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ローカルテレビのクセがすごい

ほとんどの都道府県にひとつは、
その地方でしか放送されない、
ローカルテレビ局、
というのがあると思う。

うちは、ある県とある県の県境にあるため、
ふたつのローカル局の番組が見られる。

ローカル局って、それぞれに味、というか
くせ、があり、興味深い。


うちの界隈のローカル局の、
一日の番組編成はざっくり、

早朝から昔のアニメの再放送。
朝の8時から演歌番組。
そのあとテレビショッピング。
青汁などの商品のご紹介。
で、昔のドラマと、時代劇の再放送。
またテレビショッピングをはさんで。
なつかしタレントの旅番組。
釣り番組。
ゴルフ番組。
そして、テレビショッピングで一日を〆る

みたいな感じだ。

全ての番組、視聴者層をだいぶ限定している
ラインナップ。
忙しいひとと若いひとを、相手にしていない。

朝の8時からの演歌番組は、実際その時間に
見ていると、脳内がバグを起こしそうになる。
有名な演歌歌手は1人もでてこない。

いや、私もこれを楽しみにする未来が
あるのかもしれないな。

全日本人が見たい番組がある、という日、
(WBCとかワールドカップとか)
裏で、3時間ぶっとおしで、昔の、
こすりたおされた洋画とかを流す。
だーかーら。
完全に捨てにいくな。ちょっとはがんばれ。

それから、お金のあまりかかっていない、
地元企業のCM。

これはクセがすごいのが多くて釘付けになる。

実際の社長や社員が登場する、
出たがり社長がいる会社。
めちゃくちゃ仲の良さそうなクリーンかつ
ホワイトのイメージが全面に押し出されているが。

「ほんまかな」
「めっちゃブラックやったりして」

また、めっちゃ久しぶりにみた、みたいな
タレントや、引退した力士などを起用する
会社。

「うわあ、この人!元気やった」
「頑張ってはる」

だれ?
という見たこともない18、19の女の子
(顔もふつう)に、自社CMソングを歌わせる
会社。

「だれ?」
「たぶんこの会社の重役の娘やろ」

などと、家族と推測をしたり、感想を
述べながら見るのもまた、おつなものである。
ただのCMなのに、家族に話題を提供して
くださり、ありがとう。


ある平日の午前中。
ついているローカルテレビの番組をぼやんと
見ていた。

髙木さん(仮名)という一般女性の人生遍歴を
回想付きで紹介している番組がやっていた。
ご本人さまが登場している。

結婚、離婚を経て3人の子供を女でひとつで
育て上げ、自分の店をもったが、病気や
いろいろあって借金を抱えながらも、
子供たちに支えてもらいながら、コツコツ
頑張っているという、ザ・苦労人だ。

苦労話とほっこり人情話を巧みに織り交ぜ
ながら、視聴者をホロリと泣かせる演出に、
いつのまにやら感情移入。

まだまだ、これから幸せ待ってるから。
がんばれ、高木さんよ。
ホロリ。

とその次の瞬間。


そんな高木さんの健康を支えているのがあー

これ!
○○の青汁!

くっそ。騙された。
私の涙を返せ。

この時間帯はテレビショッピングに
決まっとるやないか。
なぜ、気づかなかった。
なぜ、最後まで見てしまった。

いや、多分高木さんが苦労人なのはホント。
それは、ウソじゃないよね?
ウソじゃないって、言って。

でもそれもこれも、青汁に持っていくための
ワナだったのかと思うと。
いや、全然、ワナを仕掛けているつもりはないんだろうけど。

なんだかなあ。

もっと普通に売ったらよくないですか、青汁。


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