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アナグラム詩: たやすみなさい(+アナグラム歌会中継⑤)


たやすみなさい
(12リフレイン)

さい ないた いや さみた
なやみやすい さい いみなさ
さみない なみ たたす さやさや
たな すいた さなた みみい
すな すやすや
すや さなさな
みす やさすい
いやさみた いさなみや
た や す な す い た す
た や す み た み た み


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【みえる式部 部門】の詩集には、岡野大嗣さんの歌集「たやすみなさい」を選びました。表紙はキラキラホログラム、イラストも本当に可愛いんです!
(各部門の優秀作に詩集代金分のサポートをしますが、使途は自由です!)

この作中に「みえる、みだれる」という章があるんですね。笑
そして、こんな素敵な短歌が収められているんです。

たった今うれしい夢をみていたようれしかったのだけがわかるよ
なみだめで見つめる団地の窓の灯はいろんな国のはちみつの瓶
街灯のつもりでみてた丸い月がそうとわかってからふくらんだ

みえる、はちみつ、と来て、私の部門にはこれしかないと思いました。
「たやすみなさい」をお題にして、不思議なものを書いてみました。今作は、みなとせ はるさんの「めとろのーむ、と、ぴあの」、あきやまやすこさんの「野さい児」にヒントをもらっています。これについては、また巻末で!

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冒頭から、「AHOアナグラム」という新ジャンル成立のお知らせです。
あるさんから、ネオ・サイタマに隠された真実の極秘提供がありました!必読!

あきやまやすこさん、AHOアナグラムの新境地。お二人とも本当に多芸多才です!


【やすこ納言 部門】

りりかるさんから、オラクルカード方式で!意味深な詩は本物の予言みたいです。

はっくーさんから「アナグラム歌会」の様子を描いた一作品。心強いエールです。


【みえる式部 部門】

つるさんは、1行アナグラムを繰り返す高度な技で、可愛いパパ鳥のストーリー。

目頭あつこさんから、宮沢賢治からお題をとった名作が!丁寧な制作方法も必見。


【ぼーろ中将 部門】

ついに、音楽作品が出ました!
つるさんは、はっくーさんの「光と時間」をもとに作曲・演奏!すごすぎです。

そして、「アナグラム歌会」を素晴らしい詩作品で牽引してくださっている、言葉の箱庭さんはっくーさんから、作品の補とご感想をいただきました。

言葉の箱庭さんのほんのり解説を読んでから、また作品を訪ねてみてくださいね。

はっくーさんから、アナグラム詩の面白さの真髄に触れるエッセイ。嬉しいです。

アナグラム詩、とっつきにくいかもしれません。はっくーさんも……

なんでもそうかもしれないが、ルールを知らなければ手を出しにくい。
ざっと調べてみてもいまいちよく分からない。
自分が書いてもいいのかな。そもそもどうやって書くんだろう。
いろいろ分からないことがたくさんあった。
でも、いざやってみたら自由だった。(……)
難しく考えないで、とりあえずやってみたら、ただただ楽しい時間になった。
言葉が生み出す可能性の広がりを感じられて、とても心地良い時間。
「アナグラム歌会」に参加してよかった。

ぜひ、この感覚を、皆さんに味わっていただきたい。投稿、お待ちしています!

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冒頭のアナグラム詩では「意味がとおらない」や「存在しない言葉」を意識してみました。アナグラム詩って意味不明でいいところがまた、面白いと思うのです。

みなとせ はるさんの「めとろのーむ、と、ぴあの」は個人的に大好きな作品です。意味が、情景がぶっとんでいく!わちゃわちゃした楽しい喜劇のようで、とっても楽しい。なんじゃそらーと笑いながら、うきうきしてしまう作品です。

あきやまやすこさんの「野さい児」にも意味のわからない「サイじゃ  財じゃ 妻子や  差じゃい」なんて行が出てきます。なんじゃもんじゃと言いたくなる。それでも、早口言葉に挑戦したくなるような、声に出したい詩の力を感じます。

意味不明な詩は、読むのも、書くのもなかなか難しい。冒頭のアナグラム詩は、さみしいサイが、ソナタを聞いて、やさしい「たやすな水」に「たみたみ」と満たされて眠りにつく、みたいなイメージでした。自分でも思いがけないような言葉に出会えるのも、アナグラム詩を書く楽しみです。

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以上、アナグラム歌会の中継は、1日おきに投稿する予定です。
マガジン・作品集への登録が抜けていることなどあるかもしれません。その場合はすみませんが、コメント欄にてお知らせください。

「アナグラム歌会」への投稿、お待ちしています♪


お読みいただき、どうもありがとうございました!それだけで十分に嬉しいです。 もしもサポートをいただいたときは、ほかの方の詩集に、そして私が詩を書いている日々のノート(440円)に使わせていただきます♪