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スランプを抜け出す具体的な方法、お伝えします

5月が「メンタルヘルス啓発月間」でもあると知り、駆け込みでこの文章をアップします。

その名もずばり「アーティストのための:スランプを抜け出すためにできる8つのアクション」(8 Practical Actions for Artists to Get Over Writer’s Block)

無料でお読みいただけますので、アーティストもそうでないかたも、是非ご利用ください。

創作活動をしていると、行き詰まってしまって自分をものすごく価値のない人間のように感じることがありますが、そういう事象は、誰にでも起きることなんですよね。

8 Practical Actions to Get Over Writer’s Block
スランプを抜け出すためにできる8つのアクション

英語版もこちらにあります bit.ly/nomoreblock-mm

1-とりあえず座って書き始める。

常に曲の締切があってほぼ毎日書き続けないといけない作曲家の先輩たちに、writer’s blockが来た時はどうしていますか?と聞くと、みんな、その葛藤を無視してとりあえず机に座って書き始めると言うんです。無視の仕方の具体的な方法はみなさん様々なのだけど、共通するのは、とりあえず身体を動かしていること。机に座る、ピアノに向かうと決めて、やる。その日モチベーションが高いか低いはやるかどうかに関係ない、と言うんですよ。感情を無視してやるわけですね、いやでも。作曲家というも曲を書くのが好きでやっているはずだけど、嫌な日でもやっているという笑笑、、、面白いよね。


2-「前に書いたものに似せないためのアクション」を試す。

Writers Block(書けない)の類似プロブレムに「書いても書いても以前書いたものと似たものになってしまい、オリジナリティの足りなさに辟易する」ってのがあります。

私もこれに以前は悩まされていたんだけど、最近幾つか解決策を見つけました。

A-書くのを一度やめて、以下のことを積極的にやってみる

  • 他の人のライブを見に行く: 使えそうなアイディアがあったら片っ端からメモって、部分的に盗んで、自分の作品で使ってみる。音楽以外の芸術の場合も「自分がやっていることと同じもの」の情報を取りに行く感じ。

  • 音楽以外の芸術に触れる:おもしろい表現を見つけたときにこれと同じことを音楽でやったらどうなるだろう?と考えてみる。例えばナナさんのポップアップで、カラシとブルーのシャツを見て感動したとしたら「これを音楽でやるとしたらどうなるだろう?似ている色同士ではなくて、対抗色みたいな感じなので、全く違う音色を組み合わせてハーモニーを作る感じだろうか?うちのバンドでそのコンセプトをやるとしたは、ピッコロとベースとかかな。」みたいな感じ。これは直接筆が進むきっかけにならない場合もありますが、脳にはなんらかの良い刺激になっているので、気分一新できて壁を突破できることがあります。

  • 音楽活動とは違う創作活動をする:料理とか手芸とかレゴブロックとか笑 これは一つ上のと似た効果があります。

  • 創作活動と全く違う脳の癒し体験をする:ハイキングとか海へ行くとか自然に触れるとかなりリセットできてストレスが取れるので、脳が活性化されて新しいアイディアを閃きます。

B-音楽を書く、という活動はするんだけども、違うジャンルの音楽を書く

私だったらビッグバンドを書くのを一時中断して二日三日遊びの日にしてしまい、KYMN*の曲だけを書いたり、小編成の曲を書いたり、つまり、全然大変じゃない、楽しく書けるものを書くであります。*カイム:私のポップスバンド

小説家だったら、小説を数日やめて短歌を書いたり、エッセイを書いたり、今書いてる小説ではないショートショートみたいなのを書いたり、連載記事を先に何本か仮テーマ設定して書いてみちゃって遊ぶとか、そういう感じかな。

私にはこれが大変効果があります。自分はかけない人なんだという思い込みが壊れて、やっぱりビッグバンド書くのって大変だよねー他のならこんなにスイスイ書けるのに進まないんだもんなービッグバンドだけ!となるので、自己受容度が上がるんです。


3-今までと違う創作方法を試してみる

例えば今までキャラクターの性格などをきっちり決めてから書く、というやり方だったとしたら、決めずに書きだすのを試してみる。ストーリー展開を決めずに書き出すタイプなら最初から展開を全部決めてみて、ページ数まで考えた上で書く、など、これまでの脳の使い方と全く別のことを試す作戦です。

このやり方を提案すると抵抗を示す方が多くいます。新しいやり方にすることで、これまでの自分のカラーが消えるのではと心配になるそうです。もし同じ気持ちになっているとしたらーその心配はご無用です。書き始め方を変えることで、スタートできない今の問題を解消できるようにしているだけですから。

ドライブに行く時、今日だけハイオクを入れても、レンタカーを借りても、ドライバーの運転のしかたには一切変化がないのと同じです。一度走り出して仕舞えば個性が戻ってきます。


4-自分が好きな作品の展開を分析して、その展開そっくりそのままの展開で書いてみる

例えばわたしがビッグバンドの曲を書いているとしたら、似た雰囲気の曲を一つピックアップして、それを頭から聴きつつ、大きな出来事があった分数と音量を書いていきます。例えば小さい音でイントロ、0:30からクレッシェンドして、0:46でフォルテになる、ソロがここから始まる、ここはなんの楽器が目立つ、ここはシングルノート、ここから同じメロディだけどハーモニーつき、などなどです。

