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カメラの違いはオンライン配信や会議に  影響を与えるのかどうかを技術畑(撮影部)が解説

道洋行のnoteをご覧いただきありがとうございます。

はじめまして!今回執筆を担当する株式会社道洋行の撮影技術部に所属している中の人、ネイタンです!(日本人です)

撮影のアシスタントや音声技術者として現場に出ている技術畑の仕事をしています。現場での撮影以外にはオンライン配信業務のリーダー的ポジションもやっていたり……

最近ではオールドレンズ(古いレンズ)を買いあさり、現行の流通しているレンズと比較したり、ボケみや色合いを楽しむといった若干のオタク心を持ち合わせている撮影や配信周りの技術や機器が大好きな人間です。(今のレンズは高すぎて買えません、、、)

先日、道洋行のサービスブランドであるLIVE EMOTIONというライブ配信代行事業があるのですが、そのTwitterアカウントで、オンライン配信の際のカメラ写りによる比較動画を投稿いたしました。


なぜ、これほどまでに違いが出てくるのかをカメラの特徴や仕様を元に(できるだけ)分かりやすく記事で画像の中にいる生首ムラタさん(生首の名前)の違いを丁寧に説明したいと思い、不慣れながら執筆させていただきました。読みづらい箇所もあろうかと思いますが、これから上手になっていきますので、どうかお付き合いいただきたく思います。

PC内蔵カメラやWebカメラとミラーレスカメラの比較

差別要因① 解像度による差

「画素数」は解像度の高さに影響をします。

画素数とは、画像や画面を構成する画素(ピクセル)の数の事を示します。
解像度とは、映像出力機器(パソコンやディスプレイ)に表示される画像における画素の密度の事です。

画素数が大きいほど細やかな描写が可能になります!

拡大したものを比較してみましょう。

肌のトーンや、細かい部分の描写が一目瞭然ですね!

PC内蔵カメラやWEBカメラの場合、画素数は「約100万画素」でセンサーサイズは「1インチ以下」となっています。

難しい設定が不要で、PCに接続するだけですぐに使用できるのと、安価で手に入りやすい点も非常に魅力的です。

しかし、レンズが一体型のため撮影者自身で画角の調整をする必要があり、場面によっては想定している撮影ができない可能性もあります。

差別要因② センサーサイズによる差

画素数より重要なスペック情報として「センサーサイズ」があります。

なかなか聞きなれない言葉かもしれませんが、センサーサイズには「フルサイズ」や「APS-Cサイズ」などの種類があります。デジタルカメラが取り込む光を記録する撮像素子の大きさを示すものです。

イメージセンサーのサイズ表です

画像の通り「フルサイズ」の方が大きく、「APS-Cサイズ」の方が小さくセンサーサイズが大きいほど高額になります。

おおまかに説明すると、センサーサイズには「フルサイズ」や「APS-Cサイズ」といった種類があり、これはデジタルカメラが取り込む光を記録する撮像素子の大きさを示すものです。

「フルサイズ」の方が大きく、「APS-Cサイズ」の方が小さくなるのですが、センサーサイズが大きいほど、1画素あたりに多くの光を取り入れることが可能になるので、明るく画質が良い画を撮影することができます。

反面、センサーサイズが大きくなるにつれてカメラ本体が大きくなったり、高価である場合が多いため、個人での入手はかなりハードルが高くなると言わざるを得ません。

差別要因③ レンズの拡張性による差

カメラには「レンズ一体型」と「レンズ交換式」の2種類が存在します。

「レンズ一体型」は一眼レフカメラやミラーレス一眼カメラのように、文字通りカメラとレンズが一緒になっているもののことを言います。

カメラとレンズが一緒になっているため持ち運びに便利な反面、被写体や状況、場面に応じてレンズを交換することができず、使用できる場面や表現方法に限界が生じる場合があります。

もう一つの「レンズ交換式」では、大きく分けて「単焦点レンズ」と「ズームレンズ」が存在します。

「単焦点レンズ」は文字通り焦点距離が一定のため、被写体との距離を、撮影者自身で調整する必要があります。単焦点レンズはF値が小さいレンズが多く、背景のボケが美しく、暗い場所でも明るい写真、映像を取りやすかったりします。

