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ニーズ起点のイノベーションで、心に響く「コト」を生み出す。

こんにちは。&D、Cotton’sの尾崎美穂です。今日は、少しまじめなお話。あれ、だいたいいつも「まじめ」ではありますが。皆さんの会社で新しい商品やサービスの開発が求められているときに、どういった視点が大切かなどについてお伝えします。

商品やサービス、
それはもう飽和状態。

「これからの時代を生き抜くために、新しい商品やサービスを生み出さなくては!」

こんな課題が皆さんの会社で求められていませんか?

よく似たものがたくさん世の中にあって、市場はもう飽和状態。ほしいものはだいたい簡単に手に入ってしまう。それに加えて、さらに今、私たちの生活様式まで変えてしまった新型コロナウイルスの猛威。

そんな中で、急務になっているかもしれません。会社によっては、その業種自体をも見直さないといけないほどの事態に陥っているかもしれません。

新しいモノやコトを開発するときによく「イノベーション」という言葉を耳にします。イノベーションは「発明を実用化し社会を変えること」です。
今までにない新たな発想を生み出して、それが実際に使えるような仕組みを作り、より良い社会に変えていくことが求められます。

イノベーションは「企業が成長するためのもの」として捉えられることが多かったようですが、今ではすっかり「企業が生き残るために必要な原動力」と言われるまでになっています。

「このままではいけない。さあ、新しいコトを考えましょう!」

と急に言われても、ちょっと困っちゃいますよね。

■今までそういった習慣がなかった方々は、
「一体どうやってそのアイデアを生み出せばいいの?」
など、必要性は感じていても、何から始めていいのか、なかなか思うようには進められないかもしれません。

■今までもやってきたけど、あまりヒットしなかったとしたら、
「顧客が本当に求めているものかどうかわからない」
と、過去の開発〜流通後の結果を見て、あまり自信が持てない方もいらっしゃるかもしれません。

独自の価値を生み出すためには、
ニーズ起点での発想が必要。

では、新しい発想を生み出すための最初の第一歩は、どうあればいいんでしょう? 

日本の多くの企業で、今まで主流だったのは「すでにある技術を使って、新しいビジネスを始めよう」といった、「自分たちにできること」から発想された「シーズ起点」でのイノベーションです。
シーズ起点では機能的な価値を生みます。

シーズ起点のイノベーションで生まれる価値

機能的価値
その商品やサービスが持っている基本的な価値と
それに付随する機能性の高さ、便利さ、効率の良さなど

「自分たちには歴史と誇りにあふれた素晴らしい技術がある。」

それは、本当に素晴らしいことです。だけど、それだけを中心に考えますと、こういうことが起こっているかもしれません。

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●「人々にとって本当に必要なものかどうか」という発想は、無意識的に後回しにされている。
●ターゲットを立てているが、形骸化している。
●他社にも「似たような技術」があり差別化しにくい。

よく似た技術の商品やサービスが世の中に投入されると顧客はどのようにして、あなたの会社の商品やサービスを選ぶのでしょうか?

その中から、選んでいただくには、もしかしたら「価格を低くする」という発想にならざるを得ないかもしれません。そうしますと、価格競争に陥ってしまいます。

シーズ起点に対して、「ニーズ起点」でのイノベーションがあります。こちらは「心の奥底にある人々の悩みや本当に求めているのは何かを探ること」から始めます。
ニーズ起点では「情緒的価値」が生まれます。

ニーズ起点のイノベーションで生まれる価値

情緒的価値
その商品やサービスの機能が満たしてくれる
優越感、幸福感、安心感などの感情

人は、何かに憧れを持ったり、自分にとって必要かどうかを見定めるとき、機能性だけではなく、それを使うことで「自分にとって良い経験や感情が得られるかどうか」が大切になってきます。

「ニーズ起点」のイノベーションでは、人々がまだ気づいていない欲求を満たし、感情を動かすことで、自ずと人々に選ばれるようになるのです。

機能的価値をベースに
情緒的価値を生み出す。

これからの時代に求められているのは、機能的価値が大前提としてあった上で、情緒的価値を加えていくことが重要と言えます。では、ニーズ起点で情緒的価値を生み出すにはどうすればいいか。

それに適した手法のひとつに「デザイン思考」があります。

デザイン思考って、「デザイン」という言葉がついているものですから、つい、画期的なデザイン物を作ること? デザインを作るプロセス? など、誤解して捉えられがちなのですが、実はそうではありません。

デザイン思考は、「デザイナーが製品開発や問題解決を行う際の人間中心のアプローチを、社会や企業が抱える問題解決にも応用できるよう体系化した、誰もが活用できる思考方法」です。

その「人間中心のアプローチ」が、現代ではとても重要と考えられていて、世界で注目されるようになりました。

デザイン思考では、ユーザーを観察したり、会話したりすることで深く共感してから発想する「徹底したニーズ起点」ですから、世の中に本当に求められる商品やサービスを生み出しやすいのです。

私は、企業が価値を磨き続けることや、会社で起こる様々な問題と対峙していくために、このデザイン思考が役に立つと確信しています。
なぜなら、私自身がこの思考法を使って、問題解決を繰り返すことで、 V字回復を叶え、会社を立て直すことができたからです。
※私が実際に行なってきた「デザインを活用した経営改革」については「My Story」というマガジンで綴っています。

デザイン思考は、先行きが見えない不透明なこの時代に、皆さんに手に入れていただきたいスキルのひとつです。ぜひこの力を使って、企業の価値を再構築していただきたいと強く願う今日この頃です。
またnoteで、デザイン思考についてもご紹介していきたいと思っています。

2020年秋に刊行予定の拙著「経営とデザインのかけ算」では、デザイン思考の具体的なステップについても掲載しています。
拙著の内容の一部を公開していますので、興味を持っていただいた方は、こちらのページも合わせてご覧ください。

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