私の好きな音楽

流行りの曲には馴染めなかった。

小学生のころ、友達が聴いていた、GLAYやラルク、SPEED、MAXといったアーティストは、どうもピンと来なかった。

一時期は、父親の影響でT-SQUAREを聴いていた。だから友達にはフュージョンが好きと説明していたが、小学校の同級生はフュージョンを知らない。
そして「小倉はクラシックを聴いてそう!」とからかわれた。ガリ勉・真面目だったから。いま思うと良いことなのだが、小学生にとってはバカにされる対象だったのだ。つらかった。

大学入学間際までテレビオタクだった私は、それまで〈テレビで流れる音楽を特定して集める〉ということにハマっていた。しかも、バラエティ番組で使われていた曲を集める。その番組のサントラなど存在しないため、インターネットや全曲試聴機に頼って、意地になって見つけ出した。映画・ドラマ・アニメのサウンドトラックからテクノミュージックまで、ソースは様々であることが分かった。

大学生のときに「渋谷系」というジャンルを知る。ピチカート・ファイヴやフリッパーズ・ギターを筆頭とする、ちょっとおしゃれな音楽のことである。ようやく〈歌のついた曲〉を聴くようになった。フュージョンやテレビBGMはインストだったから。

その後どんどん色々なアーティストを好きになっていった。栗コーダーカルテット、湯川潮音、空気公団など。どれもゆったりとした曲調を得意としている。さらに相対性理論も聴いた。ウィスパーボイスが好きであると自覚した。

10年ほど前にハマったのが、さよならポニーテールだ。人生で一番ハマったアーティストとも言え、知って以来ずっと毎日のように聴いている。

最近はオフィスCUE所属アーティストである、Chimaの曲が好きだ。優しいアコースティック。そうか、自分はアコースティックが好きなのか。そうしてライブにも足を運ぶようになった。先日、彼女のラジオを初めて聴いたが、そこで紹介された「チルな音楽」はどれも好みだった。今後ガイド的な役割を担ってくれるかもしれない。

しかし私の好きになる音楽は、ほとんどメジャーではない。ある程度は知られていても、少なくともミュージックステーションに出演するアーティストはほとんどいない。

自分の感性に頼った〈ひとり旅〉と言えるが、それがまた楽しいのだ。

レイアウト版を以下よりPDFでご覧いただけます。
https://drive.google.com/file/d/1qapw1oqgfIynwSSDiYyEmPtPtpL4RCch/view?usp=drive_link

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