※F値とは、絞り値ともいいます。

レンズの中に何枚もの板が重なっていて、中央の穴を大きくしたり小さくする仕組みになっています。f値(絞り値)とはこの「絞り」の「穴の大きさ」を数字で表したものです。

「ズームレンズ」は文字通り焦点距離の可変が可能なレンズの事で、被写体に寄ったり引いたりなど機動性に優れています。

焦点距離に応じて、大まかに広角・標準・望遠の3種類に分類され、それぞれの焦点距離に応じたレンズがあれば、広角から望遠までカバーできる高倍率ズームレンズと呼ばれているものもあります。

そのため、レンズの数を少なくしたり、レンズ交換の手間を省くことができるので、より身軽に行動できます。

デメリットとして、「ズームレンズ」は「単焦点レンズ」に比べてF値が大きいモデルが多く、暗い場所での撮影や、背景を大きくボカした撮影には適さない場合があります。


どんなシチュエーションで活用すべきか

有効な場面①『暗い場所』

Webカメラの場合、低解像度でセンサーサイズが小さいため、配信ソフト上で暗い映像を明るくした際に、ノイズが多く目立ち、ディテールがボケてしまいます。

一方比較で使用しているミラーレスカメラは、高解像度でセンサーサイズが「フルサイズ」かつレンズ交換式なので、レンズ自体で明るく撮ることが可能、かつカメラの設定によりノイズを少なく写すことが可能です。

有効な場面②『人に焦点』

Webカメラはセンサーサイズが小さく、レンズ交換ができないため、背景だけボカシ、被写体だけ際立たせて撮ることは難しいため、せっかくオンライン配信イベントなどで人に焦点を当てて際立つ映像にしたいのにできなかったりします。

その点、ミラーレスカメラはセンサーサイズが大きくレンズも交換できるため、F値を開放設定にすることで被写界深度を浅くすることが可能

被写体深度が浅い、とは被写体の奥や手前がボケる画像や映像の状態を指す言葉で、逆に被写界深度が深い場合は遠くから近くまでピントが合う状態の事です。

そのため被写体にピントを合わせ、際立たせた撮影が可能となるのです

有効な場面③ 『鮮明に描写したい』

webカメラの場合、どうしても解像度が低い物が多く、前述したように低解像度でセンサーサイズが小さいため、配信ソフト上で暗い映像を明るくした際に、ノイズが多く目立つことから被写体の映り方がボケてしまいます

一方、今回のTwitterの比較投稿で使用しているミラーレスカメラは、高ビットレートでセンサーサイズが「フルサイズ」、かつレンズ交換式!

レンズ自体が明るく、カメラの設定により、鮮明な描写ができるんですね。



いかがでしたでしょうか?
極端な例ではありますが、PC内蔵のwebカメラとミラーレス一眼カメラを用いて比較していきました。オンライン配信や会議の際に、カメラの種類によって写りが異なるため、与える影響が大きく変わることが分かりましたね!

お客さまの想いを形にする道洋行です

「感動を伝える伴走者」

これは道洋行の掲げる映像制作に向けた態度を表した言葉です。

映像を撮影したり制作する上で必要なのは、ただいいカメラを使えばいいわけではありません。あくまでもお客さまが実現したい思いを丁寧に表現・再現するため、いかに適切な機材と適切な技術を融合させるのかが大事になってきます。

今回のnoteで触れているように、カメラの違いによって表情の明るさや映り方が変わることによって、どちらがお客さまの実現したい思いを形にできるのかは明白だと思います。

私も職業柄、多くのオンラインの配信やイベントのハイブリッド開催に関わっていますが、まだまだ改善できる箇所はたくさんありますし、まだまだ映り方や音声の取り方など、こだわるポイントはたくさんあります。

今後も、定期的に撮影技術部ならではの視点で記事を投稿できるよう、がんばっていきますので、今後も本noteにお付き合いいただけると嬉しいです。

また、ぜひ、思いを形にするお手伝い、任せていただけませんか。

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