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現代スペインチェンバロ音楽 チェンバロの復興はいつ?


近代チェンバロ音楽の成り立ちにおいて、最も重要なのは、ワンダ・ランドフスカの存在です。
1900年代になって再びチェンバロが輝く兆しのあった頃、マヌエル・デ・ファリャとワンダ・ランドフスカの出会いは重要な作品を生みだしました。
最も早期のチェンバロ作品はマヌエル・デ・ファリャの『ペドロ親方の人形芝居』(1919~22)です。
スペインではこれが最も早いと思われます。
実はフランスでは1800年代にチェンバロのための作品が作曲されています。(フランス版はまたの機会に)
「ペドロ親方の人形芝居」はポリニャック侯爵夫人からの依頼により、ファリャが音楽と台本を担当して作曲された1幕の人形劇です。題材は「ドン・キホーテ」の人形遣いが登場する話。
ここでファリャがチェンバロを使用します。以前、トレドのゴドリック氏という楽器のコレクターのところで古いチェンバロを知ったことがキッカケとなりました。これってルイ・ディエメのチェンバロとの出会いとよく似ています。チェンバロにとってはどちらも奇跡的に見つけてもらえたラッキーな出来事です。
この作品は1923年にセビーリャで、同年パリのポリニャック侯爵邸にて、ワンダ・ランドフスカのクラヴサンにより公式の初演が行われました。
この作品を機にランドフスカからの依頼で作曲されたのが「クラヴサン協奏曲」(1923~26)です。
ということでヒストリカルのオリジナルによる(ルッカースだったようです)復興を担ったルイ・ディエメ(1843~1919)。それより一世代進んでランドフスカがモダンチェンバロで輝かしい復興の口火を切りました。

今回演奏するスペインの作品の中から
ホワキン・ロドリゴは1927年頃、パリのエコール・ノルマル音楽学校に入学し、ポール・デュカスのもとで学び、ラヴェル、ストラヴィンスキー、プーランク、オネゲル、ミヨー、マヌエル・デ・ファリャと親交を深めました。ピアニスト・リカルド・ヴィニェスによって作品が初演されるなど、注目を集めた。
リカルド・ヴィニェスと言えば特にラヴェルやドビュッシーの初演を多く手がけ、またスペインの作品にも貢献したピアニストです。アルベニス、ファリャなど。
若きロドリーゴの作品も演奏したということです。

「ペドロ親方の人形芝居」から60年。
ホワキン・ロドリーゴ唯一のチェンバロ作品、Prelude y ritornello (1979)
チェンバロの歴史は長いなぁー。

6月23日のコンサートでご紹介します。






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