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スポーツから最も遠い人々にスポーツの力を届ける Sport For Smile~「スポーツの力で社会を変える」事業・活動紹介後編その1~

先回の弊社事業説明に続き、今回は「スポーツの力で社会を変える」を体現するために私が実施している非営利活動について、2つの団体をベースに前編と後編に分けてご紹介します。

まず前編では、一般社団法人 Sport For Smile のこれまでの活動と現在のプロジェクトラインについてご説明します。

実は、現在は「非営利徹底型の一般社団法人」として法人化していますが、2010年に弊社(株式会社 Cheer Blossom)設立と同時に活動を開始しており、2018年6月に法人化しました(非営利徹底型)。

「スポーツを通した社会変革を推進する日本初のプラットフォーム」として、スポーツの力で社会を変える」を体現する人々・団体のコミュニティをつくるため、国内外の関連した活動を実施している団体をご紹介する啓発セミナーから活動を開始しました。

すべてボランティアで運営しており、「スポーツから最も遠い人々にスポーツの力を届ける」ことを理念に、現在は以下の4つのプロジェクトラインで活動を展開しています。

1)啓発セミナー

Sport For Smile 設立の際、UNOSDP(国連開発と平和のためのスポーツ局)局長が「君が東京で啓発セミナーを実施するなら喜んで行くよ」と言ってくださったことがきっかけで、当初は啓発セミナーから活動を開始しました。30名くらいの小規模なものから、100名規模くらいで、日本人初のメジャーリーガー(村上雅則氏)・NBA選手(田臥勇太選手)や、金メダリストにもご登壇頂くことができました。また、UEFAやアディダス等の著名企業からNPOまで、様々な団体にご登壇頂き、国連事務総長付きスポーツ特別顧問をお迎えしてのユースワークショップも実施しました。啓発セミナー以外にも、インクルーシブスポーツのミニイベント等も実施しており、2012年には世界銀行総会の公式サイドイベントとして100名規模のイベントも実施しました。

啓発セミナーの詳細リストについては、こちらをご参照ください。

2)スポーツメンタリング

DV経験のある子ども達(小学校高学年)と大学生がペアになり少人数グループで送迎付きで一緒にスポーツ活動です。韓国の非営利団体からの助成により2014年から開始した約半年間のプログラムで、心が傷ついた子ども達が「笑顔」と「信じる力」を取り戻すことを目的として実施しています(2014年は母子家庭対象)。「スポーツ」とはいっていますが、スポーツをうまくプレイすることを目指した活動ではありません。

ブラインドサッカーやダンスなど、外部講師をお呼びして実施する回もあれば、元メンター経験者等のボランティアスタッフがリードしふうせんバレーボールやボッチャなどを実施する回もあります。ルールを守ることは重視しますが、厳しさよりはまったり感を大切に、子ども達にとって「安心できる場所」を提供することを目指しています。プログラム実施期間中は、毎月メンター研修(大学生向け)を実施し、DV被害者支援の専門家からのアドバイスも受けながら、メンティー(小学生)にとってよりよい体験になるよう対応しています。

2018年にはウェスレー財団、2019年にはACCJ(在日米国商工会議所)コミュニティファンドからの助成を受け、HEROs AWARD を受賞、以来日本財団HEROsファンドと多数のマンスリーサポーターの方々にご支援を頂き活動を継続しています。

ご支援ご協力頂いている皆さま、いつもあたたかいお気持ち、ありがとうございます!ご寄付は通年受付しておりますので、こちらからご登録頂けましたら幸いです。

3)啓発キャンペーン

啓発活動は、セミナーやイベントという形態以外にも、メガスポーツイベント等開催時にスポーツの力を活用して社会に重要なメッセージを発信する啓発キャンペーンの形式で実施することもあります。

