見出し画像

現実と絵本

昨日仕事から帰ったら、日経夕刊の一面記事のジビエ料理特集が目に飛び込んでき、日中職場で読んだ絵本のことが頭をよぎりました。

ブライアン・ワイルドスミスの『いぬとかりゅうど』です。

ハンターに同行して撃ち取った獲物をくわえて戻らねばならない猟犬くんですが、傷ついた獲物をかくまってしまい…

「捕獲・狩猟→解体・調理」という現実と、あまりに甘い絵本の世界。
絵本を読んでいると、「ああ、いつまでもこの世界の中に浸っていたい」と うっとりしてしまうけど、ジビエ料理に舌鼓をうつ現実も甘美である。。。
しばし遠い目になってしまいました。

もう一つ、昨日も今日も目にした「待機児童問題」「保育園落ちたのあたしだ問題」。こちらの絵本がつぶさに浮かびました。

不動の黄金コンビ、なかがわりえこ・やまわきゆりこの『こぶたほいくえん』です。

三びきのこぶたのきょうだいは、おうちでとかくがちゃがちゃしてしまうので、おかあさんは「ほいくえんにでもいかせてみたらどうかしら」ってな軽い調子で、保育園に通わせることにします。
どう見ても専業主婦のおかあさんですが、私が子どもの頃は、保育園と幼稚園の境が曖昧で(田舎だからかな)、職業婦人(近所にほとんどおらず)だろうが専業主婦だろうが、子どもは近所の保育園に入れていました。
私もまさに「保育園にでも行かせてみようかねぇ」という感じで、年度の途中で連れて行かれたことを覚えています。

保育園に子どもを入れることに身も心も擦りへらし、東奔西走する現代のおかあさんたちがキッと睨んで「お気楽でいいよね!」と言い放ちそうな平和世界です。

しばし現実を忘れて、心だけでも遠くへ行ってみる。
私の場合、それが叶う場所が絵本であり児童書であるのです。

#絵本 #児童書 #エッセイ