見出し画像

やがてすべては旅になる

昨夏ひどく落ち込んだ時期があり、こりゃまずいなと四国を自転車で旅しました。

酷暑の中、自転車が壊れ、台風までやってきてとトラブルまみれの旅でしたが、頑張った甲斐あって、このたび一冊の本になりました。

本書の中の私は、自転車で四国を走りながら、屋久島、イラン、ミャンマー、インド、ネパール、トルコ、シリア、ヨルダンといろんな土地を旅します。

さらには、幼少期からのコンプレックスに始まり、忘れ得ぬ小学校の図工教師の仕打ち、中学高校での挫折、軽薄な大学生活、浅はかな就活、悩み続けた新卒、死にかけた悪夢の転職、そしていくつかのツラい別れと、これまで、あまりに恥ずかしく、また情けなさ過ぎて、ほとんど人に話したことのなかった人生の恥部までさらけ出しました。

人生とは世知辛く、私のようなさほど劇的なドラマのない日々をおくっているヒラ庶民でも、ときに生きることがツラくなる瞬間があります。

そんなときの私の避難場所は旅だったような気がします。四国を自転車で旅して、そのことに気づかされました。

表は四国の自転車旅ですが、裏はブラック企業で自己肯定感がぶっ壊れたロスジェネの負けと挫折の物語です。

人生は生きにくい。でも、生きるに値する。そう思って今を生きています。


9/17 朝日新聞


9/24 読売新聞

この記事が参加している募集

私の作品紹介

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?