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もう充分、という絶望

もういいかな

となんとなく思った。

何かに達したのか、見切りがついたのか、

もう充分やったという気持ちになってしまった。

充分生きた。もう空っぽ。希望もない。

もうこれ以上出せるものがない。

どこへも行けない。

天啓のようにそう感じてしまった。

こういう絶望もあるのか。


世間にも生活にも希望が持てない。

信用もできない。

安寧がない。

もうマイナスになってしまったのに

なおも搾り取られている様な

屍もいいとこだ。


一昨日、海を見に行って

繰る波に見入っていたのだけれど、

ただ波が起こって消えるそのさまが

だんだんと解れてぐねぐねと視界が揺れているだけになって

どんどん吸い込まれていくようで

向こうへ向こうへここではないところへ

還っていけそうで

なにか縋るように必死で波を追った。


疲れてしまったのかもしれない。

内へ内へ没入して

裏側に出たい。

モザイクタイルの高い天井を見上げて

訳がわからなくなって眠りたい。


魂は誰にも売らない。

またはもう贄になってしまったのだ。

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