たいせつなひとがいる。 だいすきな祖母は末期癌でもう長くない。 4月に余命半年と宣告された。 久々の帰省、3ヶ月ぶりのおかえりは ひどく脆弱しか細い声だった。 「ばあちゃんが笑わんくなった」 電話で母からそう言われるまで 休みの予定を空け新幹線を取れなかったのは 再発した肺がんは治療ではもうどうにもならないこと、 たった1人の 大好きなばあちゃんの命が長くないことを 現実のことと考えていなかったから。 祖母は目に見えて痩せ細り 好きだったヘーゼル色
