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1つの感情に停滞しない(12/14)

電車の中で知り合いの名前が聞こえた。
少し聞き耳を立ててみる。話の内容はこうだ。

Aさん(知り合いの名前)にLINEを送ったのだけど、もう3日も未読状態。何かあったのかな、と気になったけどFBは開いてるみたい(メッセンジャーの最終ログインで確認したそうだ)。

話している彼女はAさんのことが気になっていて、既読がつかないことに「どんな理由が考えられると思う?」と友人に聞く。

スマホに目線を落としながらAさんのことを想像する。見るのも億劫なくらい、相手は負担におもってるんだろうなぁと知り合いの彼が困っている顔を思い浮かべる。「不自然な未読に気づいてくれ」。相手はそうおもっているに違いない。

「あ、来た」彼女の声がワントーン高くなった。Aさんから返事が返ってきたらしい。けれど悲しいかな、その後に続く声は、一緒にいた友達の「ほかにいい人探そ」だった。

好きになったりなられたり、返事を待ったりタイミングを見計らったり、この車両にいる人みんな、そんな駆け引きをどこかでしているのだろうなぁと思う。そしてそれは、人生を彩るには必要な揺さぶりなのかもしれない。

「人生を軽快に生きるためのヒントは、笑ったり泣いたりした時に、いつまでもそこに停滞しないこと」とある住職のコラムに書いてあった。返事を待って落ち込んだり、連絡がきて喜んだりするのも人生。その瞬間はめいっぱいそれに集中して、時期が終わったらサッと引ければ、落ち込みも楽しんでしまえたりするのだろう。

Aさんは、私の知っているあの人だったのだろうか。彼女はLINEに返事をしたのだろうか。最寄りにつき、私が先に電車を降りて、数々の疑問は迷宮入りとなった。けれどその瞬間もまた、人生を彩る1つの要素なのかなぁ。

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