「ガードにディフェンスリバウンドを取らせるトレンド」? / 最近3シーズンについてのザックリ考察(現地3/9時点)

スクリーンショット__305_ 2017-18シーズンは,最近10シーズンで初めて「ガード選手のリバウンド総数」が「センター選手のリバウンド総数」を上回るかもしれない。 確かに今季は,ラッセル・ウェストブルック(OKC)やベン・シモンズ(PHI),ロンゾ・ボール(LAL)のようにリバウンドの取れるガードが増えている印象がある。それはなぜなのだろうか。
画像2 チームの総ディフェンスリバウンドのうち何%をガード選手が取ったか,のヒストグラム。 15-16シーズンでは,ガードの DREB 割合が30%以下のチームもままあったが,今季17-18シーズンではほぼ全てのチームにおいて,ガードの DREB 割合が30%を超えている。特に WEST でその変化が顕著な模様。
スクリーンショット__306_ 最近3シーズンでガードのディフェンスリバウンド頻度が高かった上位12チーム。 17-18 CLE が1位。これはレブロンが「ガード」に分類されている影響が大きいと思われる。 16-17の MIL がランクインしているのは,昨季はアンテトクンポが「ガード」にカテゴライズされていたからかもしれない(今季は違う)。
画像4 横軸がガードのディフェンスリバウンド頻度,縦軸がチームの総シュートに占めるトランジションからのシュートの割合。破線はそれぞれのリーグ全体の平均値を表す。 最近3シーズンで今季が最も「ガードのディフェンスリバウンド頻度が高く,トランジション頻度が高い」シーズンである。 ガードにディフェンスリバウンドを取らせる=早くボールを持たせることで,トランジションが増えているのかもしれない。
スクリーンショット__307_ 最近3シーズンでガードのトランジションからのシュート頻度が高かった上位16チーム。
画像6 17-18シーズンについて。横軸がガードのディフェンスリバウンド頻度,縦軸がチームの総シュートに占めるトランジションからのシュートの割合。 全体的に「ガードのディフェンスリバウンド頻度が高いほどトランジション頻度が高い」傾向がある(相関係数 0.34)。 トランジション頻度は高いがガードのディフェンスリバウンド頻度が低い MIL と GSW について考察する。MIL や GSW は「ガード」ではないアンテトクンポやドゥラント,グリーンもボール運びができるので「ガードのリバウンド頻度」が低いと考えられる。
画像7 「ガードのディフェンスリバウンド頻度」ではなく「ボールハンドラーのリバウンド頻度」に置き換えて考えると,おそらく「ボールハンドラーのディフェンスリバウンド頻度が高いほどトランジション頻度が高い」傾向がより強く出てくるだろう。とすると,今季のチームは意識的にハンドラーの選手にディフェンスリバウンドを取らせているのかもしれない。

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