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14歳男子という生きもの

14歳男子を経験した人なら身に覚えがある
かもしれないが、14歳男子。
14歳男子は、こども、でもおとな、でも
ない、「14歳男子」という生き物である。

いったい何を考えているのだろう。
小学生ほど幼稚でもない。
まだ、えろい事柄で頭がいっぱいなわけでも
ない。

毎日、宝石のようなキラキラした
ばかでくだらない発言が、
いとおしくてまぶしくて、目を開けていられ
ないほどだ。

今朝も、

お母さん、みて、
僕が作れる1番大きな円だよ

と、両腕をちょっとまげて伸ばし、左右の
指先をくっつけて、円を作った。
エア抱きしめの体勢だ。
まあ、人をひとり、抱きしめられるくらいの
円だわな。

そうだね。
と返すと、

いや、こっちの方が大きいかな、面積。

と言って座り、両足をピンと伸ばし、
手足の指先同士を繋いで、空間を作った。
前屈体勢。
もはや円ではないが、長細い空間はできた。
円はもうどうでもいいのか。

どっちが大きいかな、面積。
お姉ちゃん、どっちだと思う?
これ、とこれ。

と姉に聞いている。
babyちゃん(娘)はスマホから顔をあげ、
「あん?」
と言う。
超、めんどくさそうだ。
考えるのも、めんどくさいようで、
「あー」
と言って終了。 
ちょっとは考えようとしてくれて
ありがとう。

はたまた。
ニュースで、安保理、とゆう言葉がでてきたら

あんぽり
いんぽり
うんぽり
えんぽり
おんぽり

とつぶやくboy。
なにそれ、と聞くと、

あんぽり、は、安保理。
うんぽり、は、うんこの可愛い言い方。
えんぽり、は、エンポリオというのが
ジョジョに出てくるから名前。
おんぽり、は、たぶん京都弁でありそう。

いんぽり、だけがないんだよ!

という。
そうだね。
(そうかな。おんぽり、もなさそうやけど)

くそ。
憤る。
自分に。
なんて非力なんだ。
そうだね、しか返す言葉がないのか。
そうだねマシーンかおまえは。

14歳男子同士だったら、この会話はまだ
ばかばかしく発展していくはずだ。
だが、彼は学校に行っていないので、
家族しか、話し相手がいない。

この絶妙にばかでくだらないキラキラ発言に、そうだね、で終止符をうつなんて、
いいわけがない。

私には、この発言に匹敵する発言で返す
義務がある。
boyはまだ義務教育真っ只中なのだぞ。

しかし、思いつかないのだ。
まともなことしか言うことができない、
悲しい大人に成り下がってしまった。


なんのために三四郎のラジオを
聞いてきたんだおまえは。

私の中の私が私に語りかける。

今、くだらなを役立てるときではないか。


今はあまり聞かなくなったが、
3.4年前くらい、私は三四郎のオールナイト
ニッポンを毎回欠かさず聞いていた。
深夜に起きてはいられないので、
次の日、YouTubeやラジオアプリで聞く。
けしからんリスナーで申し訳ない。

当時、芸人の深夜ラジオを、日中に仕事を
しながら聞くのが私の日課だった。

聞いていたのは
TBSラジオJUNKなら
バナナマン、伊集院光、爆笑問題、
おぎやはぎ。
オールナイトニッポンなら
岡村隆史、霜降り明星、そして三四郎。

三四郎のラジオは、くだらなさで定評がある。今から何度もくだらない、というが、
くだらない、は私の中では褒め言葉なので、
怒らないで聞いてほしい。
私はくだらないものがすきなのだ。
くだらないがないと生きていけない。

ほんとうにくだらないので、聞き終わった
あと、内容はなんにも記憶に残ってない。
なんやったん、今の時間?

ためになる、教養になる、自分の知識に
なるから、来週も聞こう、なんて簡単。

くだらない、なんの役にも立たないが、
来週も聞こう、と思わせることこそ、難しい。至難の業。芸人の腕の見せ所だ。

三四郎の漫才はあんまり観たことがない。
観たことはあるが、そんなに、面白いと
思わないことが多い。
まあ、それはあんまり関係ない。
私は、ラジオが面白い芸人が
ほんとに面白い芸人だと思っている。

私のことを、夫は
おまえはおもんない
というが、私は猫を被っているだけで、
ほんとうはおもしろいのだ。
おもしろいはず。
今から、おもしろくなるはずなんだ。
あと5年くらい待ってくれ。
お母さんは伸びしろだらけ、
伸びしろしかない。

しかし
あと5年もすれば、息子ははたちか。

もうその頃には、この宝物のような
キラキラのくだらなさは消失し、
スンとした大人になっているのかと
思うと悲しい。

今。
今、私が、14歳の息子と同じ立ち位置で、
14歳男子くらいのキラキラのくだらなさで
話ができたらいいのに。

モノ カキコさま
すてきなイラスト使わせていただきました、
ありがとうございます。













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