北から目線考察

主に関東、首都圏などで大雪が降ると発生する雪国地方からの煽りみたいなものを誰が呼んだか「北から目線」と言うのですが─
まあ「上から目線」のもじりというところでしょうか(最近は「雪国マウント」とも言う)
どういうものがあってどうしてそういう事言うの?という事について考えてみました──
筆者は北海道でも有数の豪雪地帯住みです

寒いうちに入らん

都民などは気温が一桁にもなれば「寒い寒い」と言い、氷点下になろうものなら凍死するみたいな勢いで言いますが─
北海道で1月2月に気温がプラスになれば「暖かい!」「温暖化の影響だ!」などとほざきます。
果たして本当に暖かいのかというと、、普通に寒いですね
違うのはやはり暖房設備でFF式のデカいストーブが居間に鎮座しており常に20℃台をキープしています。
賃貸や個室などは石油式ファンヒーターの場合もありますが建物の設計が寒冷地仕様なので断熱性が高く外気を遮断できます。
(エアコンのヒーターなどはそもそも室外機が雪で埋まって使えなかったりします)

関東移住者の道民が「東京は寒い」という現象はこれがまずひとつ、梅雨や酷暑に晒される内地の住宅は通気性が良く気温が下がると割とダイレクトに冷えるからでしょうか、新築物件ならエアコン運用も想定して断熱性ありそうですが

もうひとつは生活様式、というか行動??
雪国では前述の通り住居が暖かいのでそこで身体は蓄熱します─
移動はもっぱら自家用車でエンジンスターターなどを装備している車も多分多いです、暖機運転はエンジンを温めるというより車内を暖める暖気を目的とするものです─
そして通勤なり買い物で建物に移動するのですが、そこも十分に暖かい─
ので、常に暖かい場所から暖かい場所へ移動するだけなので外気に晒される時間が短いのです
せいぜい建物から乗り物へ移る時だけ外に出るので身体に溜めた熱はキープされます。
ただし都会などでは徒歩で移動する距離と時間が多くなりがちなのでそこはやや寒いでしょう─
それでも気温一桁台で「じっとしている」状態がほとんど無いので冷え切る前に逃げ切れます(寒さから)
外に出る時ってだいたい除雪か歩行してますから、運動+防寒着によって体温は保たれます、日差しがあれば暑いくらいです。

雪が積もってる時の方が暖かい

何を言ってるのかわからないと思いますが道民でもよくわかりません─
が、なぜかそうなんですよね。
初雪から根雪になるまでの間に身体が慣れるからというのと覚悟が決まるからみたいな事でしょうか
暖かさとは関係ありませんが雪が積もりきると音の反射があまり無くなりなんだか閉塞感を感じます。逆に木々はほとんど葉を落としており見渡す限り「白」で晴れた日なんかは果てしなく広い視界に対してとてつもない静寂という幻想的な景色を見る事ができます
冷え切った日の早朝なんかそれは美しい景色ですが美しければ美しいほど生命にとっては厳しい環境でもあります。

10cmの積雪で交通麻痺とか貧弱w

これも住環境同様、雪国は雪国仕様になっているので当然の事です。
冬季間、北海道では主に建築会社や農家の皆さんが除排雪部隊として深夜早朝に掛けて交通網を維持管理整備されます(国道と道道は行政の管轄かな?それでも委託だと思いますが)
年に1日降るか降らないかの地方にそれを強いるのはさすがに無理がありますね。
当然北海道でも(確か)30cm以上の積雪があれば高速道路は除雪で通行止め、暴風雪になれば鉄道や航空も運休になります、ボーダーラインが内地より高めというだけです。
自動車は基本的というか絶対的にスタッドレスタイヤを装着してますね。
もう「ノーマルタイヤ」「スタッドレスタイヤ」じゃなく「夏タイヤ」「冬タイヤ」って呼んでますから(地域差世代差あるかもしれません)

歩き方が下手くそ

道民でも降り始めと溶け始めは転倒してます。
凍結路面が滑るというより濡れた氷が滑るんです。
キンキンに冷えていれば割とグリップしますし、そういう状態の路面の歩き方が染み付いています。
降り始めは翌朝凍ってて少し融けてたりして滑るのと半年間雪無し期で歩き方忘れてる、あと冬靴じゃなかったり・・・
真冬は「圧雪」という状態になっていてこの時期は割と安定しているんですよね、これは多分雪国じゃないと経験できないと思います、硬い砂浜みたいな感じですが稀に踏み固められて氷状になってたりするので油断ならないです。
雪解け期は融けてる所と凍ってるところがまばらな上に平らな面がほとんど無いので雪国歩行法が効かないところがあります。

なんで傘さしてるの?

降り始めの水分の多い雪、通常「ベタ雪(ボタ雪とも言う」の場合には道民でもさす事はあります。
厳冬期になると雪はサラサラのふわふわになっていますので防寒も兼ねて帽子やフードをかぶっていれば手で簡単に払えます。
傘は片手が塞がれる事で転倒時に受け身が取れないリスクがあります。
髪型を気にする人はさしてる事もあるかもしれませんが、ダウンコートのデカいフードを両手で浮かせながら被って歩いてるのを見た事があります(これも転倒リスクありますね)
もう大雪降ったら諦めなさいよというとこですかね。

逆に

寒冷地に適応した北海道民ですが、ここ何年かの猛暑には参ってます。
昔は30℃超える日なんてめったに無かったし、なんなら真夏日が無い年もあったと思う──
なのに、1週間連続真夏日とか・・・今はどうかわかりませんがかつて北海道のエアコン普及率は30%未満だと聞きます。
あとは台風にも弱いですね、台風が強い勢力のまま上陸する事がほとんどありませんから──
そして梅雨とゴキブリ、本州以南にあって北海道に無いものもたくさんあります。
SNSでマウント取りあってるうちはいいですが(よくない)いざ甚大な自然災害が起こった時に相互にその対応力を知る事は有意義でもあると思います。
北から目線もいずれ集合知として活用できるようになれば良いですね。

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