一人で抱えこむことの危うさ
わたしが神経症になった原因の一つに、「誰にも相談しなかった」ことがあると思っている。
社会人になってからの1年間、わたしは誰にも仕事の愚痴を言わなかった。おまけに、泣きもしなかった。
「こんなことで弱音を吐くなんて、甘えている」と、勝手に自分を追い込んでいた。
社会人になれば、最初は誰だって、ミスをして上司に怒られたり、自分の常識と社会(会社)の常識のズレに困惑したり、知らない人に渋々頭を下げたり、自分の不甲斐なさに泣きたくなったりする。
泣いてよかったのに。「この社会がおかしいんだ!」って、怒ればよかったのに。
弱音吐いたって、誰も責めないし、クビにもならないんだよ。
でも、わたしは自分を責めてしまった。
「自分が悪いから、ダメなんだ」と、すべてのことに対して、そう感じるようになってしまった。
これは、周りの人にも責任があると、今では思う。新人に、自分を責めるような思考をさせてしまったのだから。一人で抱え込ませてしまったのだから。
誰かに相談していれば、一人で危ない考えを持たずにすんだかもしれない。
「社会人」であることに、気負いすぎてしまっていたのだと思う。
20歳になったからといって、急に大人になる訳ではないように、社会に出て働き出したからといって、急に大人になれる訳じゃない。
ダメな大人なんて、数えきれないほどいるけれど、みんなそれぞれ自分なりに生きている。
「立派な社会人」になる必要なんて、ない。
わたしは、適度にお金を稼いで、豊かな生活をしたい。社会のためにとか、そんなことは、今はあまり考えられない。
それでいい。