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太陽光パネルのライフサイクルの半分について考える【2022.2.24日経新聞 朝刊 社説より】

ライフサイクルで物事を捉えることで、課題が明確になって来ます。

1.今日の日経新聞の社説から

今日の日経新聞では、「太陽光パネルの処分を適切に」という内容での社説がありました。

◆太陽光パネルの処分を適切に【日本経済新聞2022.2.22朝刊】

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「脱炭素社会の実現に再生可能エネルギーの主力電源化は欠かせない」という文章から始まる社説を読むと「太陽光パネル」のライフサイクルの半分と課題が見えて来ました。

本投稿では、この社説を参考に、太陽光パネルの半生について、まとめてみました。


2.日本における太陽光パネルが置かれている状況

まずは、太陽光パネルのライフサイクルの概要を図にしてみました。

現実的には、「リサイクル」は、まだ、実現できていないかもしれませんが、究極的には、こういうループができればいいなと思っています。

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さて、現在、電源構成に占める日本の再生可能エネルギーの割合は20%に満たない状況です。

図にも示した通り、政府は、2030年に再生エネルギー比率を36〜38%にする目標を掲げてはいますが、かなり苦戦しているようです。

太陽光パネルは、風力や地熱と比較すると建設期間が短いため、2030年目標を考慮した場合、伸ばしていく必要があるようです。


3.電気代に再生可能エネルギーのコストが上乗せされていることをご存じですか?

日本の再生可能エネルギー比率を高めるための政策として、2012年に「固定価格買取制度」が始まりました。

再生可能エネルギーは、火力や原子力と比較してコストが割高になり、普及しにくいため、差額を電気料金に上乗せして普及を促しています

電気代の明細書には、確か「固定価格買取制度分」の上乗せ価格が載っていたと思います。

これ、意外と知らない人が多いです。

2012年からこの制度が始まったので、そのころから太陽光パネルが急激に増えているようです。


4.太陽光パネルの耐用年数は20〜30年

私も初めて知ったのですが、太陽光パネルの耐用年数は、20〜30年のようです。

そのため、2030年代以降に、廃棄しなければならない太陽光パネルが急増することが予測されているとのことです。

2035〜2037年には、太陽光パネルの廃棄重量が、産業廃棄物の最終処分量の2%に達してしまうようです。

パネルには、鉛のような有害物質を含んでいるため、適切な処理と処分場確保が必要になるということです。


5.まとめ

今日の社説を読んで思ったのは、「環境問題は、ライフサイクル全体を考えないといけない」ということです。

太陽光パネルは、全くCO2を発生せずに、クリーンな電気を作ることができる万能の技術と考えがちですが、それは、図の中の「使う」という部分だけであることを認識する必要があります。

その他のライフサイクルのCO2発生については、ほとんど話題にされることはありません。

そして、今回の社説での、2030年代の太陽光パネルの廃棄物問題。

そして、その課題解決こそが、次のビジネスに繋がって行くのではないでしょうか。


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