戸塚愛美「旅人のたびびと」(滞在4日目)


有言実行。旅人に認定され、三島に泊まり、数日経過した。
静岡県に在住の気鋭の作家、木村充伯氏との、待望の再会となる。
聞けば、私の滞在場所と彼の居住地は相当遠いという。これが「静岡の呪い(県の端と端がめっちゃ長い)」か・・・。と噛みしめながら、ご当地「さわやか」に行き、お肉を噛み締める。(ちなみに三島市にはない、とのことでおとなりの長泉町へ出向く。)

画像1

彫刻家である木村氏は、主に人と動物の関係をテーマにした木彫作品で知られる。彼もまた、旅人に会いに来た、めずらしい旅人のようで、インターネットで発信も交信もできる世の中で、特段の報告事項もない「最近どうよ」をえんえん、くり返したのだった。(最近の話、特にない。が、わたしの前回の展示では謎の立役者として、遠くからたくさんの助言をくださった。感謝。)

作品、そして重たい本をおみやげにいただく。わたしは、集めていたぬいぐるみをわたす。

画像2

彼の作品の批評の中に「軽やかさ」について語られていたことがある。なにか言おうとと思ったことがあったが、忘れてしまったので後にしたい。

ちなみに木村氏の作品は、名古屋での「2021」(ギャラリーアーティストによるグループ展)という展示にて見ることができそう。こちらもぜひ


ヴァンジ彫刻庭園美術館

画像11

画像10

展覧会「すべての ひとに 石が ひつよう 目と、手でふれる世界」

参加作家:イケムラレイコ、大木逹美、北川太郎、ホセイン・ゴルバ、長谷川さち、廣瀬智央、冨長敦也、ジュリアーノ・ヴァンジ

石の声を聴くように制作を行う、8名の作家による展覧会。目でみるだけではなく、手で触れ、その感触を味わうことで、石の持つ世界に思いを巡らす試みもあり、非常に興味深く鑑賞した。(しずおかの彫刻家とね☆)

画像8


VACANZA(再)

画像3

アルコールであることに間違いはないのだが、(ここはノンアルも美味しいよ)飲んだくれてはいない。一見飲んだくれていると思われるかもしれない。そのことを、ここで記したい。

店長の眞野貴代さんについても触れたいと思う。同じ旅人、関根さんの高校の同級生という、なんともローカルな関係性はすでに記録した。関根旅人(?)、故郷へ旅立ったいま。酒のクリエイティビティはさることながら、眞野さんの人柄に惹かれ、再び訪れることになった。

眞野さんは、季節のフルーツやチョコレートなどを使い「ミクソロジーカクテル」なるものをつくっているという。「ミクソロジーカクテル」がなんであるか、細かい点については眞野さんに聞いてほしい。というのも、その複雑さ、敷居の高さから、「ミクソロジー」とは何か、かくいう私はよく知らない。「ミクソロジー」を知らないお客さんは、眞野さんのお店、ひいては、「美味しくて面白いお酒」にアクセスしにくくなっている、と眞野さんは言う。

画像10

東京でバーテンダーをしていた彼女が地元近くに戻り、店を立つことになったというVacanza。彼女の目指すところを聞く。『デカイものを見ると感動する』という大胆な感受性を持っている眞野さんは、たんたんと『入り口を示すこと』と答える。『窓口を広くしたい』とも。そして、具体的に、つぎの店舗の壮大な店内構想を教えてくれた。実現するのは2年くらい、とのことだが、遠くから見守りたいと思う。

芸術性とそれゆえの排他性については、現代アート(というかアート全般)によらず、どこでもあるとして、彼女は『誰でも入れるような店にしたい』と語る。今までの単なるコミュニティー形成のひとつにとどまることがない、新しいやり方を模索している。もっと有機的なつながり。「おいしいお酒が飲める」をぐるりとまわりながら、豊かさをかたちにしていく。眞野さんの挑戦を楽しみに見ていたい。


画像4

画像5

画像9

おしまい。また明日。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?