見出し画像

みじかくも美しく燃えワンピースを作る

平日の午後、一人でスウェーデンの映画、ボー・ウィデルベルイ監督の「みじかくも美しく燃え」を観ていた。映画は昔から沢山観るけれども、哲学的な事や隠された意味など私は良く分からない。そういうスタイルで若い頃から膨大な量の映画を見てきた。ただただ人の生活を見るのが好きなのだ。

私は西陽の差す部屋で、底がサクサクとしたいちごのタルトをフォークで食べていた。苺がすっぱい。

子役の子のワンピースが可愛すぎる

映画ではサーカスの綱渡りの美しい女エルビラとイケメンの陸軍将校シクステンが、もうお互いに「あなたしかいない」と手を取り命がけの駆け落ちをしていた。私はぼーっと「こんなに若いのに、どうしてもうお互いしかいないと、逃げ出す程に未来が予測できるのか」と思っていた。まだきっと長い人生、美人とイケメン、出会いもたくさんあるだろうに。

何もかもが美しい二人

彼らのピクニックのシーンは何もかもが美しすぎて、自分のだらしなくタルトを食べる姿や、着古したTシャツが恥ずかしくなるほどだった。フォークの先からタルトの底の部分がぽろぽろと私の太もものあたりに落ちて西陽照らされ輝いている。これを始末しないといけない事が何よりも怠く思えた。私もこんな風に見た目の良い男と木の下でワインを飲んだのなら、先の見えない逃避行をするのだろうか、と思った。今はただただそれも怠いような気がした。


幸せなピクニックシーン


エルビラとシクステンのように何もかも捨てるという事は(シクステンには妻子がある)想像以上に恐ろしい事だ。恋とか愛とかがそういう恐ろしい事を超えてしまう事実があるのは私には「イチミリ」も想像できなかった。給料は高くはないが、今長く続けている事務仕事でさえ、いざ辞めてしまうという事を考えるのは困難な事に思えるのだから。さてはこの美女エルビラはサーカスの綱渡りが職業だからこういうハラハラが好きなのかしらと思いながら、私はキッチンに行きコンビニで買った甘い赤ワインを開けた。何にも共感は出来ないもどかしさを、彼らと同じワイン飲めば少しは解消されるかと思った。タルトの破片が床に散らばった。

赤い苺を食べながらと赤ワインを少しずつ飲んでいたら眠くなってきた。たった一人で眠くなってきた事に突然孤独を感じた。絶望的に結ばれなくてもこんな風に受け止めてくれる人がいる事は女の一番の幸福かもしれないと思い始めた。そうだこれは幸福なのだ。幸福の映画なのだ。

妻子を捨ててエルビラを愛すシクステン

時間を見ると16時近く。今日は私が今まで生きていた中で初めて愛したと思う男にドタキャンされたのだった。懲りずにショックを受け、お昼ご飯も食べないまま、こんな時間になってしまい苺のタルトを突いているのだった。彼のドタキャンは初めての事ではない。4度、いや、もっとあるかもしれなかった。ちらちらと映画を見ながら、スマホで「ドタキャンする人 なぜ」とググってみた。

スマホには「相手に見下されている可能性」と表示されていた。そんな事は分かっているのに、こうしてしっかりと文字化されると、やはり胸が苦しくなる。

嫌な気分のまま、私はいつの間にかうつらうつらとしてしまい、スマホを握りしめたまま睡眠というにはあまりにも浅い、でも現実というにはあまりにも投げやりな部分を泳いでいた。映画はいつの間にか一時停止を押していた。

黒いリボンで髪を束ねる

目を覚まし、再生ボタンを押すと、エルビラとシクステンにいよいよお金が無くなってきていて、序盤の幸せなムードとは色彩が一変してしまっていた。彼らの行動は全てが、例えばマッチの火がどんどんと指先に近づいてくるような、そんな感じだった。余裕のないゆえに起きる喧嘩や、決断。

スカートを捲り上げて綱渡り

私がエルビラのように完璧に自由で、そしてキリリと綱渡りの出来るような女だったなら、ドタキャンされるような立ち位置にはならなかったであろう。たまに会ってくれる喜びにただただ甘えてしがみついている惰性のような私の気持ちに彼も気が付いているから、どう扱ってもいい女だと思われているのだ。

「そんな事するなら二度と会わないから、じゃあね」と言って即ブロックしてしまえる、私の小学校時代からの友人リリィなら、きっと(リリィはものすごい美人でもあるのだが)男は恐れてドタキャンなんて絶対にしないのだろう。

麦わら帽子が可愛い。白と黒。

しばらく会っていないリリィの事をふと考えていた時、映画から突然大きな音がしてビクっと飛び上がってしまった。

…………………………

大きな決断をすること、そして終わらせる事、それって、愛なんだ、と思った。心臓ドキドキした。

ラストシーンは巻き戻して繰り返し、観た。
映っていない事に、更に美を感じる。

素敵な傘


なにもかもひらひらになりたい!
それでいてとても心地の良いもの。

「みじかくも美しく燃え」を見てドキドキと、ときめきながら、出来た作品がこちら。

ひらひら襟が可愛い。
綱渡りをしても下着が見えないようパンツも付いてます。

minne

ひらひら襟が可愛いダブルガーゼのゆったりワンピース
ひらひら襟が可愛いダブルガーゼのゆったりワンピース
ひらひら襟が可愛いダブルガーゼのゆったりワンピース

Creema

ひらひら襟が可愛いダブルガーゼのゆったりワンピース
ひらひら襟が可愛いダブルガーゼのゆったりワンピース
ひらひら襟が可愛いダブルガーゼのゆったりワンピース

今の所3種類の色があります。
送料は無料です。
ひらひらの傘も合わせたいな。

悲劇と幸福は紙一重。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?