勝手にアニメキャラのセックスを想像してみた

 第38回 黄前久美子−6

「ウグッ! ウグッ! ウグッ!」
私が秀一の背中で細かく動くたびに、彼の顔が引きつる。
それでも彼は、腰の動きを緩めるどころか、ムキになって私の深いところをかき回す。
コチョコチョコチョコチョ。
「ウッ! ウウッ! ウッ! ウウッ!」
コチョコチョコチョ、コチョコチョコチョ。
「ウゥグッ! ウグッ! ウゥグッ! ウグッ! 」
嬉しくなった私は、思わず彼を力一杯抱きしめる。
「クソ! 久美子め!」
私に囁いた秀一は、これまで以上に激しく腰を動かす。
「アアッ! ウァ! アアッ! ウァ! アアアッ!」
腰の回転をアッチェレランド(だんだん速く)で動かす秀一に対し、私には反撃する手段も気力も残っていなかった。
彼の動きに、私はハレンチな声を上げ、頭を左右に振りながら、意味不明の言葉を、空中に放ち続ける私。
「モウ……いいかい?」
という秀一の問いかけが、私の耳元で聞こえる。
目を瞑ったまま私が、やっとの事で「うん」というと、彼は自分のエネルギーを、思い切りよく放った。
「アァ────────────────────ッ!!」
私は彼の愛情のすべてを、身体の一番深いところで受け止めると……再び、意識が遠のいたのである……。

私が再び意識を取り戻した時、秀一はウェットティッシュで、やさしく目尻を拭っている最中だった。
「ねえ、秀一……私、泣いてたの?」
「うん」
「……初めての時もそうだった?」と私が尋ねると
「そうだよ……久美子は、俺と一つになれて嬉しかったんだね」
秀一はそう言いながら、やさしく私の髪を撫でてた。
「うん……秀一……やさしくしてくれて、ありがとう」
といいながら、私は両腕を秀一の広くて逞しい背中に、両腕を回した。
タコが残っている指先で、彼の背中をゆっくりと愛撫してあげる。
「愛しているよ、久美子」
秀一はやさしい笑みを私に浮かべながら言うと、私に優しくキスをする。おでこに、頬に、そして唇に。
「愛している、秀一」私もそう返すと、舌を彼の口の中に入れる。
2人はしばしの間、舌と舌の交歓を楽しんだ。
「うわ、もうこんな時間だ」
目線をあげた秀一は「しまった」という表情を浮かべた。
慌てて、私も時計を見る。もうそろそろ、秀一の親が帰宅するころだ。
「おい、さっさと着替えないとまずいぞ」
私たちは、まだ高校生だ。いくら幼なじみとはいえ、こんな姿を見られるのはまずい。
大急ぎで私たちは、身支度を調えた。
「ただいまー。秀一、お母さん帰ったわよー」
秀一の母が玄関のドアを開けたのは、私たちが着替え終わり、見られたらまずいものを片付けてから数分後のことだった。

