抽象は、具象を集めて受け手が見つける

抽象的な表現でも、「例えばこういうこと」と具体的にしていくうちに、その言葉の納得感やイメージがくっきり作られてくる。

「くつろげる空間」と一言でいっても、どんな点に工夫しているのか、どういう環境、目に映るもの、香りによって出来上がっているのかは、その言葉から読み取るには難しい。そして、抽象的であればあるほど、その言葉から連想するイメージはどんどんぼんやりしていって、プールに潜って目を空けた時のような、あいまいな見え方になってしまう。

ラベンダーの香りがほのかに漂うとか、生き生きとした植物のインテリアがそこかしこに置かれているとか、ソファは柔らかすぎず、寄りかかっても無理なく姿勢が保てるとか、イメージを具体的にしていって、「ここならくつろげそうだ」と受け手側が抽象表現を発信できるようにすることが、物事を伝えるうえで大事になるよなぁと思う。ひとつひとつ丁寧に描写をすることは、ゴーグルをつけるのと同じこと。プールに潜って目を空けても、ゴーグルがあればはっきり見えのだ。


抽象的で理解が難しいと思っていた言葉を、より具体的に、どの部分で表しているのか聞いていくうちにすっかりそのものの虜になって、素敵!!!と熱が入った火曜日の午後。取材に来ています。

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