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英語は時々、ハッとするほど美しい

何度も書いて申し訳ないのですが、私は英語が苦手です。
というか、高校時代に苦手から、嫌いになりました。
でも、今、イギリスに住んでいます。

イギリスに移住するにあたり、渋々始めた英語の勉強。
継続は力なり、とはまさにこのことで、牛歩のようにちょっとずつ英語がわかるようになってきました。

で、時々、英語って綺麗な表現があるなぁ。とびっくりすることがあるのです。

昨年の5月。
娘たちとロンドンのテートブリテンに行きました。

目的は、オフィーリアの絵を見にいくこと。

日本に住んでいた時に「びじゅチューン」が大好きだったので本物を見に行こう!となったのです。

子どもたちは
「オフィーーーーーーーーーーーーリアまだまだ」と背泳ぎのように手を動かしてノリノリです。

でも、美術館は広いので、子どもたちが目的の作品に出会う前に飽きてしまうことを心配していました。
すると、入り口で「ボランティア」という札を首からかけた上品そうな女性が立っています。
私は思わず、声をかけました。

「Could you tell me where is the Ophelia?」

すると彼女は、どちらのオフィーリアかしら?と聞くので
「水に浮かんでいて、こんな手の感じの」と説明します。

すると「聞いて正解よ、なかなか見つけられないから」と
ちゃめっ気たっぷりな笑顔で私たちを美術館の奥へと案内してくれました。

現代アートを通り抜け、ターナーの絵を横目に女性はゆっくりとでもキビキビした動きで私たちお案内をします。
そして、目的の絵を前に一言、こう言いました。

「She is waiting for you.」

ジョン・エヴァレット・ミレイ「オフィーリア」

なんて綺麗な言葉なんだろうと、絵よりもまず、その表現にとても感動しました。
私たちのことなんて待っていないって知っているのに、そう言われると、ずっと私たちが観に来ることを待っていたように見えるのです。


子どもがどんなに近づいて絵を見ても注意されないのが良い

イギリスに住んでいると、日本語にはない表現の美しさに出会ってハッとすることがあります。

文法は何回勉強しても覚えられなし、読むことは苦痛でしかない。
書くことなんてAIに任せきりです。
でも、時々こんな綺麗な言葉に出会ってしまうので、今日も私は、カタツムリよりも遅い速度で英語を勉強しています。

#英語がすき


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