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誕生日はただ歳をとる日じゃない

世の中には、人の誕生日を覚えられない人がいる。

ドキッとさせてしまった方がいたら申し訳ありません。何も誕生日が覚えられないことを咎めたい訳ではありません。ただ、いつも驚かされるのは、忙しさで自分の誕生日をも忘れてしまう人がいることです。

私の場合は特殊ですが、母が同じ誕生日のため、一緒に住んでいた時は朝起きて「誕生日おめでとう」と言い合ったものです。この習慣があると、なかなか誕生日を忘れることはできません。

年齢を重ねるうち、1年が短く感じられ、幼い頃に比べると1つ歳をとることへの重みが変わってきているかもしれません。

この記事を読むことでこれから毎年、自分の誕生日を素敵なものにしてほしい。そんな想いで記事を書きました。

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あなたが今までで一番印象に残っている誕生日は何歳のときですか?

ほしかったものをプレゼントでもらった年。
誕生日にもかかわらずトラブルに見舞われた年。
大切な人にお祝いしてもらった年。

各年がどうだったか具体的に思い出せなくても、誰かしらにお祝いしてもらった記憶と紐づいているのではないでしょうか。

この質問を自分に向けた時、意外と誕生日当日に何をしたかは覚えていないものだなと思いました。
というのも、小学校の友達を呼んで誕生日パーティーをした日や、家族と一緒に美味しいご飯を食べに行った日が誕生日当日だったか覚えていないからです。誕生日前後の土日である可能性が高いです。

なんだかんだ、特に社会人になると当日は特別なことをせず、いつも通り過ごすと言う方が多いかもしれません。

誕生日であるものの、仕事の繁忙期と重なってガッツリ残業。
お腹の調子が悪く、ケーキどころか食事もろくに食べていないなど、そんな日もあったかもしれません。



質問を変えましょう。

あなたは誕生日をどのような気持ちで迎えていますか?

友人のひとりは、誕生日当日の前1週間を誕生日前祭り、後1週間を誕生日後祭りとして約2週間、自分へのご褒美を毎日用意していました。
当日は旅行に出かけ、自分へのご褒美づくしでとても幸せそうでした。

ある友人は、ただ1つ歳をとるだけ、という認識で、祝われたいという感情も、歳をとることに対して嘆く様子もありませんでした。


せっかくの誕生日。自分の生まれた大切な日。
他の国、たとえばヨーロッパでは(全土ではないと思いますが)無事に1年を過ごせたことに感謝する文化があります。幼少期をドイツで過ごしたため、私の中で根強くある感覚でもあります。

「今日まで無事に生きてこれたのはあなたのおかげ。ありがとう」
と、周りの人に感謝をするのです。

母もその文化をひどく気に入り、自分の誕生日が出勤日のときは小さなお菓子を同僚に配って感謝を伝えていました。

ちょうどゴールデンウィーク明け間もない誕生日であることもあって、お土産を配るかのように渡していました。


「ありがとう」の反対は「当たり前」です。
「誕生日おめでとう」と言われたら「ありがとう」と大半の人が返しますよね。誕生日はそれだけ特別な日です。

余談ですが、自分の誕生日が来るより早く祝われると不幸になる、という文化が一部の国にはあります。
そのため「明日が誕生日なんだ」と言われても「おめでとう」と言うことはありません。当日、またはそれ以降に言う、という暗黙のルールがあるのです。言い換えれば、そんなルールがあるほど意識される日でもあります。

ただ、一人でいるとそもそも周りから「おめでとう」と言われる機会がないかもしれません。
そんな時は、途中で紹介した友人のように誕生日をセルフプロデュースするのも一つの手です。
普段お世話になっている周りの人に感謝を伝えられなくても、自分へのプレゼントを用意してくれたお店の方・生産者の方に感謝することができます。


人は「ありがとう」を言うために生きている、と聞いたことがあるほど社会的な生き物です。
感謝する機会を自分から作りにいくのもありです。

これは何も誕生日に限らず、普段の生活にも活きる姿勢だと考えています。

毎日のように使う公共交通機関の運転手さん。
仕事場を掃除してくれる清掃員の方。
ワンクリックで購入できる、ネット通販の運営に携わる方。

探せばいくらでも感謝できる誰かがいます。
明日1日、朝から過ごす中でぜひ感謝できる相手を10人探してみてください。
きっと、たくさんの当たり前に支えられていることを実感できると思います。



今まで生きてこれたのは周りの支えがあったからこそ。誕生日は、そうした周りの方々に想いを馳せ、感謝する日にしたいものです。
なかなか感謝を伝える改まった機会も少ないので、誕生日をその機会とするのはいかがでしょうか。

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