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2番目に好きな色


今更ではありますが、ここで自己紹介をさせてください。
私の名前はみどり。本名です。
由来らしい由来はないけど、(明るい子になってほしいからあかりとか、優しい子になってほしいから優子とか)漢字の画数がよかったそうだ。みどりという名前はありふれているが、漢字の表記はなかなかに珍しく、未だに私と同じ漢字の人には出会ったことがない。
小さい頃はかわいいという単純な理由でピンク、おジャ魔女どれみのあいこちゃんが好きという理由で青を好んでいたが、紆余曲折ありまして、現在のいちばん好きな色は「緑」。自己肯定感が高いようですが、純粋に緑という色に惹かれてしまう。 

まず、緑という色はこの世に必要なのだ。並木道、道路植栽、畦道。緑は街の至る所にあり、緑があるから街は美しくなる。個人的に仙台市の街並みが好きなのだが、仙台は「杜の都」と呼ばれることもあり、背の高いビルの中に木々が連なっているのが印象的である。自然の力で、より街が活気づくのだ。私はまちづくりのプロでも何でもないが、緑がある街はいい街。多分、まちづくりとか専攻している大学生のほうがもっともらしいこと言えるけど、言いたいことは「緑は必要な色」ということ。
似たような例でもう1点。お弁当の中に緑色があった方が見映えがいい。唐揚げ、卵焼き、プチトマト、この中にひとつ、ブロッコリーがあるだけで一気に彩りがよくなる。「緑は必要な色」。そう思うと、この珍しくもない「みどり」という名前も、好きになれた。
日常には、植物や野菜以外にも、緑が溢れていて、私は自然と緑色のものを集めるようになっていた。長年愛用している財布、仙台に遊びに行った際、荷物の多さに急遽購入したキャリーケース、フリマアプリで一目ぼれした半袖のモヘアのニット。自然と集まる、ということは好きということなのだ。「気が付いたら好きになっている」。恋と似ている。
「みんなから必要とされているから好き」という理論づけより、「気づいたら好きになっていた」という、理由もない漠然とされた「好き」の方が、説得力が高い。私は特に嫌いな色がない。恐らくイエベだが(診断したことないけど)寒色系の色味の服を躊躇なく着るし、ぱきっとした赤から淡いピンクまで、どんな色も素敵だと思う。ただ、その中でも緑色のアイテムが多いということは、特別好きってことなんだと思う。初めての車をモスグリーンの色を選んだのも無意識だったが、その時に、よっぽど緑が好きなんだな、と確信した。

「実な好きだった」という無意識な好みは自分で気付くこともあるが、他人から指摘されることもある。
昨年のこと。高校時代からの友人であるRちゃんと遊んだとき、遅めの誕生日プレゼントをもらった。Rちゃんは昔からセンスがよかった。高校時代、おろしたてのKankenのリュックを誰よりも早く褒めてくれたのは、当時挨拶程度しかしない仲のRちゃんだった。(当時はノースフェイスのリュックが校内では最先端だった)通学時に羽織るカーディガンがユニクロかイーストボーイが主流な中、ひとりラルフローレンのカーディガンで通学していたり、プチプラショップでしか買い物しない当時の私に、古着のよさを教えてくれたり、ひときわ目立つおしゃれさんだった。そんな彼女からのプレゼントは毎年ハイセンスで、楽しみにしていた。
今回は、表紙の色や文字など、自分でカスタムするタイプのノートをもらった。ミントグリーンの厚紙の表紙に、「MIDO」の文字が施されている。そして、ノートを留めるゴムバンドは、ラベンダー色だった。
私がみどりという名前であること、緑色が好きなこと、推しのメンバーカラーが緑であることから、表紙の色をチョイスしてくれたのだと瞬時にわかった。そして、その表紙に合うラベンダー色のゴムバンドを選んだのだと思ったが、どうやら「みどりちゃんって紫も好きなイメージがある」と考えた上でのチョイスなんだそう。
約四半世紀生きてきて、自分が、紫色が好きなのだと気づく瞬間は、今までなかった。
紫って、大人っぽくて、落ち着いていて、気品溢れるイメージがある。おジャ魔女どれみのおんぷちゃんのように、箒を横向きにして乗る、元気っ子というよりは、クールな印象な女の子の色。自分の中では、あまりイメージがない色。
しかし、思い返すと、緑色の次に、紫色のアイテムが集まる傾向にあるようだ。ちょうど今身に着けている、紫のカレッジロゴのスウェットは、数年前、それこそ、Rちゃんと下北沢に遊びに行った際、古着屋さんで購入したものだ。派手な色味だが、意外と手持ちの服に合わせやすく、お気に入りの1着だ。他にも紫の服はあるし、お花屋さんで惹かれる花は、紫の色味のものが多い。先日も、淡い藤色のスカビオサを買ったばかりだ。彼女は、自分では知らない内に、紫に惹かれている姿を、本人よりも先に、見抜いていたのだ。自分のことを、深く知ってくれているんだな。

自分の知らない自分に気づいてくれるって、嬉しいなと思う。彼女の人の好みを見抜く力はさすがの一言だが、好みを分かり合える関係性は特別だと感じる。
身の回りには好きなものが溢れていて、その「好き」にまだ気付けていないものも多々あるはず。また、気付いていけたらいいなと思う。好きなものがアップデートされるだけでなく、増えていく大人になりたい。
もらったノートは、もったいなくてなかなか使えていない。せっかくなら、好きなものを詰め込んだノートにしたい。好きな小説のセリフ、曲の歌詞でも、書いてみよう。

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