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冤罪と失踪

長らく気になっていながら読んでいなかった児童書『ぬすまれた宝物』(ウィリアム・スタイグ著 金子メロン訳)。(本当にごめんなさい!読んでないなんて児童書担当者としてあり得ないよね…)

いやー、これは大人が読む物語ではないか?

冤罪で失意のガチョウ、ガーウェイン。袴田さんを思い出す。
そして、逃亡の隠遁生活。小野田さんや横井さんを思い出す。

と思って、ついつい「小野田さん」で検索したところ、思いがけず読み応えのあるブログ記事を発見。
http://gabasaku.asablo.jp/blog/2016/03/18/8052997
子どもの頃見た小野田さんの印象が覆されたー。

ともあれ、この物語には、本当の孤独とか本当の無念とか、世の中を渡る上で度々遭遇する理不尽な、不本意な諸々と、出来心や誤解や大衆心理なんやかやが簡潔に盛り込まれていて深い。

読み終えてふと作者を確認したら(作者も見ずに読んでいた…)、あーあのスタイグさんじゃないか!
スタイグさんの作品はどれもいいのだ。どれも深いし大人の鑑賞に堪えうるし、未来永劫通用する内容なのだ。
訳文もいいです。金子メロンさん、情報がほとんどないけど名前がいいですなぁ。

#ウィリアムスタイグ #児童書 #読書 #小野田さん