなくて結構」という結論に至りました!


③己の技量

自分で書いといてナンですが……考えたってしようのないことですよね、これ(身もふたもない)。

勉強したり、他の人の作品見たり、自分なりの研究はもちろん必要。でも己の技量不足を言い訳にして何かを〝やらない〟のは、ただの臆病者です。

①で述べたとおり、私が全力出したところでたかが知れてます。だったら、思う存分好きにやっちゃえばいい。臆せずじゃんじゃん作品を発表していった方が、上達も早いはず。

四の五の言わずに描け&書け! しかないのではないかという結論に、早々に至ってしまいました。


昔、アクセサリークリエイターをやっている知人がいました。

彼女が「しばらく(アクセサリー作りの)勉強をしたいから、作品は世に出さない。上達して、自信が持てるようになったら、販売しようと思う」と言っていたのを思い出しまして……。

私に言ったことは建前で、実は別の理由があったのかもしれません。でも正直「いや、世に出さなきゃ上達しないし、それじゃあいつまでも自信なんて持てないでしょうよ……」と思ってしまいました(さすがに言えませんでしたけど)。

人に見せずとも、ぐんぐん上達する人も中にはいるかもしれない。めきめき自信をつける人もいるのかもしれない。でもそんな人は一握り。

何かを「作る」って行為は、誰かに作品を見てもらいたい、という気持ちが少なからず内包されてると思うんです。たとえ本人が「自分のために作ってる」と言っていても、誰かに見てもらいたい、見つけてもらいたいとどこかで願っている。だから、発表する。発表したくなる。

人に見せることで、自分の作品をもう一度客観的にとらえる。そして次の作品に活かす。このサイクルがあって「上達」するんじゃないかなあ。

鬼のようにうまい人って、やっぱり鬼のような量を作りだしていますもの。

結論「どっちでもいんじゃね?」

〇まんが執筆の「めんどくさい」は、デジタルツールに頼って回避
〇描きたい部分はしっかり描く。それ以外はデジタルに頼る
〇「誰かのため」のまんが、「自分のため」の文章
〇「キャッチーかどうか」はあえて無視
〇好きなツール(まんがor文章)で、好きなように、好きなだけ。その方が絶対私もみんなもおもしろい!
〇己の技量は考えない
〇私が全力出したところでたかが知れてる(自嘲)。だったら何も考えず、好き勝手やる!


このnoteをしたためているうちに、自分自身気づいたことがあります。

私はあまり「ツール」にはこだわっていない、ということ。

まんがでも、イラストでも、文章でも、はたまた音声(Twitterスペースで週1回「想い出の吞み鉄旅」と称し、旅にまつわるお話をしています)でも、なんでも構わないんです。

ただ、伝われば。みなさんに旅の良さが伝われば、それでいい。

だったら、そのときその旅ごとに、ありとあらゆるツールで試してみてもいいかもしれない。「どっちでいこう」なんて悩まなくてもいいかもしれない。

つまり、まんがでも文章でも
「どっちでもいんじゃね?」
「どっちもいんじゃね?」
「それ以外にもツールあんじゃね?」
ってことです。

4,300文字も使ってこんな結論かよ! とお思いでしょうが……本人は結構ぐるぐる悩んでいました。たいへんお騒がせしました。


この禍が明けたら、また楽しく旅に行きましょうね。
それまで私も、いろんなツールで、旅のおもしろさをお伝えしていきます。

今後ともご贔屓に。
ご清聴(読?)ありがとうございました。 

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