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韓成南「ニール号現地調査、陸より(5日目)」

ニール号は、日本が初めて公式に参加した万国博覧会(オーストリア・ウィーン)終了後、出展品と現地で入手した品物を積んで日本へ戻る船であった。1874年(明治7年)3月20日未明に南伊豆町入間沖の岩の根にぶつかり座礁し、沈没した。来年150周年となる。

ニール号遭難事故について

2023年7月17日、東海大学木村淳先生を中心とした(伝)ニール号沈没地点潜水調査に参加した。清水港から出港し、駿河湾を横断して片道3時間程度。天気は良かったが相当な時化だったため、なぜか私以外全員がひどい船酔いになってしまった。私はちょこまかと動き回りながら船上の様子を撮影していた。

2023年春には、東京国立博物館でも展示が行われていた。行ってないけど。

ニール号引き揚げ品—ウィーン万博をめぐる日欧の工芸文化交流—
2023年3月21日 ~ 2023年5月14日

海上から沈没地点にアプローチしたことで、陸からの眺めも見てみたいを思い、今回のマイクロアートワーケーション、南伊豆町の滞在を希望したのだった。

東海大学海洋文明学科4年生のにいなさんの卒論テーマがニール号に関するもので、私の滞在時期と合ったので一緒に見て回ることになった。

マイクロアートワーケーション後半、ハイライトの日になりそう。

下田へ戻り、レンタカーを借りて、にいなさんと合流。入間にある海蔵寺へ。残念ながらご住職はいなかった。(というか、アポすべき…。)

ニール号遭難者慰霊塔

ニール号に関して、木村先生を通じて知った。歴史的な事故だが、南伊豆町でも日本全国でも知名度は低いのではないかと思う。

にいなさんは、ニール号に関して、現地に行ってみるというのが、まず目的にあって、可能であれば地域の方々が知っているかどうか、聞きたいということだった。
私もダイビングショップや出会った方々にニール号について聞いてみたりしていた。

映像作品になるかどうか考えているが、今のところ、海からの眺め、陸からの様子を撮影するに留まっている。150周年の時に私も参加できるなら、調査の様子などを記録映像としてまとめたものを発表してもいいかもしれない。あるいは、せっかくなら記録映像というより、もう少しアート寄りに作っても良いと思っている。まあ、オファーがあればだけど。

7月に沖から見た沿岸のところへ行きたいと思い、座標を元に調べると、入間と吉田の間で富戸の浜から見られるのではと考えた。座礁したところは三ツ石なので、ひょっとすると千畳敷沖かもしれないが、座標と違っている。出発前、バタバタしていたので、7月に撮影した映像を見忘れたことを少し後悔する。


入間で三島神社へ立ち寄ると、干物の工場があった。車に乗ろうとしたら、男性客2人に、干物買わないの?と声をかけられた。伊東から月一ペースで買いにきているそうだ。中に入り、値段表を見ると、キズモノだとすごく安い。せっかくなので、お土産としてクール便で送ってもらう。常連さんなので、帰り際おまけをもらっていて、私たちもキンメダイとカマスをいただく。神社の神様のおかげだねと、男性が言った。
南伊豆滞在で一番長く泊まることになった、らいずやさんは、滞在者向けにキッチンや共有スペースが充実していて、フィッシュロースターがあったので、今日の晩御飯で食べられそう。豆州やまきちさん、ありがとうございます!(焼いて食べるとほんとに美味しかった。)


豆州やまきち
みりん干し前の良い香りが。
工場感
キンメダイの干物

軽装のにいなさんに大丈夫?と確認し、自身の靴もすべりやすいスニーカーだったので苦労しながら二山ぐらいのアップダウンを越え、富戸の浜へ。吉田海岸周辺に自販機が全くなく、飲料なしで行ったのも疲れが倍増した原因だった。

少し楽しみにしていた秘境感漂う吉田集落
崖沿いの道を横断するコース
山の1mって平地と違いすぎる。
ここを降りるとようやく浜へ
厚底スニーカー×ホットパンツで乗り切れる若さよ。

廃墟編、ではなく漂流物編。

台湾から流れ着いた缶
黄海から流れ着いたブイ

二人で道やばいね、と言いながら、なんとか吉田海岸へ戻ってきた。吉田白鳥神社のビャクシンがすごいと、7月の調査参加時にお会いしたNHKのアナウンサーをされている田中洋行さんがオススメしてくれた。notoの見出し画像に笑顔で載せている写真がそう。笑顔だけど、実際は富戸の浜往復山道で朦朧としている。

道の駅で売られていたアロエかな。

その後、子浦に立ち寄ったり、臨時営業のカレー屋さんでようやくランチできたりする。波勝崎、妻良の良泉寺と善福寺にも行った。キャンプ場で夕日を眺めるのも素敵そう。


らいずやさんには、温泉があり、朝晩、隙があれば入っていた。どんなに疲れていても、入湯後は元気になる温泉で、ずっといたくなる宿だった。

2023年10月25日(南伊豆町5日目)
© 2023 Sung Nam HAN

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