全部書き出してみて見た後に、展開の仕方だけお借りして、自分のメロディや楽器構成に合わせて書いて行ってみます。これも、書き出して仕舞えば自分のやり方をひらめく場合が多いので、途中からお借りした進行通りに行かなくても気にしなくてもちろんオッケーなわけです。

豚肉料理のレシピを応用して牛肉で作ってみる、元のレシピでは白菜だったのをチンゲンサイに変えてみるみたいなことを私たちは普段からやっているはずですが、それと同じです。


5-そもそもこの作品でどんなテーマを世に伝えたいのかに立ち戻って、じっくり考える時間を作る

これもわたしにとってめちゃ有効なやつです。そもそもわたし、この作品を聴き終わった方が帰り道でどんな気持ちになってくれたら嬉しいんだっけなー。この曲を聞いた方が、友達にねーねーいい曲聞いたよって報告しているとしたら、なんて言われたら嬉しいんだっけなー、と想像します。

その後に実際にコンサートを終えて評論家が意図通りのことを書いてくださってる記事を想像したり、喜んでコーフンしてくれてる友達の顔を想像するなどして浸ってみます。

これは、ウォーリーしすぎて散り散りになっていた脳の集中力を高めてくれる感じがするし、ふわふわしていた足を地につけてくれる感じもあり、わたしには毎回すごく効果的です。


6-他力本願ー他人の才能を使って先へ進むー

どうしてもいい感じに曲が進まない時はお金と時間を使って他力を導入します笑笑

わたしの場合、曲にまだなっていない1-2分くらいずつの曲の破片みたいなやつを、ミュージシャンを雇ってスタジオに一緒に入り、拭いてもらうことで想像力を高めます。

これはもう本当にマジで効果があり、これをやると大概すぐに次の展開が思いつきます!
小説を書いている場合は、お稽古場を雇って、俳優さんたちを雇い、自分の設定に基づいて動いて見てもらうとか
声優さんに書いたものを読んでみてもらうとかが良さそうです。

要するに自分の脳の中だけで完結しているものを外界に出して、他人のクリエイティビティーを使って発展させてもらって、自分をリブートする訳です。

この時、雇う人は優秀でないといけませぬ。自分より力が上の人を雇ってください。


7-自分はクリエイターとしてどこが良いのかを他人に言ってもらう

これも他力系です。似た仕事をしている人にお願いして、そもそも自分はクリエイターとして何が秀逸なのかを教えてもらいます。

往々にして、どんなに芸歴の長いクリエイターでも、自分の良さをわかっていないものですから。

これも、先ほどの内容と同じで、クリエイターとして自分が評価している人にだけ頼んでください。誰かの力を借りる時は相手の力が自分が飛べる距離を決めてしまうので、なるべくその世界で優秀な人に頼みましょう。


8-何を見せても褒めてくれる友人・ファンに頻繁進捗を報告する

これはやる気をブーストするための対策です。何を見せても褒め言葉だけを言ってくれる、決してアドバイスやダメ出しをしてこない友達を選んで、しばらくの間頻繁に進捗報告をさせてもらいらできたものを送って、見てもらって聞いてもらって感想を貰うという方法です。

これは先ほどとは逆でなんの専門性もなく、むしろ手放しで喜ぶだけでなんのアドバイスもしない方の方が良いです。下手にアドバイスをされると、やる気が削がれることもあるので。



スランプもいずれ糧になるように、皆さまの創作活動が幸せに進むように、お祈り申し上げております(^^)

宮嶋みぎわ


おわりに



自分がダメだからスランプになる、ではなく、みんなそれを経験している。けれども、社会活動の中では平気そうにすることを強いられている
、というだけですが、自分がダメなんだ〜と落ち込んで戻ってこられないのが人の常ですよね。

私もあまりにも何度もスランプ経験してきたので、その結果、脱出がうまくなりました。そしてこんな文章を書けるようになったわけなので、苦労するのもまんざら悪くないなと思っていたりします。

アーティストはとかく「感覚的にやる仕事」と思われがちですが、感覚だけでは仕事もできないし、作品が納期までに完成しません。予算の中でやるとか、メッセージが伝わる作品にするとか、納期までにやる、とか、ビジネス界のみなさんがやっていることを少し取り入れると、すいすい上手く進むようになったりするのです。

私はたまたま元リクルートで両方の良さ悪さを見てきたので、アーティストが壁を乗り越えるためのお手伝いをこれからもしていきたい!と思っています。

リンクも再度貼っておきます。

最初に英語版、下に日本語版がございます

8 Practical Actions to Get Over Writer’s Block
スランプを抜け出すためにできる8つのアクション

bit.ly/nomoreblock-mm

*ご感想を頂けましたら、今後、同じような投稿をする際の参考にさせていただきます。ぜひ気軽にお書きください。

*ちなみに5月は国際的にはメンタルヘルス啓発月間だけでなく「アジア&太平洋地域の伝統を大切にしよう月間」でもあり、私たち日本人にとって、すごく大事な月です。このこともまたブログに書きますね!

こちらは先日ジャズと殺陣をかけあわせて公演をした時のもの。お辞儀をしていらっしゃるのは殺陣師の香純恭さん。一緒にSamurai Jazz Projectというdiversity啓発のためのパフォーマンス団体をやっています。このコンサートについてのお話はまたゆっくりと!

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