例えば、2018年のサッカーW杯連動企画として、FIFA公式パートナーNPOからの助成を受け、"Win Off-the-Pitch"という若者支援プロジェクトを展開しました。「ワールドカップの熱狂をスタジアムから最も遠い人々に届けるための企画」を25歳以下の若者から募集し、優秀な企画を表彰するというもので、JFA(日本サッカー協会)の後援やアディダス社からの特別協力を頂き、審査員には社会活動の専門家の他、北澤豪さんやアディダス社スタッフの方にもご協力頂きました。また、表彰式のセッションではJリーグの村井チェアマンにもご登壇頂き、アディダス社VPよりご提供頂いたアイテムをベスト4受賞者に授与するプレゼンターも務めて頂きました。海外からは、UEFAやホームレスワールドカップ、streetfootballworld 等、トップランナーの社会活動家によるセッションを展開しました。

また、東京2020開催期間中には、子どもを人身取引・搾取から守る "It's a Penalty"という啓発キャンペーンを実施、ウサイン・ボルトさん、キャシー・フリーマンさん、フランソワ・ピナールさんといった海外の著名アスリートに加え、日本からは高橋尚子さん(マラソン金メダリスト)や安直樹さん(車椅子フェンシング)にもご協力頂き、啓発映像を作成、渋谷スクランブル交差点や都心の主要交通機関チャネルにて放映されました。

東京2020大会期間中に、もうひとつ、公式サイドイベント(参画プログラム)として実施したのが、「Sport For Smile SDGsユースリーグ」です。目的は、東京2020大会を機に、若者がSDGsに貢献する”最初の一歩”の行動を起こすきっかけを提供し、若者の声を社会に届けることで、田臥勇太選手(宇都宮ブレックス)やスキージャンパ―の髙梨沙羅選手にもご協力頂きました。また、IOCとも連携して世界トップレベルのヤングリーダーにもご登壇頂いたり、日本人のユースリーダーから若者のリアルな気持ちや実情についても語って頂きました。運営はパナソニック社のご協力のもとパナソニックセンターにて実施、ショートPV映像も作成頂きました。

4)Sport For Smile プラネットリーグ

Sport For Smile 設立当初は、実は環境問題に特化した活動を実施する想定はしていなかったのですが、昨今の気候変動問題の危機的状況に対応し、2021年にローンチしたのが、「Sport For Smile プラネットリーグ」です。

このコミュニティは、2018年のCOP24で始動した国連スポーツ気候行動枠組み」を中心とした世界情勢に対応し、日本のトップレベルのプロスポーツクラブが連帯しキャッチアップするためにつくったもので、”気候変動を中心とした環境問題”に特化して、国際情勢や国内外のベストプラクティスを共有するための実務セミナーや公開フォーラム等を実施しています。

2021年のローンチフォーラムでは、日本の全プロスポーツに加え、NYヤンキースからもご登壇頂きました。

世界レベルでは、国連とIOCが初めて共同企画する Sport Positive Summit が2020年より始動していますが、昨年はIOC会長やCOP26議長も登壇し、両名ともに「Take action NOW!!」と絶叫で呼びかけましたが(もはやASAPとかではない)、この危機感と世界スポーツ界の本気度を伝えることもSFSプラネットリーグの目的です。僭越ながら、日本から私が2年連続で登壇させて頂きましたので、今後もグローバルネットワークを活用し、日本スポーツ界に重要な情報を伝えていければと思っています。

以上、簡単ではありますが、これが現在の Sport For Smile の活動全体像になります。活動開始から今年12年目になりますが、国内外のVIPを含み延べ150名以上の方々にご登壇や運営協力を頂き、改めまして感謝申し上げます。個別にお問合せやご質問などあれば、メッセージを頂ければと思います。

尚、大変恐縮ながら、2022年度は、取材や講演執筆に関しては、本業の「プロスポーツの社会的責任」に関する内容に限定してお受けしております。誠に恐れ入りますが、より多くの方に重要な情報を効率的に届けるため、主催イベントやSNS 等を活用し積極的な発信に務めてまいりますので、ご理解のほど宜しくお願い申し上げます。(※「スポーツメンタリング」の活動については、元メンターが対応いたしますので、是非ご取材頂けましたら幸いです。)

後編では、日本バスケットボール界の歴史的統合を機に設立した Next Big Pivot の活動についてご紹介します。




最後までお読みいただきありがとうございます。サポートいただけましたら、DV経験のある子どもたちのためのスポーツ活動に大切に使わせていただきます。