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てしごと品の価値はどこにある?

ライターさんから送られてくる原稿や、取材に行って手に取るてしごと品について、どうして“良いもの”だと言えるのだろうかと考えた。

てしごと品は、誰かがじっくり、時間をかけて作っているため値段は高め。同じものはなく、ひとつひとつ微妙に形が違う。デザインそのものが素敵だな、というのもあるけれど、「手作りだから良いもの」と主張するには、デザイン以外に「良いもの」と言えるかが必要だ。時間をかけて作ることがどう“良いこと“なのか?改めて考えると「てしごと」がユーザーに与えるメリットは明確に言語化しづらいのではと思う。

大事なのは、「手作りであること」よりも、それを作った人がどんな思いを込めているとか、どんなストーリーがあるかによるのかもしれない。

最近てしごと品を買った。作っている人が店頭に立ち、商品の説明をていねいにしてくれて、「欲しいな」と思った。「可愛いなと思ったから」はベースにあるが、なによりこの商品を大事に使えば、作ってくれたこの人はきっと嬉しいだろうなぁと、その人の「ありがとう」が聞こえた気がしたのだ。

私が払ったお金が目の前の人に届く。誰に支払うのかわからないお金をたくさん使うよりも、作り手に渡すお金はとてもシンプルでわかりやすい。そして自分だけではない、誰かのためのお金を、使ったような気持ちにもさせてくれる。

てしごと品に関わらず、ストーリー性があったり、渡したお金がどういった使われ方をするのかがわかるものは、多少高くても積極的に買いたいと思う。2,000円程度で買えるスリッポンではなくて、自分が買えば途上国の子たちに靴が届くTOMSを買ってしまうのは、そのプロダクトにまつわるストーリーに共感しているからだ。

「手作り=良いもの」と思いがちだけれど、てしごと品の良さをしっかり伝えるためには、どうして手作りが良いの?をもっと深堀して考えてみる必要がある。それは通販でも、Web記事を通してみるだけでもわからない。直接行ってみて、作り手の話を聞いたり、作成したエピソードを聞いて改めて「手作りっていいかも」と思える気がする。モノの良さは、「手作り」にした背景や作り手、そのモノがもつストーリーに隠されているのだから。



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