マスコミ関係者だった私が広報の仕事をはじめて思うこと

20年間。テレビ番組制作会社(後半はフリーランスで)でテレビ番組の制作をしてきました。
昨年から縁あって飛び込んだ広報PRの世界。
そこは、元マスコミからしたら「なぜ?」と「なるほど」が混ざった不思議な世界でした。

私は攻略されていた

とてもアピールの上手なPR会社の人がいました。
てても情報の届け方が上手な広報の人がいました。
とはいえ、マスコミとしては、いつもその会社の情報をあつかうこともできません。さらにはいつも同じPR会社からの売り込みにこたえるわけにもいきません。
私は適度に距離をとり、ちょうどよい距離感を保ちつつ
彼女(彼ら)から情報をもらってきました。
なんて、親切なんだろうなぁと感動していました。
でも、広報PRの世界に入って、たくさん書籍を読んで
私がされていたアピールは「定石」だったんだと知りました。

つまり。母数は1ですが、本に乗っていたり、誰かが指南する通りにアピールし続ければ、私のように「親切な人だなぁ」と思うマスコミ関係者は最低でも1人はいるかもしれないということです。
(たぶん、そう思う人は一人ではないので、書籍などに書かれているんだと思います)

思った以上に企業の人はマスコミを知らない

広報PRの仕事をしています。
でも私はこれまで広報の仕事をしたことは一切ありません。
そんな私のキャリアが役に立つのはマスコミ勤務で徹底的に鍛えられた「どう見えるか」「どう見せるのか」という技です。

マスメディアは企業の広告ではないことは、マスコミでは常識です。
そのことは知っていても、マスメディアがどういった方向の情報を集めようとしているのか
そして、それをどう発信しているのかまで細かくわかっている人はどれくらいいるのでしょうか。

どう見せるか、どう見えるかは
ある程度徹底的にそのこと(新聞記者なら記事を書く。私のようにテレビディレクターならテレビを作る)に向き合うと、急に感覚としてつかめるものがあります。

残念なことに多くの企業は自社の魅力に気がついてないことがあります。
そんなときに、誰かに徹底的な聞き取りをしてもらうことで、その魅力を発掘することができます。

私のインタビューのスキルや「どう見せるか」という技が広報でも生かせるんだということに気が付きました。

すぐには効果がでない

テレビ制作の一番面白いポイントのひとつに成果が目に見えることがあります。作ったものは放送されます。放送されれば終わり、そしてまた新しいものを作ります。

でも広報PRの仕事はすぐには効果がでません。
小さな石をちょっとずつ、しかも色々な場所に積み上げた末に、結果が出るかもしれないし、出ないかもしれません。

セオリーはあるけれども絶対に成功する方法はありません。

私はここにも広報の面白さがあると思うのです。
そして、個性もここで出せると思うのです。

この仕事を初めてまもなく1年。
最初はあまりに初心者なので、大丈夫だろうかと思うこともありました。

でも、続けてみると
なるほど、私の考え方やキャリアは広報PRに役立つものだったんだと
日々噛みしめています。

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