見出し画像

マラン・マレの「Romance」

モダンチェンバロ研究会の準備中です。
1900年頃の古楽愛好家たちがどのような曲を弾き楽しんでいたのか、を考えています。
当時チェンバロのために作曲された新らしい曲や出版された曲集の中から演奏します。

ポロポロと覚え書きのように拾っておきます。

この曲はマラン・マレ (1656−1728) の pieces de viole Livre 3  (1711)の作品集よりとされています。
当時(1900 年頃)愛好家の間で良く知られていたのかもしれません。
ただ、viole曲集には「Romance」という題名の曲はありません。
探します。

viole用の曲ですが、今ではポピュラーでこの演奏のようにフルートとギターのアンサンブルもあります。
この曲がチェンバロソロ用に編曲されていました。1900年よりも前に出版された4巻からなる(各20曲)楽譜集の中にありました。
「古楽の復活」ハリー・ハスケル著によると
1889年のパリ万博の主催者はルイ・ディエメによる、トゥルカデロの特設講堂で18世紀のハープシリサイタルをリサイタルを2回催した。ティエルソはマレとラモーの合奏曲を選び・・・・。
とあります。
音楽学者のジュリアン・ティエルソ(1857~1936)について少し調べました。彼は音楽学者で民族音楽学者、作曲家、テノール歌手でもありました。演奏したかどうかは定かではありません。この一文は曲選びに関与したと言うことでしょうか?
パリ万博の開催された年に著された出版物がありました。
wikipediaによると
1889年に著わした「Histoire de la chanson populaire en France」はフランスのポピュラーソングについて。
「Promenades musicales à l'exposition, Les danses javanaises」博覧会のジャワ音楽について。
1903年に著わした「Chansons populaires recueillies dans les Alpes françaises」はフレンチ アルプスや地域から約 450 曲のポピュラーソングを収集し、最終的には 1,200 以上のスコアを蓄積、この本では 227 曲含まれていました。
とありました。
1889年のパリ万博にはジャワ島のガムラン合奏や世界の楽器が陳列されました。そのほか、博物館や個人収集家から借り出した骨董品、パリ音楽院所蔵品の中世の楽器など。レベック、リュート、13世紀のハープの複製などが陳列されたと書かれています。
この万博が民族音楽、民族楽器の色濃かったということでしょうか?

何をその時に演奏したのか、ソロ曲はあったのかなどについては言及がありません。
そこで当時の作品を検証中です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?