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自作フィルムホルダーは激しくオススメ

日頃、現像済みフィルムのスキャンにはEPSON GT-X980というスキャナを使用しています。
このスキャナには、フィルムを所定の場所に固定してスキャンするためのホルダーが付属しており、35mmフィルムなら6コマシートx3本、ブローニーフィルムの6x6フォーマットなら3コマ分x1本、4x5シートフィルムを1枚スキャンすることができます。

実際スキャンする際に、このフィルムホルダーはとても便利でありがたい存在なんですが、難点が一つだけ。

それはホコリの混入です。

フィルムホルダーは、透明な(無反射ガラスのような表面加工が施された)アクリルの上にフィルムを載せて、プラ製の抑え具でフィルムを固定する、といった方法をとっています。

フィルムのフラット化や固定には非常に便利なんですが、この形式だと
・フィルム表面と裏面
・アクリル板のフィルム側の面
・アクリル板のフィルムとは逆側の面
と、埃が付着する面が4つあります。

しかも、フィルムホルダーのアクリル部分の端っこ、フィルムの隅にあたる部分のホコリはなかなか取れません。
定期的にレンズクリーナーで拭いたり、ブロワーで埃を飛ばしたりしていましたが、どれだけ対策を施してもホコリの混入を「ある程度減らす」ことはできても「激減」とまでは行きませんでした。

主たる原因はやはりアクリル板。
このアクリル板の、特に隅っこあたりに残った埃を除去するのがとても難しかったので、いつものように

「アクリル板に埃が溜まるなら、アクリル板をなくせばいいじゃない」

とゴリ押し・アントワネット登場です。

で、先人の知恵(※Youtube)を拝見して

こちらの動画を参考にさせていただいて、百均のマグネットシートを使ってホルダーを作ってみました。

こちらは35mmフィルムを6コマx3本固定できるようにしたホルダーです。
標準のフィルムホルダーと厚みが異なり、スキャン時のピントにも影響がありましたので、マグネットシートの端切れを何枚か重ねて調整しています。

このホルダーにフィルムを入れてみた図がこちら。

フィルムを「だいたいこの辺に置くといいよ」というガイドライン用にマスキングテープを貼り付けています。

そして、実際にこのホルダーを使ってフィルムをスキャンした結果ですが、

結論:大成功。是非是非是非試してほしい

というものになりました。

フィルムのセットには結構時間がかかり、コツも必要です。
が、何よりもスキャン直後の画像で、ホコリの写り込みが激減しました。

フィルムホルダーを使っていたときに、体感レベルではありますが、35mmフィルム1コマあたり数十〜多い時には百を超える微細なチリ・ホコリの写り込みを除去する作業をしていました。

それが今回、フィルムを35mmフィルム(ハーフサイズ含む)を8本読み取って、写真のコマ数で言えば300を超える写真を読み込ませましたが、スキャン後のLightroomでのホコリ除去作業が激減しています。

SilverFastのSRDx機能不使用でスキャンした直後の画像をいくつか。
(noteに掲載するため、画像サイズのみ調整しています)

視認できるホコリの写り込みは2つくらい
空の右上側にチリが1つ混入してます。
こちらも空の右上側に微細なチリが3つくらい
この画像に至っては、ホコリは見当たりませんでした。

フィルムホルダーを使用した際には、SilverFastのSRDx機能を使ってホコリを除去しつつスキャン→1コマあたり数十のチリを除去、この作業を各コマに行なっていました。

今回マグネットホルダーを使ったスキャンでは、SRDx機能すら使わずにスキャンをして、300コマを超える写真全部合わせてチリを50除去したかしないか、といった具合でした。

単純計算で言えば、チリ除去の手間が1/300くらいになってます。

これまで、Lightroomで作業する時間の90%以上がホコリ除去でしたが、この調子でホコリやチリの写り込みを減らせれば、より細かい調整のために手間暇をかけられそうです。

あと、ブローニーフィルムも6x6を3コマx2本セットできるホルダーを作ったり、4x5も2枚セッティングできるホルダーを作ったりと、フィルムスキャン作業の効率を上げることもできます。

材料も百均で売っている、厚さ1mm足らず(多分0.8〜0.7mmくらい?)のマグネットシートで、ホルダー1つあたりシート2枚=200円で出来ました。

フラットヘッドスキャナを使ったフィルムスキャンで、ホコリの混入にお悩みの方は、是非一度試してみてほしいライフハックです。

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