ゆっくり過ごす休日の大切さ

日本語でも、英語でも、私の働いてきた状況を話すとびっくりされます。
当時はそれでも良いと思っていたし、それが誇らしいことだと本気で信じていました。

20代は土日を連続で休めたことなどほぼなく、就職してから5年間夏休みを取得したことがありませんでした。
ひどい時は週に1回だけ家に帰り、洗濯機を回して、部屋干しの洗濯物をスーツケースに詰めて、会社に戻っていました。
それでも良いと思っていましたが、あまりに働きすぎだと思い、時給を計算したら180円でした。
これが、20年前のテレビ番組制作会社勤務ADの普通です。
体が丈夫だったのと、鈍感なメンタルの持ち主だったので、何とか20年仕事を続けられてきました。

会社にいれば食べることにはあまり困らず(お弁当をもらえたり、ご飯を食べに連れていってもらえたりする)
話す相手も常にいたので、寂しく思うこともありませんでした。

ただ、この状況って
完全に一人暮らしの独身でしか働けません。

私が母になってまず困ったのが
私がかつて働いていた現場の「会議」で『18時前』に終わるものがなかったことです。
子どもがいても働けることを絶対に証明して見せようと思っていたので
私は、いろいろな方法を使ってなんとか乗り切ってきました。

でも、2人目が生まれて、しばし走り続けて
ふと
「何のために頑張っているのかわからない」と思ったのです。

何でも極端な判断をしがちな私は
夫の第二の故郷、イギリスに移住することを決断し
そして今、イギリスに住んでいます。

東京の何が私をそんなに焚き付けて
睡眠時間も削って働くことを良いとしたのか。
イギリスでもよく考えることがあります。

今、私の娘を学校に迎えにいくと、お父さんでもお迎えに来ている人もいます。
2時半のお迎え時間に、働いているお母さんですらお迎えに来れたりします。
夕方5時には帰宅する車が渋滞していて、
聞くところでは、4時半にはタイムカードの前に行列ができるそうです。

豊かさの変化とはよく言いますが
「長時間労働」から解放されると
自分の気持ちがガラッと変わった感じがしました。

今でも、あの現場が懐かしくないかと聞かれると
懐かしいのは事実なのですが
でも、今の私はこのボリュームがちょうど良いなと思っているのです。
でも、懐かしくも思っています。

人って複雑だなぁ。

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