景山充人がどんな風にバックギャモンを学んだか

このような質問を受けました。書き出すとけっこうな分量になったので、こちらへ記しておきます。

まずソフトウェアありきでした。これなしで強くなれたとは到底思えません。私が使った最初のソフトは『Expert Backgammon』。それから『Jelly Fish』です。そのためにパソコンも購入しました。

(1) 最初に取り組んだことは初手の勉強でした。例えば初手34を振ったとしてツーメンダウンとスプリット&ダウンでどのような違いが生じるのか、次の出目を全部調べて比較しました。そして最善手を暗記しました。その際に差のとても小さな手は「同等」と暗記します。例えば初手21を振れば24/23 13/11と13/11 6/5の差は8点しかないので、私は「同等」と憶えています。このようにして初手はすべて暗記しました。

(2) 次にレスポンスは初手に暗記したことを基準としてロジックを探しました。初手に比べるとはるかに数が多いのですが、すべて丹念に調べました。算数の図形問題に例えると、「三角形の内角の和は180度だ。したがって二つの角度が分かれば、残りの角度も求められる」という感じでしょうか。
そうやって見つけたロジックを書き記した本が『序盤に強くなる』と『もっと!序盤に強くなる』です。

(3) その次は終盤に移りました。まずベアオフを以下の三種類に分類します。
- クローズアウト
- 対エースポイントゲーム
- 対デュースポイントゲーム
それぞれの場合でどのような考え方をすればよいのか、パターンを見つけて言葉で表現できるようにしました。そうすると覚えやすいからです。後に「3ポイントゲーム」相手のベアオフも研究しました。以上を書き表した本が『終盤のツボ』です。

(4) ダブリングキューブは5ゾロ形(レスポンスで5ゾロを振り、ヒットしつつ1ポイントと3ポイントを作る)から学び始めました。序盤でよく現れるからです。初手に12振った時。初手に14を振った時などを逐一調べて、考え方を理解し、必要があれば暗記しました。そして3ゾロ形(レスポンスで5ゾロを振り、ヒットしつつ5ポイントと3ポイントを作る)へ移りました。

(5) 以上と同時にやったのは棋譜(数字の羅列)を初手から見て脳内で再現することです。これはとてもタフで十分に出来たとは言えませんが、ある程度やっていました。

(6) 自分はプレイAが最善と思ったのにソフトウェアはプレイBが最善といい、考えても理由が分からない時は、次の出目21種類の期待値をソフトウェアで調べてすべて紙に書き出して比較し、何が鍵かを見つけようとしました。

これらがバックギャモンを学び始めた初期にやったことです。今はソフトウェアの性能が上がり、教材も増えたので、違う方法がより効果的です。

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