「くーみこっ、今日一緒に帰らない?」
麗奈にスカートの裾を引っ張られながら誘われたのは、秀一と結ばれてから数日だった、ある日の放課後だった。
私と麗奈は、音楽学部への進学を目指しているが、緑輝と葉月は一般大学への進学を目指している。そのため吹奏楽部の活動から引退後、緑輝や葉月と一緒に帰る機会は減った。今日もこの二人は、HR終了後「予備校の授業があるから」といって、そそくさと教室を出て行った。
「うん、一緒に帰ろうか」
私は麗奈に返事をすると、彼女と一緒に教室を出た。
校門を出て駅までの道を、あれこれ話しながら歩く時間が、私は好きだ。
だがこの日は、最寄り駅まで二人とも無言のままだった。
「久美子」
改札を通った時、沈黙を破ったのは麗奈だった。
「なに?」
「最近の久美子、ちょっと変」
「そうかな?」
「ヘンだよ」麗奈は、ムスッとした表情でいった。
「いつもなら一方的に私に話しかけるのに、今日はため息ついたり、校舎を向いたりさ」
「うん……」
「なにかあったの?」
「ううん、何にもないよ」私は首を振りながら、麗奈に返事をした。
「ただ……」
「ただ?」
「麗奈とこうして一緒に帰れるのも、あと半年ないんだな……て思ってね」
ため息交じりに、私が答えると
「なに言っているの!」と、強い調子で麗奈が応える。
「久美子は、私と一緒に京芸にいくんじゃなかったの?」
麗奈が口にした「京芸」というのは、京都市立芸術大学のことだ。京都府民や関西の高校生は、この大学をこう呼ぶ。
私は麗奈から「一緒に京芸を目指そう」と誘われ、個人レッスンを受けている。
「そりゃ、一緒に行ければいいけどさ……麗奈なら余裕かも知れないけど、私が受かるかどうかわからないよ……」ぼそぼそと私が応えると
「この期に及んで、なに弱気なこといっているの!」と、麗奈は叫ぶ。
「久美子だって受かるよ! ユーフォやっている子は少ないし、それに『全国大会金賞受賞メンバー』なんだから、余裕で受かるよ!」
「いやいや、世の中そんなに甘くありませんよ」と私は受け流す。が、麗奈は引き下がらない。
「久美子ねえ! そんな弱気でどうするの? こんな調子だったら、受かる学校だって受からないわよ!」
「京芸は、そんな簡単な学校じゃないよ……」私は弱々しく反駁するが、麗奈の表情は険しいままだ。
久美子だったら絶対受かる、いいや受からないというやりとりをしているうちに、ホームに電車が来た。
社内に入り、2人分のスペースを見つけると、並んで座席に座る。
「ねえ久美子。あんた、最近いろいろとおかしいわよ」麗奈が毒づく。
「そりゃ、おかしくなりそうだよ。受験のことのことを考えるとね。志望校のこととか、受験科目とか、受かったら受かったでどこに住もうかとか、あれやこれやと……」
ウジウジ私が言っていると
「そんなことは、受かってから考えればいいの! 今は受験に集中する!」
と、麗奈はぴしゃりと言った。
この調子では、私が「うん、わかった。麗奈と同じ大学に合格できるようにがんばる」
とでもいわない限り、彼女は納得しないだろう。
「ハイハイわかりましたよ。麗奈と同じ大学に行けるようがんばる」といったら
「ハイは1回!」と、麗奈に咎められた。
そんなやりとりをしているうちに、私たちの自宅がある最寄り駅に着いた。
駅から先は、麗奈と私は逆方向になる。私は麗奈にそれじゃまた明日、といおうとしたのだが、彼女はこの機会に、私に言いたいことがあるらしい。
「久美子、ちょっと」
「なによ?
「最近の久美子、やっぱりちょっとヘンね」
「私はもともと、こんな子だってば」と返すが、麗奈は引き下がらない。
「いいや、やっぱりヘンだ」
「うん、モウ……」私がため息をついた。
「はいはい、わかりましたよ。つきあうから。わたしの家、それとも」
と言い終わらないうちに
「私の家に来ない?」と、麗奈は誘ってきた。

それから15分後。
私は麗奈の部屋で、紅茶をすすっていた。
「ねえ麗奈、さっきから『最近ヘンだ』って繰り返しているその根拠って?」
私が質問すると
「最近、塚本となんかあったでしょ?」
と、麗奈はあけすけに、秀一との関係に切り込んできた。
麗奈の発言にビックリした私は、口に含んだ紅茶を吐き出しそうになった。
「ななな、いきなりなによ……」
「ははーん」麗奈は、目を細めて私を小突く。
「う……うん。まあ……ね……」
「やっぱり、なにかあったのね?」
こういうときの麗奈は、自分が納得した答えが来るまでは、絶対に引き下がらない。
ええい、ままよ……と覚悟を決めた私は、先日秀一との関係が、新たな段階に進んだことを明かした。
あっという間に、麗奈の顔色が変わる。
え? なにこれ? 話しちゃまずかった?
しばしの重苦しい沈黙のあと、口を開けたのは麗奈だった。
「塚本、どうだった?」
「え?」
「だから、どうだったといっているの」
「……よかった、よ」ぼそっと、私は答える。
「おめでと……で?」
「ありがと……え?」
麗奈の発言に隠された意味がが理解できず、驚く私。
「はい?」と私。それに対し
「え?」と切り返す麗奈。
「麗奈、なにが言いたいの?」と私。
「どんな感じだったの? と聞いているんだけど」
イラッとした表情を浮かべながら、言葉を返す麗奈。
「だから……で?」
「 麗奈、さっきから『で?』って繰り返しているけど、なにを知りたいの?」
「初めてだったんでしょ、塚本が」と返す麗奈。
「そうだよ、秀一が初めてだったんだよ」と私。
「よかったんでしょ?」と麗奈。
「そうだよ」と私。
「……痛かった?」と麗奈。
ああ、そういうことでしたかと、彼女が知りたいことを理解する私。
「……うん。痛かった……」
「それで……」
「ねえ、麗奈……」彼女がなにかいいたげなのを遮って、私はいった。
「ひょっとして、麗奈も……」
私が質問すると、彼女は顔を赤らめてもじもじしている。
「うん……あたしもやったんだ……」
「……いつ?」
「……今年の合宿前」
「……ええ──────────っ!」彼女の告白に、思わず大声を出す私。
「大声を出すのやめて! お母さんに聞かれたらどうするの?」
「ああ、ごめんごめん。驚かせちゃって」と、麗奈に謝る私。
「ちょっ……ちょっとまってよ……」
親友の衝撃的な告白に、私の頭はパニック寸前だ。

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