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程よい緊張感を楽しむ

筆記試験を受ける時、「開始してください」と言われる直前には妙に手持ち無沙汰な時間がある。

机の上には筆記用具、問題用紙、解答用紙だけが置いてあり、そこには静まりかえった空間だけが存在する。

この何をしていいのか分からない時間は他では味わえない不思議な時間だ。例え直前にどんなにざわついていたとしてもこの時間だけは本当静かになる。

先日「語彙・読解力検定」の試験会場はまさにこのような感じだった。直前までは思い思いの方法で過ごしている中、監督官の説明が始まると今まであった音が静寂へと変わる。

この独特な静寂というのは懐かしく感じる。誰もが通ったと思われる入試試験だ。

学生時代は連日のように試験を受けた。「合格しないと!」なんて切羽詰まっていたのかもしれない。

あの当時はそんなことは全く思わなかったが、この空気は独特だ。そして大人になり教養に対して面白さを感じた頃にもう一度触れてみると、この独特な静寂に心地良ささえ覚えた。

この空気は大人になって味わうぐらいがちょうどいい。もしかしたら試験勉強せずに臨んだからこその心の余裕から産んだ産物なのかもしれない。

#日記 #エッセイ #コラム

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